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またも決勝が雨に見舞われそうなスーパーフォーミュラ。ドライバー・運営サイドから挙がった、開幕戦の課題と改善案

スーパーフォーミュラ開幕ラウンドは雨に見舞われたが、この時のセーフティカー運用等を巡って関係者間で様々な議論が交わされている。関係者たちも、今後に向けて改善できる点があると感じているようだ。

Safety car

Safety car

写真:: JRP

 オートポリスで開催されているスーパーフォーミュラ第3戦。明日の決勝日は雨予報となっており、しかも雨量が多くなる可能性がある。3週間前に開催された開幕もてぎラウンドに続き、悪天候に悩まされそうなレースウィークとなった。

 もてぎ大会の土曜日に行なわれた第1戦は、雨の中でセーフティカーランと赤旗中断が繰り返された。ただ、その中でもセーフティカーが解除されて数周だけレースが行なわれ、ポールシッターの岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)を太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がオーバーテイクして勝利を掴むというドラマが起こった。

 そんなドラマの裏で、このレースでの運営面について関係者間でかなりの議論が交わされたことが明らかになっている。議題は大きく分けてふたつ。まずひとつが、あの状況でレースを実施すべきだったか否かだ。

 ウエットコンディションにおけるレース実施可否の判断は往々にして難しい。当然ながら安全第一が基本となるが、レースにおいて全てのリスクを排除することはできない。潜在的なリスクの大きさと、興行としてファンにレースを届けるということの重要性を天秤にかけながら、慎重な判断をしていくことになる。

 スーパーフォーミュラを運営する日本レースプロモーション(JRP)の近藤真彦会長は、オートポリス戦の予選日に行なわれた会見の中で次のように語った。

「ウエットレースのどこで線を引いて中止/延期とするのか、もしくはレースをするのか……その辺りちょっと微妙なところがありました」

「ドライバーからはグリップ力というよりも、水飛沫によって視界が悪いという話が出ていました。明日の天気も微妙なところがありますので、もてぎを踏まえて明日はもう少し早い決断をしなければいけないと相談しています」

 また、スーパーフォーミュラの選手会組織FRDAで会長を務める坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)は、ドライバーからはもてぎ戦のようなコンディションでは視界的にレースができないという意見が多かったと述べた。彼も一定の基準を設けてレースの実施可否を決めるべきだとしつつ、ここ最近ウエットコンディションでまともにレースができていない状況へのもどかしさも覗かせた。

「最終的にみんなからの意見としては『あの状況ではレースはできなかった』というものが多かったですね」

「前の方にいるドライバーはもちろん前が見えますが、中団にいる僕は(マーシャル)ポストが全く見えなかったので、その状況でレースをするのはどうなんだろうという意見はありました。オフィシャルさんも目の前を何番のクルマが通ったか分からないくらいだったと聞いているので、目視で見えないところを300km/hで走るのは無理だと思います」

写真: Mobility Land

「水飛沫がすごかったですが、昔は見えなくてもやっていたような気もするし、水飛沫の量がSF23になったから変わったわけでもないと思うし……。なんでだろうと思うこともあります」

「ただ最近は安全面に敏感になっている部分はあるし、実際にルーク選手(REALIZE KONDO RACINGのルーク・ブラウニング)は危ないシーンがありました。何かあってからでは遅いと思いますから、目視ではなく、レーダーを見ながら雨量でレースをやるかどうかのボーダーラインを決めないと、セーフティカーでずるずると周回を重ねることになります」

「こちらの温度感は競技団の皆さんに伝えました。明日は予報で言われているような2ミリ、3ミリの雨量だと正直無理かなと思いますが、希望としてはやりたいですね」

 坪井の言うように、ブラウニングはもてぎであわや大惨事というアクシデントに見舞われた。彼は無線の不調と視界不良もありセーフティカー出動に気付かず、前方のスロー走行集団に接触。幸い大きな事故にはならなかったが、シチュエーションとしては非常に危険であった。

 FRDAの副会長であるサッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)は、こういったアクシデントを防ぐべく、ドライバーのステアリングのダッシュボードにセーフティカー出動のメッセージが表示されるようにすべきだと主張した。

「もてぎでは視界が非常に悪く、特に中団や後方のドライバーは厳しかった」

「ヨーロッパのドライバーたちは、ヨーロッパのようにセーフティカーが出た時にダッシュボードにセーフティカーの表示が出るようにすべきだと提案している。これは将来的に良い解決策になるだろう。向こうでも(スーパーフォーミュラ同様に)コスワースのステアリングを使っていて、そのシステムが導入されているのだから、できることはあるはずだ」

裁定に関する文書発行で透明性を

 そしてもうひとつ、今週末もかなりの議論が交わされたのが、開幕戦でのペナルティ裁定について。セーフティカー先導中、坪井がロマン・スタネック(ナビクル Buzz MK RACING)のマシンを追い抜いてしまった一件がそれだ。

 そしてレースの正式結果では、セーフティカー中の追い越しがあった坪井は訓戒とされている。この裁定に対し、複数のチームが抗議の意向を示し、そのうち1チームが実際に抗議を行なったことがmotorsport.comの取材によって分かっている。オートポリス戦前の金曜日に行われたドライバーズブリーフィングでも、このことがかなりの時間話し合われたようだ。

 フェネストラズもこの件について「もてぎでは、セーフティカー中にオーバーテイクをしたドライバーにペナルティが出されるべきだった一件がある。ペナルティの判定方法については変更すべき点もある」と言う。

 その他チーム関係者の話では、少なくとも裁定を下した理由が明確となるよう、ドキュメントを公開するなどしてほしいという声も聞こえてきた。たとえばF1では、ペナルティかお咎めなしかにかかわらず、審議されたインシデントの審議結果とその理由についてFIAから公式文書が出される。

 こういった透明性の重要性は、JRPの上野禎久社長も認識している。彼は競技団を個人攻撃することに意味はないとした上で、運営サイドとしては裁定に関するドキュメントを出せるようにしていきたいと語った。

「我々はプロモーターの立場ですので、ジャッジに介在することはありませんが、(JRPとして)レースディレクターを派遣していますので、様々な判定に関与はしています」

「これは個人攻撃をしても仕方のない話ですので、仕組みとしてどうだったかが重要です。我々が一番感じているのは、判定のプロセスが開示されていないことによって、色々な疑心暗鬼を生む時もあるということ。できればこれからはこういった微妙な判定に対しては、我々サイドからドキュメントを出すなどの対応をすることで、皆さんのモヤモヤを解消してきたいです」

「判定に関しては、当然それぞれの立場でそれぞれの基準があるわけで、色々な声を吸いあげながらやっています。アスリート委員会で色々なドライバーの声を拾って、審査委員会と色々な議論をしたりして、コミュニケーションを図ることで次の改善ポイントが見えてくると思いますので、まずはそこの風通しを良くしようというのが我々のスタンスです」

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