【スーパーフォーミュラ】意味不明なほど速い? 野尻智紀の異次元予選アタックに、ライバル達も“お手上げ”
スーパーフォーミュラ第5戦の予選で、他を圧倒するようなパフォーマンスを見せた野尻智紀。その異次元の速さに、ライバル達からは驚きの声が上がった。
Tomoki Nojiri, TEAM MUGEN
Masahide Kamio
2021年シーズンのスーパーフォーミュラは4戦を終えた段階で、野尻智紀(TEAM MUGEN)が選手権を大量リード。しかし第5戦、第6戦の舞台が、野尻が苦手とするツインリンクもてぎであったことから、ランキング2番手の大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)をはじめとするライバルたちにとってこの2連戦はチャンス……そんな見方もある中でレースウィークを迎えた。
しかし、予選は大方の予想に反し、野尻の独壇場となった。
野尻は土曜朝のフリー走行でトップタイムを記録すると、予選でもQ1Bグループでいきなり1分31秒336という好タイムをしてトップ通過。Bグループ2番手の松下信治(B-Max Racing Team)、そしてAグループトップの大湯も、野尻に1秒以上の差をつけられてしまった。
セッションが進み、路面温度が低下すると共に野尻とライバルとの差は縮まっていったが、それでも最後まで野尻はセッショントップに立ち続けた。Q3ではコースレコードとなる1分31秒073をマーク。まさに他を寄せ付けないパフォーマンスで、ポールポジションを手中に収めた。
「Q1から野尻選手が訳分からないタイムで……ひとりだけ1秒以上タイムが違っていて、『そんなことあるか』という感じでした」
そう苦笑いを浮かべながら語るのは、ポイント争いで野尻を追いかける大湯だ。大湯は衝撃的な差を付けられたQ1を経て、Q2以降はウォームアップラップ1周のみでのアタック(つまりアウトラップの翌周にアタック開始)や、ブレーキのウォームアップ走行など、野尻が採用していた戦略はことごとく模倣したというが「そういう問題ではなかったですね」と振り返る。
Toshiki Oyu, TCS NAKAJIMA RACING
Photo by: Masahide Kamio
Q1、Q2共にAグループでトップだった大湯は、結果的に予選5番手となったが(宮田莉朋のグリッド降格により決勝は4番グリッドスタート)、これはポールポジションを狙うため、マシンにアグレッシブな変更を加えた結果だという。
「Q2、Q3とポールを獲るためにできることをトライしていました。Q2は割と良い方向性でしたが、それでも野尻さんにはかなり及ばないと思ったので、Q3に向けてまたかなり変更を加えました」
大湯はそう語る。
「Q2から少しアジャストしたくらいのマシンであれば、(Q3で)2、3番手くらいにはいけたと思うんですけど、結果的にQ3ではフィーリングが悪くなってしまいました。でも、それはポールを狙った結果です」
「(Q3で野尻との)差が縮まったのは間違いなくコンディションの問題だと思いますが、暑かったQ1、Q2であれだけ速いというのはちょっと意味が分からないですね。彼らは何をしているんだろう、と思います」
また、今回の予選で2番手となった関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)は、Q3で野尻に0.245秒差まで迫るタイムを記録したが、この差はかなり大きいと感じている様子。マシンの細かな調整でどうにかなるレベルではなかったと語った。
予選後記者会見で「本当はポールが獲りたかったです」と語った関口は、こう続けた。
Yuhi Sekiguchi, carenex TEAM IMPUL
Photo by: Masahide Kamio
「タイム差はコンマ3秒弱くらいでしたが、車高を0.5mm変えたり、ウイングを1ホール分変えるといった調整では太刀打ちできるレベルではありませんでした」
「悔しいですけど、野尻選手は速かったので、ポールを狙うのは厳しかったという印象です」
Be part of Motorsport community
Join the conversationShare Or Save This Story
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
Top Comments