スーパーフォーミュラ 第4戦:SUGO
スーパーフォーミュラ初優勝の福住仁嶺、苦しかった日々を想い走ったウイニングランで「少しウルっときた」
DOCOMO TEAM DANDELION RACINGの福住仁嶺は、初優勝を飾ったスーパーフォーミュラ第4戦SUGOのウイニングランで、不運などによって勝利を失ってきたこれまでの苦い思い出が脳裏を駆け巡ったようだ。
原田 了
編集: 2021/06/20 8:10
Copy link
Viberでシェア
Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

雨に見舞われた予選日からは一転、好天に恵まれた決勝レースは速いペースで進む中、各所で好バトルが繰り広げられる展開となった。このハイスピードバトルを制したのは福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。3列目5番手グリッドから好ダッシュを見せてポジションアップ。3周目の1コーナーで阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)をかわして2番手につけると、トップを行く関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)の後方で周回し、ピットインのタイミングでトップに立った後は独走で53周レースを走り切った。第2戦の鈴鹿ではトップを快走中にタイヤトラブルに見舞われてリタイアとなり、その後スーパーGTでもトップ快走中にペナルティで後退するなど、不運な展開が続いていたが、今回の快勝で悪い流れを断ち切ることになった。
会見場に現れた福住は、先ずはチームや関係者への謝辞を述べた後、鈴鹿のアクシデントから振り返って「鈴鹿ではトラブルでレースを終えていましたし、その後スーパーGTでもトップを走っていてミスで遅れてしまいました。それも実力のうち、と想いながら(今回のレースまでに)長い時間があったので、普段行ったことのない旅行などに行ってリフレッシュしました」と、このレースウィークに入るまでのインターバルを振り返った。
そして「昨日の予選は雨で、悔しい結果に終わりましたが、今日はドライコンディションとなって朝のフリー走行からクルマの状況は悪くなかった」とレース前にはもう手ごたえをつかんでいたようだ。3周目の1コーナーで阪口をかわした際には「アプローチでパスした後、1コーナーの立ち上がりで(膨らんできた阪口と)当たってしまいましたが、ライン取りとしては悪くなくて、ポジションアップすることができました」とした。
また関口をパスしたことについても「関口選手の前に出るためには、(彼がピットインした)次の周にピットに入るしかない、と思っていました。彼がピットに入ったところでインラップはプッシュして、ピットインしたらチームが完璧な仕事をしてくれて、彼の前でピットアウト/コースインすることができました」と分析。「ピットアウトした時点では、関口選手との間隔は分からなかったのですが、S字辺りで、思っていたより間隔が開いていたことを確認でき、そこからは安心して走ることができました」と安堵の表情で語っていた。
トップに立ってからはレースをコントロールしたかを問われると「楽に勝てた、とは言えないけれど、トップに立ってからは後続との差を確認しながら走っていました」と話し「トップに立ってから(ゴールまでは)長いと感じましたが、1周1周、自分で不安を撥ね退けながら走りました」と結んだ。前日、公式予選後の会見ではポールを獲った関口が感極まったことを告白していたが、この会見場でウィニングラップの様子を訊かれた福住は「勝てそうなレースを何度も落として来て、今回ようやく勝つことができた。その苦しい時間を想って、少しだけウルっとしました」とコメントを返したが、少なくとも、ポディウムに登壇した際の福住の瞳は、心なしか潤んでいたように見えた。
DOCOMO TEAM DANDELION RACINGの吉田則光監督は、喜びをかみしめながらも「次回のもてぎは昨年も、レースペースでは十分なものがありました。(福住)仁嶺と(牧野)任祐のコンビで、この勢いのままチャンピオンを狙っていきたい」と強気にコメントしていた。
その福住の後方で速さを見せつけたのが2位入賞の大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)。7番手グリッドからのスタートとなったがスタートでジャンプアップ。さらに混戦と見るやピットウィンドウが開くと素早くピットインしてタイヤ交換を済ませて見事な追い上げを見せることになった。戦略的には完璧だったが、タイヤ交換でミスがあり、10秒ほどのタイムロス。しかしここからレース中のファステストを更新しながら1台、また1台とパス。「最後まで気の抜けないレース」を賞賛すべき2位でチェッカーを受けた。
会見ではピットインで遅れた後の気持ちを尋ねられ「死ぬ気で走っていました」と場内を沸かせた後で「ピットでのロスはありましたが走っているのは自分自身なので、チームのミスも自分で取り返そうと思っていました」とし、前方の車両を抜くため、あるいは後方の車両に抜かれないためではなく、単独で走りながらペースを上げるためにオーバー・テイク・システム(OTS)を使用していて「気が付いたら(OTSの)残り時間が少なくなっていて慌てました」と会場を和ませていた。
悔しいはずの3位に終わった関口は、意外にも淡々とした表情で会見場に現れるとクールにレースを振り返った。「スタートしてから1周を終えるまでは、ほぼ思い通りの展開でした」としたが「福住選手にはピットインのタイミングで抜かれ、大湯選手にはコース上で抜かれてしまいました」と続けた。
そして「最終コーナーではリードが大きかったので油断していたら、いきなり来られて……。あれは自分のミス。ちょっと油断していました」と大湯にパスされたことを自分のミスと認める一方で、「あそこで抜かれなければ、2位を保つくらいのペースはあった」と言外に、福住の快走を称えていた。そして次回、もてぎでの展望を問われると「予選ではQ3に残ってポール争いをすること。決勝では優勝争いをすること。いつもそれだけ考えています」とコメントを結んだ。
Read Also:
- スーパーフォーミュラ第4戦SUGO決勝:福住仁嶺、フル参戦3年目で悲願達成。完璧なレース運びで初優勝
- 【スーパーフォーミュラ】レース展開を左右する要因に? 改修されたSUGOのピット出口はドライバーから懸念の声も
- F1の夢を諦めない名取鉄平、選手権首位のSFライツでさらなる高み目指す「まだ満足いくレースができていない」
- 笹原右京、現在は“ホンダ陣営リザーブドライバー”としてSFに帯同中「現場で色んなことを吸収したい」
- スーパーフォーミュラ運営するJRPが今後のレースフォーマットについて言及。再給油解禁は未定、FCYは“準備中”
あなたの意見が聞きたい!
Motorsport.comで何を見たいですか?
5分間のアンケートにご協力ください。
- Motorsport.comチーム
コメントを読んで投稿する
関連ニュース :
記事をシェアもしくは保存
Copy link
Viberでシェア
前の記事 スーパーフォーミュラ第4戦SUGO決勝速報:福住仁嶺が悲願の初優勝!
次の記事 スーパーフォーミュラ第4戦SUGO決勝:福住仁嶺、フル参戦3年目で悲願達成。完璧なレース運びで初優勝
Top Comments
コメントはまだありません。 最初のコメントを投稿しませんか?
View More & Comment
More from
原田 了

