【SF】ガスリー「F1を目指す僕にスーパーフォーミュラはピッタリ」

今季からスーパーフォーミュラに参戦することを決めたピエール・ガスリーに独占インタビューを敢行。SF挑戦への意気込みなどを訊いた。

 2016年のGP2チャンピオン、ピエール・ガスリーが今年スーパーフォーミュラに参戦することになった。昨年、GP2チャンピオンのストフェル・バンドーンが同シリーズに挑戦して2勝を挙げ、今年はF1に旅立ち、マクラーレンに乗ることになっている。ガスリーはバンドーンの歩んだ道を辿ることができるだろうか? 

 インタビューは2月13日の「ホンダ国内モータースポーツ活動計画発表会」の際に行われた。ガスリーはこの日の時点でスーパーフォーミュラのテストどころかシミュレーターさえ経験さえしいていなかったので、レースに関して深い話を聞くことは出来なかった。それでもピエール・ガスリーという若きGP2チャンピオンの横顔は伺える。

レッドブルとベストな選択肢を検討した

ーー今回のスーパーフォーミュラへの参戦決定のいきさつを教えてください。

「去年GP2を戦って、今年はトロロッソのシートに座ることを目標にしていましたが、レッドブルがダニール・クビアトをもう1シーズン走らせることに決めたためにその可能性が消えてしまいました。そこでヘルムート(マルコ)と残された選択肢の中でベストなチョイスを探っていました。もちろんF1で戦いたかったけれど、レッドブル・ファミリーの中には空きシートは無く、DTMとかスーパーフォーミュラも視野に入れて検討したんです。その中で、ストフェル(バンドーン)が戦ったスーパーフォーミュラが良いという話になりました。理由としては非常にコンペティティブなレースで、クルマはダウンフォースが大きいということが挙げられます。これは2017年から新しいレギュレーションを採用するF1と似通っていて、F1を目指す僕にはピッタリだと言えました。そこでレッドブルとホンダの間で詳細を詰め、契約に至ったのです」

ーーレッドブルのリザーブドライバー契約はまだ有効ですか?

「今もトロロッソとレッドブルのリザーブドライバー契約はあって、ほとんどのF1レースには顔を出します。加えてミルトンキーンズのレッドブルのファクトリーで、シミュレーターも担当します。こちらはセバスチャン・ブエミがメインですが、彼はフォーミュラEやWECのレースに参戦しており、彼がいないときに僕がシミュレーターを担当します。スーパーフォーミュラ参戦が決まった今年は、忙しい年になりそうです」

ーー世界中飛び回らなきゃいけませんね。

「飛行機のマイルが貯まるので、それは嬉しいですね。色々と使えるし」

F1に行く前に、”激選区”で戦うメリット

ーースーパーフォーミュラに関して情報は入って来ていますか?

「あまり詳しいことはまだ知りませんが、同郷のフランス人ドライバーであるロイック・デュバルから聞いています。とてもコンペティティブなレースで、日本のトップフォーミュラだと。それに昨年スーパーフォーミュラを経験したストフェルからも情報は入っています。彼とは仲が良いですから。ただ、まだテストもしていないので、クルマやタイヤ、サーキットに関してはまだまだ少ない情報しかありません」

ーーF1に行った時のことを考えると、良い経験かもしれないですね。

「初めてのコースでレースをすることになるので、そこにどうやって自分を合わせていくかといったアプローチの方法を学べそうです。F1と同じコースでレースをするGP2は経験しましたが、まだ走ったことのないサーキットが多いので」

ーー自分では新しいコース攻略に長けていると思いますか?

「自分ではそう思っています。ただ、スーパーフォーミュラのクルマのことを余りよく知らないので、テストでまずそこからやっていこうと思っています。日本でレースをするのは初めてなので、チームの人とどうやって早く打ち解けるかというのも重要だと思います。これまでヨーロッパでレースをしたときには加入するチームのこともよく知っていたので割と楽でしたが、スーパーフォーミュラでは何もかも初めてなので。でも、新しいシリーズに挑戦するというのはワクワクするものですね。シーズン開始前のテストで、どこまで自分を合わせていけるかが肝心だと思っています。開幕戦から良いレースをしたいので、テストが大切です」

ーースーパーフォーミュラは最初からホンダと交渉したのですか? トヨタという選択はなかったのですか?

