【SF】中嶋一貴”楽ではなかった”完勝劇「ストール寸前だった」
スーパーフォーミュラ開幕戦を制した中嶋一貴。側から見れば楽勝に見えるが、実はスタートで全てを失いかけていたという。

2017年のスーパーフォーミュラ開幕戦決勝。ポールポジションからスタートした中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)がそのままトップチェッカーを受け優勝。2015年第5戦オートポリス以来、約1年半ぶりの優勝を飾った。
金曜日から絶好調だった中嶋。決勝では得意のスタートで逃げるかと思われたが、実はうまくいっていなかったという。それでも、1コーナーではトップを死守。そこから山本尚貴(TEAM無限)と拮抗したバトルを繰り広げた。
ちょうどピットストップ前にセーフティカーが入ったが、幸い大きな影響を受けずにピットイン。ここでもトップを守りきり、そのままフィニッシュ。いつもはクールな中嶋だが、パルクフェルメでは、思いっきりガッツポーズをみせ、プレッシャーから解放された安堵の表情を見せた。
「本当にホッとしたというのが、正直な感想です。今週末はクルマの調子が贅沢なくらい良かったので、それでしっかり結果を残すことができました。決して楽な展開ではなかったですけど、ピットストップのタイミングも良かったですし、最後まで気持ち良く走ることができたので内容としては良かったです」
今週末は様々なことが起こったレースだが、一番のキーポイントになったのはスタート。いつもは後方にいても、トップに届くくらいの好ダッシュをみせていたが、今回はうまくいかなったという。
「スタートですね。本当にストールしかけたくらいだったのですが、エンジンのパワーに助けられました。今振り返ると本当にヒヤリとしました。それ以外に、予選は僅差でしたし、レース中も決して楽な週末ではなかったです」
「週末を通して全て調子が良いことはあまりなかったので、いつも予選が良くて決勝がダメだったり、予選は調子よくなかったけど、決勝でピークがきたりでした。今までではあまりなかった良い経験ができたかなと思います」
中嶋はこれで、先週のWEC(世界耐久選手権)に続き、2週連続での優勝を果たしたことになる。外から見れば、実にノッている男……そんな風に見える。
「自分がやっていることはそんなに大きくはないです」
そう中嶋は謙虚に語る。
「余計な失敗をするときもありますし、そういうのを極力減らしていくことしかないかなと思っています。ただ環境としてクルマも状況も良いですし、僕自身も忙しくはありますが、いろんな車にたくさん乗る時間があるというのはドライバーにとってはありがたいことだと思っています」
取材・執筆/吉田知弘
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この記事について
シリーズ | スーパーフォーミュラ |
イベント | 第1戦鈴鹿 |
サブイベント | Sunday Race |
ロケーション | 鈴鹿サーキット |
ドライバー | 中嶋 一貴 |
チーム | TOM'S |