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「トムスと出会って人生が変わった」ニック・キャシディの歩みと“これから”

2019年にスーパーフォーミュラ王者となったニック・キャシディは、日本のレースカテゴリーで3つのタイトル(2015年全日本F3、2017年スーパーGT、2019年スーパーフォーミュラ)を獲得したドライバーとなった。今回はそんな彼の“これまで”と“これから”に迫った。

ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)

写真:: Masahide Kamio

 ニュージーランド出身のニック・キャシディが2019年のスーパーフォーミュラでタイトルを獲得した。ニュージーランドはこれまでも多くのドライバーをヨーロッパに送り込み、F1を始めとする幾つものカテゴリーで活躍する人材を輩出してきた。しかし、日本のレースに参戦したニュージーランド出身ドライバーは少ない。その中でキャシディはスーパーGT、スーパーフォーミュラ両カテゴリーでタイトルを獲得した突出した才能の持ち主。自らを“キウイ”と呼ぶ彼に話を聞いた。

トムスと出会った瞬間、僕の人生は大きく変わった

−−ニュージーランドやオーストラリアのドライバーはF1を目指してヨーロッパに渡る人が多い中、日本を選んだ理由は?

「最初はヨーロッパに行った。それから(2014年の)マカオGPに出て3位に入り、そこでトムスの人に会って日本のレースで走る機会をもらったんだ」

−−マカオ出場の経緯は?

「僕がユーロF3を戦っていたとき、スリーボンドTスポーツ・チームのテストを受け、その結果が非常に良かったのでマカオGPに出てみないかということになり、2014年にマカオに行った。そこで出会ったのがトムスだった。その瞬間、僕の人生は大きく変わった。僕にチャンスを与えてくれたスリーボンドとTスポーツのオーナー、スキャリーとラッセルには今でも感謝している」

Nick Cassidy, Three Bond with T-Sport Dallara F314 NBE
Podium, 2nd Lucas Auer, Kfzteile24 Mücke Motorsport Dallara F312 Mercedes-HWA, 1st Felix Rosenqvist,
Nick Cassidy, Three Bond with T-Sport Dallara F314 NBE
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−−ヨーロッパのレースより日本で走りたかった?

「2014年のマカオGPでトムスの速さを確認出来ていたので、トムスから日本で走らないかと誘われて断る理由はなかった。F1を目指さないというわけではなかったけど、目の前にある絶好のチャンスを捨てることはしたくなかった」

「トムスは富士スピードウェイで行なわれるオーディション・テストに参加しないかと誘ってくれた。テストはマカオが終了した1カ月後の12月23〜24日で、雪はなかったけど凄く寒かった。日本はその時が初めてだった。それまでヨーロッパでは良いレースが出来ていたし、マカオでも結果が出ていたので、日本のテストも自信があったんだけど、ちょっと難しかった。一緒にテストしたのは山下健太で、彼の方が僕よりコンマ2秒ほど速かった。そこで、このテストは心してかからなきゃと思った。でも、おかげでテストは無事に終わり、翌年には全日本F3選手権を戦うことに決まった」

−−その日本のレースはどうですか? レベルは予想通りでしたか?

「来日する時から『日本のレースは非常にレベルが高い』と良い話しか聞いていなかった。ただ、聞いていたのはF3の話だけ。多分スーパーGTは海外ではあまり知られていなかったんだと思う。でも、スーパーGTを見てみたら素晴らしいレースなので驚いたことを覚えている」

−−ヨーロッパと日本を比べての違いは?

「日本のフォーミュラレースの方がヨーロッパのF3よりレベルは高いと思う。というのは、日本ではF3でもレースを長くやってる人が多く経験も豊富だ。それにスーパーフォーミュラで走っているドライバーはほとんどがF3チャンピオンだ。だから僕たちが戦う場としてはとても価値がある」

 

スーパーフォーミュラ、スーパーGTともに充実のシーズンとなった2019年

−−2019年のスーパーフォーミュラを振り返って、どういうシーズンでしたか?

「富士スピードウェイで行なわれた第2回スーパーフォーミュラ公式テストでは、ロングランテストが信じられないほど良かった。その結果、今シーズンのレースへの自信が付いた。だから、今年は最高の年になるだろうと思っていた。でも、凄くタフなシーズンだった」

「でも、第1戦鈴鹿のレースではトラブルで不調に陥った。問題の詳細を語ることは出来ないが、ちょっと悩んだ。でも、第4戦の富士のレースではそれが解決していて、そこから性能が急速に上がっていった。それから最終戦に向けてドンドン良くなっていった。最終戦でクルマに手を焼くというのは最悪だから、その時点までに良い状態に持って行けたのは最高だった。それは心理的にも良いことで、戦う気持ちを盛り上げることも出来た」

−−今季最高のレースは?

「僕の最高のレースは(第5戦)もてぎで、12番手からスタートして3位でゴールした。もてぎは抜きにくいコースだけど十分にスピードを活かすことが出来た。反対に最悪のレースというのは(第3戦)SUGOかな。シーズンを通してポイントが取れなかった唯一のレースである(第6戦)岡山は、クルマの性能は非常に良かったけど、結果はついてこなかった」

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“世界”への秘めた想いを明かす「トヨタでWECを走りたい」

−−来シーズンに関してはどこのチームでどのシリーズを戦いますか?

「まだ決まっていない。幾つかの選択肢がある。日本でレースをするか、あるいは海外からのオファーに応えるか。正直なことを言うと、僕はトヨタでWECを走りたい。新しい挑戦をしたい気持ちがありそれはWECだと思っている。でも現時点では難しい」

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−−WECは今難しいポジションにある。ハイブリッド・クラスはトヨタだけが残っていて、ル・マン以外は観客数も減っている。2020年から始まるハイパーカーのシリーズに希望を繋ぐしかない。

「今の僕は10年前の(アンドレ)ロッテラーと同じ難しい立場にいる。彼は日本のレースで活躍した後WECのシートを探していた。彼は最終的にアウディに行ったけど、そこに決まるまでは大変な時間を過ごしたようだ。今、レースの世界は大変革の時期だ。ドライバーとしてはどこでどんなレースをするか難しい選択を迫られている」

−−フォーミュラEに興味は無いですか?

「ある。未来志向のレースとしては参加する意義はあると思う。選手権は非常にタイトで、ドライバーとしてもやる価値はあると思う」

−−アメリカはどうですか? パロウはF1よりアメリカに興味があると言っています。(インタビュー後、パロウのインディカー行きが決定)

「彼は若いのでいろんな可能性に賭けるのは良いことだ。アメリカは僕も興味があり、チップ・ガナッシのチームとコンタクトを取ったことがある。まだテストはしていないけど、可能性は残っている。ガナッシで走っているスコット・ディクソンは僕と同じニュージーランド出身だから、よく話はする」

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