小林可夢偉、2022年スーパーフォーミュラはランキング17位「何やってもダメでした」最終戦3ワイドバトルの裏には“テキーラ勝負”も
2022年のスーパーフォーミュラをランキング17位で終えた小林可夢偉は、不調から脱するために様々なものを試したものの、何をやってもうまくいかないシーズンだったと総括した。
Kamui Kobayashi, KCMG
Masahide Kamio
2015年からスーパーフォーミュラへの参戦を続ける小林可夢偉(KCMG)。コロナ禍の影響も落ち着いた2022年は久しぶりにフルシーズン戦うことができたが、稀に見る苦しいシーズンに終わった。
小林は今季開幕戦から18位と大苦戦するも「クルマが壊れていることが分かった」ことで、修復して臨んだ第2戦では9位、雨の第3戦では5位と、徐々に調子を戻しているように見えた。しかしその後はまたポイント圏外でのレースが続き、第4戦〜第9戦にかけてのベストリザルトは14位だった。
そして鈴鹿での最終戦(第10戦)では、15番グリッドからスタートし、中盤は12番手を走行。フロアを壊してペースの上がらない坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)とオーバーテイクシステムの残量がなくなった関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)が前方でやり合う中、26周目のホームストレートで2台が並んだところで小林はそのさらにイン側に入り、3台横並びとなった1コーナーへの飛び込みで2台まとめてオーバーテイクして観衆を沸かせた。
結果的に10位でフィニッシュし、久々のポイント獲得となった小林。1コーナー飛び込みでの3ワイドはリスクを伴うが、それでも2台のインに飛び込んだ理由については「あそこしかないと分かっていたから」と答えた。
「実は今日のレース、僕と(大嶋)和也と雄飛で冬の忘年会でのテキーラをかけて勝負してたんですよ。絶対に行かせられないという意地の張り合いが僕と雄飛の間ではありました」と笑う小林。レースの裏でもうひとつの勝負が繰り広げられていたことを明かしてくれた。
「雄飛も意地を張ってどんどん(OTSを)使っていました。今はアプリ(SFgo)のおかげでOTSの残量が分かるので、(無線で関口のOTS残量が)なくなってるって聞いて、『ありがとう、ごっつぁんです』って(笑)」
そんな裏話はさておき、今回もやっとの事で1ポイントを手にしたものの、上位で戦うレースペースは発揮できなかった小林。予選ではグリップを引き出すことに苦労し、後方からスタートする決勝レースでは単独走行だとまずまずのペースが出せるものの、集団に入ると遅くなってしまうという。
「それが今の僕らのクルマの特性なのかなと。予選も速く走れなくて悪いスパイラルに入っているので、今年1年正直厳しかったなと思います」
苦戦の要因は何が考えられるかという質問には「それが分かったら苦労しないですよ……(笑)」と苦笑。“可夢偉節”も交えつつこう語った。
Kamui Kobayashi, KCMG
Photo by: Masahide Kamio
「昔から使っているものは、よりどりみどり(新しいものを)試しました。何やってもダメでした。分からないです」
「浮気した恋人に『なんで浮気したの?』って言っても大抵『分からない』って言うでしょ? それと一緒ですよ」
「速く走りたいのはみんな同じだけど、差は綺麗に出ている。これがレースなんです。ダメだった、というのは確実に言い切れる1年でした」
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