スーパーフォーミュラ 第1戦・第2戦鈴鹿

トップフォーミュラPP回数で歴史塗り替えた野尻智紀。遅咲きの男が後進に馳せる想い「たくさん経験させてあげられる環境を作りたい」

スーパーフォーミュラでのポールポジション獲得回数が20回を超えた野尻智紀。キャリア初期は決して華々しい実績を残してきたわけではなかったが、そんな自分と似たような状況にあるドライバーたちに、経験を積める環境を提供する手助けがしたいと語った。

戎井健一郎

公開日時: 2025/03/10 8:34

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

Tomoki Nojiri, TEAM MUGEN

写真:: Masahide Kamio

 TEAM MUGENの野尻智紀が、スーパーフォーミュラの歴史に新たに名を刻んだ。2025年のシリーズ開幕戦で、キャリア通算のポールポジション獲得回数が20回に到達。第2戦には早くもその記録を21回に伸ばし、1996年からのフォーミュラ・ニッポン時代から数えて歴代トップとなった。

 従来のレコードホルダーは、シリーズタイトル通算4回の本山哲。平成以降の国内トップフォーミュラではその実績で右に出る者はいなかったが、野尻はそこに風穴を開けた形だ。

 スーパーフォーミュラ参戦12年目を迎える野尻だが、彼もこれまで順調に数字を積み上げてきたわけではない。デビューから最初の6年間でのポールポジションはわずか3回だった。しかし8年目の2021年に初のシリーズチャンピオンに輝くと、2022年には10戦中6PPという驚異のスピードを見せて連覇達成。まさに遅咲きの苦労人である。

 偉大な本山の記録に並んだ直後のインタビューで野尻は、自身の少年時代に思いを馳せ、地元の茨城から近い栃木県のツインリンクもてぎ(現・モビリティリゾートもてぎ)でフォーミュラ・ニッポンを観戦していた時のことを回想した。

「(1999年の)UNLIMITED Le Mansに乗っていた頃の本山さんを、もてぎのピットの上から見ていました。すごくかっこいいなと思っていて、この光景はすごくよく覚えています」

「そういった偉大な選手に、ポールポジションという記録ではありますが肩を並べられたのは非常に光栄なことだと思いますし、こういった経験を自分にさせてくれた方々、これまで支えてくれた方々のおかげだと思っています。本当に助けてもらってばかりなので、感謝だけですね」

 野尻はフォーミュラ・チャレンジ・ジャパンや全日本F3といったステップアップカテゴリーで好成績を収めていたとはいえ、チャンピオン獲得経験はなし。4輪レースでのタイトルは2021年のスーパーフォーミュラまで待たなければならなかった。だからこそ本人は、そんな状況でも自分にチャンスを与えてくれた人たちへの感謝の気持ちを口にしているのだ。そして自分がしてくれたことを、後進たちにもしてあげたいという気持ちも持っている。

 大きなマイルストーンを達成した野尻に、苦労してきたキャリア初期のことがよぎったのではないかと尋ねると、彼はこう答えた。

「自分がSFに来るまでの成績って、今乗っている他の選手たちからしたら『よくそれで生き残れたね』というくらいの成績だと思います」

写真: Masahide Kamio

「でもその中で、色々な経験を積ませてもらい、自分を鍛える環境を常に与えてもらったことで、これまで多くのポールポジションを積み重ねることができました。もし自分が環境を作れる側の人間なら、これまで自分がしてもらったように、たくさんの経験をさせてあげられるような環境を作ったりしたいなと思いますね」

「どの仕事であっても同じで、ある程度舵取りのようなものをしてあげると成功により近付きやすいのかなと思います。そういった、自分を常にプッシュしてくれた人たちがたくさんいたからこそ、ここまで実績を積めたのだと思います」

 今も国内トップカテゴリーの第一線で戦う35歳の野尻だが、今季のスーパーフォーミュラ・ライツではDELiGHTWORKS RACINGのレーシングアドバイザーも務めている。チームのドライバーは荒尾創大と三井優介の元ホンダ育成ドライバー。奇しくも共に、ミドルフォーミュラで好成績を収めるも、あと一歩足りずメーカーの支援から外れてしまった若手だ。酸いも甘いも経験してきた野尻の言葉は、挫折を味わった若武者たちにどう響くか。

関連ニュース:

 

 

あなたの意見が聞きたい!

Motorsport.comで何を見たいですか?

5分間のアンケートにご協力ください。

- Motorsport.comチーム

関連ニュース :

記事をシェアもしくは保存

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

前の記事 女性レーシングドライバーを憧れの対象に。KYOJO CUP参戦選手、SNSも活かし「クルマに馴染みない方にも“かっこいい”と思われるよう」

次の記事 F1王者を輩出するために……HRC渡辺社長に聞く、ホンダのドライバー育成将来の姿「もっと尖らないといけないかもしれない」

More from

戎井健一郎



前戦優勝のSTANLEYプレリュードに痛手。公式練習でのトラブルによるエンジン交換でペナルティストップ5秒

スーパーGT

スーパーGT

第5戦:鈴鹿

1 時間前

前戦優勝のSTANLEYプレリュードに痛手。公式練習でのトラブルによるエンジン交換でペナルティストップ5秒



名門インパルの心強いパートナー! SDGが2027年もTEAM IMPULとのパートナーシップ継続へ

スーパーフォーミュラ

スーパーフォーミュラ

19 時間前

名門インパルの心強いパートナー! SDGが2027年もTEAM IMPULとのパートナーシップ継続へ



Moduloプレリュード、スーパーGT鈴鹿戦に向け無事修復完了! 3週間前の富士で派手に宙を舞うもモノコック交換は免れる

スーパーGT

スーパーGT

第5戦:鈴鹿

19 時間前

Moduloプレリュード、スーパーGT鈴鹿戦に向け無事修復完了! 3週間前の富士で派手に宙を舞うもモノコック交換は免れる

最新ニュース



前戦優勝のSTANLEYプレリュードに痛手。公式練習でのトラブルによるエンジン交換でペナルティストップ5秒

スーパーGT

SGT スーパーGT

第5戦:鈴鹿

1 時間前

前戦優勝のSTANLEYプレリュードに痛手。公式練習でのトラブルによるエンジン交換でペナルティストップ5秒



アントネッリ、スプリント予選のコースオフでフロア損傷。大幅にダウンフォース失い「明日また挑戦するよ」

F1

F1 F1

オランダGP

2 時間前

アントネッリ、スプリント予選のコースオフでフロア損傷。大幅にダウンフォース失い「明日また挑戦するよ」



コラピント、夏休み中の車上荒らし被害明かす「メッシの水筒気に入ってたのに。人生最悪の1日だった!」

F1

F1 F1

オランダGP

2 時間前

コラピント、夏休み中の車上荒らし被害明かす「メッシの水筒気に入ってたのに。人生最悪の1日だった!」



フェルスタッペン、スプリント予選はフリー走行から改善も「本当にもう少しグリップが欲しい」

F1

F1 F1

オランダGP

3 時間前

フェルスタッペン、スプリント予選はフリー走行から改善も「本当にもう少しグリップが欲しい」

Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.

フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。

次の 2 つのオプションがあります。

購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします

広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード

お知らせの管理

登録