驚異の強さでSF連覇の野尻智紀「こんな奇跡のようなシーズンはもうないんじゃないか」3連覇に向け重圧はさらに強くなる?
スーパーフォーミュラで2連覇を達成した野尻智紀は、第9戦でタイトルを決めて第10戦で久々の勝ちを手にしたことに安堵していたが、今後はもっと強いドライバーにならないといけないとして、気を引き締めていた。
写真:: Masahide Kamio
2022年のスーパーフォーミュラでチャンピオンに輝いた野尻智紀(TEAM MUGEN)。7戦中3勝を挙げて初戴冠した昨シーズンもさることながら、今季はその速さと強さが手の付けられないレベルまで達していた。
今シーズンは7大会10戦が開催されたが、野尻は10戦中6戦でポールポジションを記録。予選ではトップ3にそれぞれ3-2-1点が与えられるが、彼は予選だけで20ポイントを稼いでおり、実に優勝1回分のポイントを上積みしたことになる。また決勝でも抜群の安定感を誇っており、優勝回数は2回にとどまったものの、2位3回、3位3回を記録し、最低リザルトは4位という安定ぶりだった。
シーズン閉幕後に行なわれた記者会見の中で野尻は、ここまであらゆることがうまくいくシーズンはないのではないかと語った。
「今年からタイヤが少し変わり、開幕戦の予選では『今年は厳しくなってしまうかもしれない』と思いましたが、チームが素晴らしいリカバリーをしてくれて、第2戦でポールトゥウィン、そこで今シーズンの流れを作れたと思います」
「そこからもチームはミスなく僕を送り出してくれました。みんなの頑張りが常に形になり続ける、そんな奇跡のようなシーズンはこれ以上ないんじゃないかというくらいでした。ずっとこれ(チャンピオントロフィー)が僕のものであって欲しいと思うくらい、チャンピオンは素晴らしいものです。何回でも経験したいです」
野尻はタイトル争いの主役になり始めた頃から、勝ちにいくこと以上にリスクマネジメントをして出来るだけ多くのポイントを持ち帰ることに集中していた。そのため神経をすり減らすような日々が続いたようだが、今週末はダブルヘッダーの1戦目である第9戦でタイトルを確定させたため、最終戦となった第10戦に向けては勝ちにこだわった攻めの姿勢でレースに取り組むことができた。その結果が、約半年ぶりとなる今季2勝目をポールトゥウィンで達成することに繋がった。
ようやくプレッシャーから解放された野尻だが、会見で来季の3連覇に向けて水を向けられると、その顔つきが一層厳しくなった。
「これほどまでに良いシーズンを送った後だけに、今年の結果が自分自身を苦しめることになると思うので、それを越えられる野尻智紀にならないといけないと思います」
野尻はそう語る。
「それがレーシングドライバーとして必要なことだと思いますし、それができなければ3連覇はないし、この先のドライバー人生もないと思うので、来年も必死に戦い続けたいです」
チャンピオン会見らしからぬ引き締まった空気感で進行した今回の会見。とは言っても、11月からの束の間のシーズンオフでは自分自身にどんなご褒美を与えたいかと聞かれた野尻は表情をリラックスさせてこう答えた。
「さっき3連覇について聞かれて、それでスイッチ入っちゃった気がして……(笑)。休めるかな?という感じですが、家族でゆっくり温泉でも行きたいです」
「あと、シーズン中は家のことを何もせずレースに取り組んでいるので、オフシーズンは少しは手助けできるよう、家のこともやりたいです」
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