キャシディ、今季初表彰台を獲得するも笑顔少なめ「勝てる可能性もあった」

　2020スーパーフォーミュラ第2戦岡山で3位表彰台を獲得したニック・キャシディは、好結果を残せた嬉しさがあった一方で、勝てる可能性もあったとレース後に悔しさを隠しきれない様子だった。

　今回はレース中にタイヤ交換義務のルールが追加されることになり、開幕戦もてぎでの単調なレースとは打って変わり、各車の戦略が異なり、終盤まで気の抜けないレース展開となった。その中で10番手からスタートしたキャシディはレース終盤までピットストップを引っ張るという作戦を選択。そのためレース後半は坪井翔、石浦宏明（JMS P.MU／CERUMO・INGING）の2台とキャシディによる“目に見えない攻防戦”が繰り広げられた。

　キャシディは残り2周のところでピットインしたものの、トップを維持することはできず3番手に後退。そのままチェッカーを受け、今季初の表彰台を獲得した。

「レースを振り返ってみるとギャップを作っていくことに集中していた。坪井選手の位置とペースを常に注目してピットからも逐一情報を得ていた。石浦選手がピットインしてトップに立ったあとは僕の計算では『勝つことができるかもしれない』と思っていた。しかし、トラフィックにひっかかってしまった。それで3秒くらいは失ってしまった。それが大きかった。思うようなペースでレースができなかったのが悔しかった」

「その中で平川選手の前に出るために彼とのギャップも常に計算して、最終的に彼の前に出ることができた。あとはタイヤも45周くらい走った状態だったが、最後まで1分15秒台を記録できるペースで走れたのも良かった」

　バックマーカーに引っかかったことでペースダウンしてしまったのが敗因のひとつだったというキャシディ。その中でフルーフラッグの対応が少なかったことが気になったようだ。

「途中、2台のマシンに引っかかってしまった。別に彼らがブロックをしていたというわけではなくて、チャンスがあるところで前に行かせてくれたんだけど、それぞれ1.5秒くらいロスしてしまった。彼らが道を譲ってくれたおかげで、僕はこのポジションにいられるわけだから、本当に感謝している」

「今回はブルーフラッグが少なかったように感じた。ただ、僕はマーシャルに対して文句を言っている訳ではないし、彼らがいてくれるから安全にレースをすることができるからすごく感謝をしている。ただ、こういう状況だったこともあって結果的にタイムを失ってしまった」

「もちろん10番手スタートから3位を獲得できるとは思わなかったし嬉しい結果ではあるけど、優勝を逃してしまったという部分の悔しさもあるし、複雑な心境ではある」