「そこはヘルムートに任せていたので、僕は詳しいことは知りません」

ーーGP2は同じクルマ、同じタイヤのレースです。スーパーフォーミュラはシャシー、タイヤは同じですがエンジンが違います。

「同じ条件でレースができるというのはドライバーにとれば才能というか力の差が明確に表れるということで歓迎すべきことだと思います。タイヤに関してもスーパーフォーミュラが使用するヨコハマは変化が少なく、良いタイヤだと聞いています。ドライバーにとれば最後までプッシュできるタイヤがいい。GP2で使用したピレリはデグラデーションが激しく、ドライバーはそのことに対応するので精一杯でした。カートからフォーミュラ・ルノーまではタイヤに悩まされることはなかったけど、GP2では違いました。予選は100%プッシュしても良かったけれど、レースは80%の力で走らないとすぐにタイヤが駄目になり、いつもタイヤのことばかり考えて走っていました。そういった状況でどこまで自分を妥協させて走るかというのは、あまり面白くないですよね。でも、勉強になったと言えばなりましたが……。その点では、ヨコハマはピレリほど性能低下が大きくないと聞いているので、僕のドライビングスタイルに合っているんじゃないかと、今からワクワクしています」

ーースーパーフォーミュラのエンジンは現在ホンダとトヨタが争っており、トヨタが一歩進んでいるように思われます。その点でホンダエンジンのあなたに心配は?

「エンジンの状況は聞いています。まずはホンダエンジンでトヨタ勢に勝つことが目標になるでしょう。でもこうした戦いが出来るということは、ドライバーにとって良いことです。レッドブルのリザーブドライバーとして、1年間F1について回ってレースが出来ないなんて、モチベーションが下がることは決まっていますから。F1も重要だけど、そこに至るまでに激戦区で戦って目標を達成するための気持ちを持ち続けたい。目標はスーパーフォーミュラのタイトル獲得です」

思ったより早くF1で戦えるかもしれない

ーーレッドブルは特定の自動車メーカーにコミットしたものではないので、所属するドライバーにとれば様々なカテゴリーを経験出来る可能性がある。あなたも今年の選択肢にスーパーフォーミュラ以外にDTMがあったと言っていました。

「レッドブルのプログラムに入っていることはポジティブな点と同時にネガティブな点もあります。良い点は非常に効率的に出来たプログラムで、ドライバーは大きなプレッシャーを感じなければいけないということです。でも、このプレッシャーはドライバーが成長する上で必要なこと。スムーズに運ぶのは難しいけど、やらなきゃいけない。自分をクリエイティブに、ポジティブに捕らえてプレッシャーに耐えてモチベーションをキープする方法を学ぶことができます」

ーーレッドブルは多くのドライバーを抱えていますが、F1に進めるドライバーは少ない。あなたはその中でF1に最も近い。

「確かに。でも、近いだけじゃね。ただ、今年はF1よりスーパーフォーミュラに集中したいです。そして、シーズンの終わりにF1の話が来れば良いと思っています」

ーー多くの若いドライバーがF1で走っています。あなたと同じ世代だ。

「僕も先週の火曜日に21歳になったばかりです。マックス(フェルスタッペン)やカルロス(サインツJr.)とはカートで一緒だった。彼らは素晴らしい働きをしています。特にマックスなんか19歳で、トップチームのレッドブルで素晴らしいレースをしている。20年前と違って若い我々もF1で十分に通用する、通用するどころか飛び抜けた走りが出来るということを証明しています。我々若い世代にとってとても良いことで、トップチームも若いドライバーを採用することを躊躇しなくなります。もちろん経験は少ないけど、チャンスを与えられればそれに応える努力はする。だからこれから先、我々のような若いドライバーに多くのチャンスが回って来ることを期待しています」

ーーすでにF1で走っている同年代のドライバーに嫉妬は感じませんか?

「彼らのポジションに僕がいたらと思いますけどね。でも、みんな独立した個人だし、別々のルートを辿ってここまでやって来たんだから、それは認めなければ。とにかく自分の置かれた立場に納得しなければいけません。僕の場合はそれほどイージーな立場じゃないですが、今の状況を受け入れて最善を尽くす必要があるということだろうと思います。去年の末は、GP2でタイトルを獲ったのにF1のチャンスが巡ってこなくて落ち込んだけど、まあこういう状況に置かれた方が人間として強くなれると思うし、僕にはこの状況が必要だったんだと思うことにしています。それに、この先何があるかわからないし。思ったより早くマックスたちとF1で争うことになるかもしれない」

ーーあなたはクルマの技術に関しては興味を持つ方ですか? 技術なんか関係ないというドライバーと、技術面をとことん詰めていくドライバーに分けられると思いますが。

「クルマの動きが、どういう仕組みでそうなるのかってことには非常に興味があります。つまり、クルマの技術的なことが理解出来ていないとそれはわからない。去年はチームのエンジニアととことん話し合い、クルマを作っていきました。その結果速いクルマに仕上がってタイトルが獲れたと思っています。クルマの仕組みが変わると動きがまったく違うものになるというのは下のクラスで学んできたので、知識の蓄積はそこそこあると思っています」

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シリーズ スーパーフォーミュラ
記事タイプ 速報ニュース