【スーパーフォーミュラ】レース展開を左右する要因に? 改修されたSUGOのピット出口はドライバーから懸念の声も
スポーツランドSUGOではピットエリアを中心に改修がなされたが、同地で行なわれるスーパーフォーミュラ第4戦を前に、ドライバーからピットロード出口に関して懸念の声が挙がっている。
写真:: Masahide Kamio
宮城県にあるサーキット、スポーツランドSUGOでは、2020年秋〜2021年春にかけてピットエリアの改修工事が実施された。これによりピットロード幅が2m拡大されてスペースが広がり、より安全なレース運用が可能となった。しかしその一方で、同地で行なわれるスーパーフォーミュラ第4戦を前に、ドライバーから懸念の声が挙がっている改修箇所がある。それがピットロードから本コースへの合流位置だ。
以前の合流地点は2コーナー立ち上がりにあった(2020年10月撮影)
Photo by: Tomohiro Yoshita
以前のスポーツランドSUGOでは、ピットレーンを出たマシンは2コーナーを立ち上がってすぐのところで合流するようなレイアウトとなっていた。本コースを走るドライバーは基本的に2コーナー立ち上がりでアウトにラインを取るが、合流地点はイン側にあるため、ピットアウトするドライバーと本コース走行中のドライバーが交錯するリスクは低かった。しかし改修後はピットレーンが伸び、3コーナーで合流するレイアウトに変更。合流ポイントは3コーナーのアウト側、すなわち本コースを走るドライバーの走行ラインに近い位置にある。
スーパーフォーミュラ第4戦の走行初日でこの新しい合流地点を初体験した山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)はその所感を問われると、しばらく考え込んだ後、次のように述べた。
「ベストではないかなと思います」
「合流に関しては、本来であればピットアウトするクルマではなく、本コースを走るクルマが優先ですけど、SUGOに関してはそれが逆で、ピットレーンを走るクルマに優先権があります。今のクルマでは横を向けないですし、向いたところで後ろが見えるわけではないので、(ピットロードから)3コーナーで合流する時は後ろにクルマがいるのかどうかよく分からないんです」
「ですから、仮にアタックをしていたとしても、3コーナーでは接触しないようにこっち(本コース側)が気を付けて走らないといけません」
「信号があるので、それで(ピットレーンを走っていて)後ろからマシンが来ているかどうかを知ることはできます。ただ、後ろから来ているからといって僕たちは止まるわけにはいかないですし、だからこそ(ピットレーンから)全開で合流できるという優先権がある訳です」
「でも、レイアウト上仕方ないと思います。2コーナーで合流しても、どのみち3コーナーで(2台が)被っちゃいますし、3コーナーで合流すればこういうことになるし……一番良いのはホームストレートで合流することですが、ここはピットロードが短いですから。僕たちはプロとして、その中でも安全にうまくやるしかないと思います」
NIrei Fukuzumi, DOCOMO TEAM DANDELION RACING, Giuliano Alesi, Kuo VANTELIN TEAM TOM’S
Photo by: Masahide Kamio
DOCOMO TEAM DANDELION RACINGの福住仁嶺は、この合流地点について問われると「危ないと思います」とキッパリ。さらにこう続けた。
「3コーナーは2コーナーからスピードが乗っていくところですが、合流した時には、こっち(本コース側)がスピードを落とすしかない状況です。コース幅も狭い中で、1台が合流してくるというのは相当リスキーだと思います」
「危ないので必然的に、後ろの人(本コース側)は避けることになります。ただ、タイヤが温まっていないドライバーに前に出られると、向こうはブレーキが早いでしょうし、危ないと思います。あまり良いチョイスではないと思います」
なおスポーツランドSUGOでは、2021年11月~2022年3月にかけて第2期の改修工事が行なわれ、東ピット棟の工事に着手するとのこと。一部のドライバーからは、その第2期工事で合流地点の再改修も同時に行なわれることを期待する声も挙がっている。いずれにせよこの合流地点が、今回のスーパーフォーミュラのレースに何らかの影響を与えることになるかもしれない。
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