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ジュリアーノ・アレジの性格は日欧の“良いとこ取り”? トムスのチームマネージャーが語る知られざる一面

ここ数戦はスーパーフォーミュラとスーパーフォーミュラ・ライツにダブルエントリーしているジュリアーノ・アレジ。そんなアレジを近くで見守り、サポートするチームマネージャーが、多忙なレースウィークの裏側や、アレジの知られざる一面について語った。

Giuliano Alesi, TOM'S

写真:: Masahide Kamio

 今季から日本に活動の拠点を移し、スーパーフォーミュラ・ライツ(SFL)ではレギュラードライバーとして、スーパーフォーミュラ(SF)では中嶋一貴の代役として共にトムスから参戦し、早くも活躍を見せているジュリアーノ・アレジ。彼はSFに代役参戦する際、そのサポートレースとして同じ週に行なわれるSFLにも欠場せずに出走するいわゆる“ダブルエントリー”という形をとっており、2日間で計8セッションを走るというハードスケジュールをこなしている。

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 そんな多忙なアレジを支えているのが、トムスでSFLを担当する吉川沙希チームマネージャーだ。吉川マネージャーはアレジの過酷なダブルエントリーの裏側について、そして彼の知られざる人間性について話してくれた。

 アレジのレースウィークは水曜から始まる。彼は先日行なわれたスポーツランドSUGO大会では15時頃にサーキット入りすると、担当エンジニアとのミーティングやコース下見を行ない、木曜から早速始まる走行に備えた。アレジにとってはSUGOのみならず、日本のほとんど全てのサーキットが初体験であるため、この準備が人一倍重要となる。

 金曜午後になってSFのチームの搬入作業が終わり、ドライバーも続々と現地入りをする頃、既にSFLで有料走行・専有走行を計3セッション走破しているアレジは、ここからSFとSFLそれぞれのエンジニアのもとを行き来するようになる。レースウィークは徐々に慌ただしいものになっていくのだ。

Giuliano Alesi, TOM'S

Giuliano Alesi, TOM'S

Photo by: Masahide Kamio

 土曜日からはSFも走行開始。アレジは朝9時10分にスタートするフリー走行に向け、1時間前にはサーキット入りして入念にウォーミングアップを行なうが、大変なのはその後だ。10時40分にSFフリー走行がチェッカーとなるが、その直後の11時05分にはSFLの予選がスタートするのだ。SFチェッカー後のインラップや、SFL予選開始前にピットロード出口で待機する時間を考えると、実質的なインターバルはかなり少ない。

 アレジはレーシングスーツをSFのものからSFLのものへと急いで着替えると、残された時間でSFのエンジニア、そしてSFLのエンジニアとそれぞれミーティング。吉川マネージャーによると、レーシングギアで両カテゴリー共通なのはHANS(頭部と首の保護デバイス)くらいだそうで、ヘルメットもSFとSFLで無線の差し込み口が違うなどといった理由から、それぞれ別のものを使用しているという。マシンを乗り換えるだけでなく、ギアもほぼ“総取っ替え”なのだ。

Giuliano Alesi, Kuo VANTELIN TEAM TOM’S

Giuliano Alesi, Kuo VANTELIN TEAM TOM’S

Photo by: Masahide Kamio

 ただ「SFもSFLも所属チームが同じなのは助かっています」と吉川マネージャーは話す。

「幸いピットも隣同士ですし、どこにジュリアーノがいるのかもSFのマネージャーと共有できます。もし他のチームさんに所属していたら、ここまでうまくはいかないと思います」

「例えば、SFの走行が終わって、次がSFLの走行という時は、急いでSFのピットからSFLのドライバールームに来て着替えるので、そこにSFのスーツが置かれたままになってしまいます。でもチームが同じなので、SFのマネージャーがそれを回収すればいいですからね」

 また、アレジは自身のスケジュールをしっかりと把握しているため、過密なスケジュールの中でドライバーをマネジメントするマネージャーにとっては、大変助かっているようだ。ただ、アレジはその優しい性格も手伝って、セッションの合間にもスポンサーやファンからの声かけに応じることが多いため、そこはセッションに支障をきたさないよう吉川マネージャーが目を光らせているという。

 アレジのその人柄は、サーキットを離れたところでも実感することがあると吉川マネージャーは語る。

「ジュリアーノはすごくコミュニケーション能力が高いですね」

Giuliano Alesi, Kuo VANTELIN TEAM TOM’S

Giuliano Alesi, Kuo VANTELIN TEAM TOM’S

Photo by: Masahide Kamio

「彼は御殿場に在住しているので、工場に頻繁に来ています。今はレースがない時期ですが、ほぼ毎日工場に来て、マネージャーやスタッフ、メカニック全員とコミュニケーションをとっています。私はあまりドライバーと話したりはしない方なのですが、ジュリアーノの場合、彼の方から話しかけてくれて、レースのこと以外も話したりします」

「ニック(キャシディ)も御殿場にいた頃は毎日のように工場に来ていましたが、ジュリアーノに関しては差し入れを持ってきてスタッフに配ったりしているんです。心遣いが素晴らしいですね。外国人特有のフランクなところと、日本人特有の心遣いのあるところと、両方を持っている気がします」

 8月のもてぎラウンドでもアレジが引き続き中嶋の代役として出場するかどうかは未定だが、仮にダブルエントリーとなった場合、“暑さ”という要素もアレジを苦しめることになるかもしれない。

 過酷なダブルエントリーにも関わらず、パドック裏でも疲れた様子を見せないアレジのタフさに驚いているという吉川マネージャーだが、昨年同じ時期に開催されたもてぎ戦では、ダブルエントリーをしていた名取鉄平が体調不良に見舞われるという場面もあったため、マネージャーとしてしっかりケアをしていきたいと締めくくった。

「今でもOS-1(経口補水液)など、水分を積極的に取らせるようにしていますが、ここからは暑い時期の開催になりますので、熱中症に気を付ける必要があります。ドライバーは本当に辛い状況にならない限り『大丈夫大丈夫』と強がることもありますから、様子が変だと思ったらすぐに対応できるようにしないといけません」

 

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