【SF】富士決勝:大波乱のレースを乗り切った石浦宏明が今季初優勝

第3戦富士の決勝レースが行われ、P.MU / CERUMO・INGINGの石浦宏明が終わってみれば独走での優勝となった。

 スーパーフォーミュラの第3戦が富士スピードウェイで開催。波乱に溢れたレースを、P.MU / CERUMO・INGINGの石浦宏明が制した。

 気温は32度、路面温度は44度。予選時よりは路面温度が低いものの、陽炎が立ち上るタイヤには厳しいコンディションでレースがスタートした。

 ポールポジションの国本雄資(P.MU / CERUMO・INGING)がスタートを決めた一方で、2番グリッドのチームメイト、石浦宏明が出遅れ4番手。関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が2番手、中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)が3番手となった。

 後方集団は大混戦。その中でニック・キャシディ(KONDO RACING)は接触もあり、ポジションを11番手まで落とすと、2周目にはダンロップコーナーのイン側にマシンを止めた。フロントウイングが脱落してしまったのだ。

 大きくポジションを上げたのは、不運な予選で12番手からスタートしたアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)。スタートの混乱に乗じて7番手まで浮上した。

 先頭を守った国本は、5周目までに関口に対して2秒のリードを築いた。ひとり圧倒的なペースで逃げを打つ国本。2番手関口よりも1周あたり0.5秒以上速いラップを重ねた。

 最初にピット作業を行ったのは、6番手ピエール・ガスリー(TEAM 無限)に詰まっていたロッテラー。9周終了時点でピットインし、約9秒の給油を済ませタイヤ無交換でコースに復帰した。

 4番手石浦のペースが良く、3番手中嶋に接近。石浦は12周目のホームストレートでオーバーテイクシステム(OTS)を使い隙を伺うも、中嶋も同じくOTSを使ってポジションを守った。

 12周終了時点でその中嶋がピットインし、ロッテラーと同じくタイヤ無交換でピットアウトした。コースに復帰したのは、ロッテラーのすぐ目の前。その翌周には関口も中嶋に反応するようにピットに入り、タイヤ無交換でピットアウトした。この結果、ロッテラーを含めた3台が接近することになったが、バトルに発展したのは中嶋とロッテラーのチームメイト同士。OTSを使い合い、TGRコーナーで完全にサイド・バイ・サイドになるも、なんとか中嶋がポジションを守った。

 ガスリーがピットへ向かったのは18周終了時点。こちらはタイヤを4輪交換でピットアウトした。コースに復帰する頃には、ロッテラーがターン1を通過。先行を許してしまった。

 前が開けた石浦は1分26秒前半のタイムを並べ、トップを走る国本とのギャップを徐々にだが詰めていった。一方でタイヤ無交換組の関口やトムス勢は、1分27秒中盤のタイムとなった。

 25周目、ピットインせずに走行を続け、3番手となっていた山本尚貴(TEAM 無限)はホームストレートでブレーキングした際に左リヤタイヤがパンクチャー。なんとか体勢を立て直した山本だが、まるまる1周のスロー走行を強いられてしまった。ピットに戻ってくることはできたが、そのままマシンはガレージへ。無念のリタイアとなった。

 トップ2のP.MU / CERUMO・INGING勢以降、フェリックス・ローゼンクビスト(SUNOCO Team LeMans)、山下健太(KONDO RACING)、伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)といったドライバーたちがレース中盤までピットストップを引っ張った。

 しかし29周目、4番手を走っていた山下も、山本と同じく左リヤタイヤがパンク。こちらはピットでタイヤを交換しレースを続行したが、最終的にはリタイアしている。

 国本は32周目にピットイン。タイヤを4輪交換し15.3秒の静止時間でコースに復帰した。ところがその国本にもトラブル! スロー走行でピットに戻り、右フロントのアップライトをピットクルーがチェックしていたが、どうやらキャンバーシムのボルトが緩んでしまったようだ。ここまで完全にレースを支配していた国本だったが、思わぬトラブルで勝負権を失ってしまった。その後、何度かピットインを繰り返した国本は、最終的にはガレージにマシンを入れてしまった。

 関口、中嶋のペースが悪く37周目、先に中嶋を攻略していたロッテラーが関口を、ガスリーが中嶋をそれぞれオーバーテイクした。

 ピットを遅らせていたローゼンクビストは37周目にピットインし、リヤタイヤのみの交換。バトルを繰り広げていたロッテラーを含む集団のはるか前方でコースに復帰した。

 石浦のピットインはその翌周。タイヤを4輪交換し、まだピットインをしていない小林可夢偉(KCMG)の20秒後方でコースに復帰した。

 その小林は、実質3番手を走っているロッテラーとの差が38.7秒。表彰台獲得のチャンスもあったが、42周終了時点でピットインした際にピットボックスでエンジンストール。スターターでの再始動も時間がかかってしまい、コースに復帰した時には15番手。表彰台獲得のチャンスを失ってしまった。

 全車のピットインが終了し、トップは石浦。その9秒後方にローゼンクビストがつけた。3番手にはロッテラー。同じタイヤ無交換組の関口、中嶋が1分27秒台のタイムで走っている中で、彼は47周目になっても1分26秒前半というタイムだ。

 残り周回数が少なくなる中、4番手争いが白熱。タイヤを交換しているガスリーが関口に迫った。49周目のメインストレートでガスリーがOTSを使うも関口もこれに反応し、ボタンを押して必死の防御を見せた。

 その後ろから伊沢も迫っており、ラスト3周のメインストレートでガスリーはたまらず最後のOTSを使ったが、攻略には至らなかった。

 ファイナルラップの最終コーナーまで続いた両者の争い。立ち上がりでふらついてしまった関口のスリップに入ったガスリーがフィニッシュライン直前でマシンを並べるが、わずか0.035秒差で関口が4位となった。

 石浦はスタートで出遅れたものの、終わってみれば独走優勝となった。2位はローゼンクビスト。ピットストップを引っ張る作戦が功を奏し、初表彰台を獲得した。ロッテラーは逆に、早々にピットインしタイヤを無交換で保たせる作戦を遂行。12番グリッドから表彰台まで上り詰めて見せた。

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■スーパーフォーミュラ第3戦富士 決勝結果
1. 石浦宏明(P.MU / CERUMO・INGING)
2. フェリックス・ローゼンクビスト(SUNOCO Team LeMans)/+7.269s
3. アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)/+22.842s
4. 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)/+41.786s
5. ピエール・ガスリー(TEAM 無限)/+41.821s
6. 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)/+43.384s
7. 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)/+44.067s
8. ヤン・マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)/+44.361s
9. 塚越広大(REAL RACING)/+44.910s
10. 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)/+46.192s
11. 中嶋大祐(TCS NAKAJIMA RACING)/+1'03.847
12. 大嶋和也(SUNOCO Team LeMans)/+1'04.549
13. 小暮卓史(B-Max Racing)/+1'06.517
14. ナレイン・カーティケヤン(SUNOCO Team LeMans)/+1'14.505
15. 小林可夢偉(KCMG)/+1'21.174

-- 以上完走(規定周回数 49laps) --

 山下健太(KONDO RACING)/+9laps
 国本雄資(P.MU / CERUMO・INGING)/+19laps
 山本尚貴(TEAM 無限)/+30laps
 ニック・キャシディ(KONDO RACING)/+54laps

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この記事について
シリーズ スーパーフォーミュラ
イベント名 第3戦富士
サーキット 富士スピードウェイ
記事タイプ 速報ニュース