スーパーGT公式テスト岡山で改めて痛感した「速いクルマは美しい」。カーボンニュートラル燃料導入で排気管に着目
スーパーGT
スーパーGT
岡山公式テスト
2023/03/14
スーパーGT公式テスト岡山で改めて痛感した「速いクルマは美しい」。カーボンニュートラル燃料導入で排気管に着目

グループC時代を俯瞰できる6台の競演。エキゾースト・サウンドの魅力を再確認
スーパーGT
スーパーGT 2022/08/29
グループC時代を俯瞰できる6台の競演。エキゾースト・サウンドの魅力を再確認

ARTAに強力な“助っ人”。ベテラン伊与木仁エンジニアがチームに合流
スーパーGT
スーパーGT
第4戦:富士
2022/08/11
ARTAに強力な“助っ人”。ベテラン伊与木仁エンジニアがチームに合流

More from
福住 仁嶺

福住仁嶺が今季2勝目……しかし喜びは控えめ「セーフティカーのタイミングに恵まれたので、正直素直には喜べない」
スーパーフォーミュラ
スーパーフォーミュラ
第8戦:SUGO
1 ヵ月前
福住仁嶺が今季2勝目……しかし喜びは控えめ「セーフティカーのタイミングに恵まれたので、正直素直には喜べない」

ハース&トヨタのTPCは、日本のドライバーに”F1という夢”を感じさせる絶好の機会。福住仁嶺「難しいと思っていた夢が、また現実味を帯びてきた」
F1
F1
ハース富士TPC
1 ヵ月前
ハース&トヨタのTPCは、日本のドライバーに”F1という夢”を感じさせる絶好の機会。福住仁嶺「難しいと思っていた夢が、また現実味を帯びてきた」

福住仁嶺、F1初走行。ハースのVF-25で富士スピードウェイを走る! しかし”涙”はお預け「集中しすぎて、感動どころではなかった」
F1
F1
ハンガリーGP
2 ヵ月前
福住仁嶺、F1初走行。ハースのVF-25で富士スピードウェイを走る! しかし”涙”はお預け「集中しすぎて、感動どころではなかった」
最新ニュース

留まる所を知らぬF1人気。マクラーレンが売上10億ドル突破? 海外報道される
F1
F1 F1
アゼルバイジャンGP
3 時間前
留まる所を知らぬF1人気。マクラーレンが売上10億ドル突破? 海外報道される

元レッドブル代表のフェラーリ入り、噂は絶えず。バスール代表は意に介さず「彼は仕事を探している……あらゆる場所でね」
F1
F1 F1
アゼルバイジャンGP
3 時間前
元レッドブル代表のフェラーリ入り、噂は絶えず。バスール代表は意に介さず「彼は仕事を探している……あらゆる場所でね」

『ダンダダン』とコラボ中のウイリアムズ、TWICEツウィが公式テーマソングを担当へ! 日本のアニメとK-POPがF1の世界で融合
F1
F1 F1
アゼルバイジャンGP
3 時間前
『ダンダダン』とコラボ中のウイリアムズ、TWICEツウィが公式テーマソングを担当へ! 日本のアニメとK-POPがF1の世界で融合

F1ドライバーにふさわしくないは言い過ぎだった……ノリス、衝突コラピントに謝罪「口にすべきではなかった」
F1
F1 F1
アゼルバイジャンGP
4 時間前
F1ドライバーにふさわしくないは言い過ぎだった……ノリス、衝突コラピントに謝罪「口にすべきではなかった」
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
次の 2 つのオプションがあります。
- サブスクライバーになります。
- 広告ブロッカーを無効にします。
購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします
広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード
お知らせの管理
登録