野尻智紀、驚異の10戦中6ポール目。宮田0.04秒届かずまたも初PP逃す

　2022年スーパーフォーミュラ最終戦（第10戦）の公式予選が10月30日、鈴鹿サーキットで行なわれた。ポールポジションを獲得したのは野尻智紀（TEAM MUGEN）だった。

　前日に行なわれた第9戦では、TEAM MUGENがワンツーフィニッシュでチームタイトルを獲得。同時に2位に入った野尻智紀のドライバーズタイトル2連覇も決定した。シーズンの大勢が決した中で迎える最終戦ではあるが、平川亮（carenex TEAM IMPUL）とサッシャ・フェネストラズ（KONDO RACING）によるランキング2位争いや、TEAM GOHの佐藤蓮と三宅淳詞によるルーキー・オブ・ザ・イヤー争いにも注目だ。

　9時05分、予選Q1のA組が快晴のドライコンディションでスタートすると、まずターゲットタイムをマークしたのは大湯都史樹（TCS NAKAJIMA RACING）。ただ1分37秒410というタイムに留まり、ライバルが次々タイムを更新していった。

　A組をトップで通過したのは牧野任祐（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）で、タイムは唯一の1分36秒台となる1分36秒860だった。第9戦のウィナーである笹原右京（TEAM MUGEN）も2番手で順調に通過し、前戦で苦戦したフェネストラズが3番手でQ2に駒を進めた。一方、第9戦で初表彰台を手にした佐藤はセクター2で全体ベストタイムを刻むも、大津に0.048秒届かず7番手でQ1敗退に終わった。

　続くB組は野尻を先頭にアタックに入っていった。野尻は1分36秒440という好タイムを記録すると、そのタイムを更新するものは現れずQ1をトップで通過した。2番手は第9戦で13位に終わった大津弘樹（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）で、坪井翔（P.MU/CERUMO･INGING）、宮田莉朋（Kuo VANTELIN TEAM TOM’S）も順当に通過。三宅は5番手でQ2に駒を進め、佐藤を7ポイント差で追うルーキー・オブ・ザ・イヤー争いに向けてまず一歩前進した。

　迎えたQ2でも、先頭でアタックに入っていったのは野尻だった。チャンピオンを獲得して重圧から解放された野尻は、今朝は気力が湧かないような感覚もあったようだが、チームやファンの姿を見て気持ちを入れ直した。そんな彼が叩き出したタイムは1分36秒003。他のドライバーはそのタイムに近付くことすらできず、時間が過ぎていった。

　そんな中で野尻に肉薄するラップを刻んだのが宮田莉朋（Kuo VANTELIN TEAM TOM’S）だったが、1分36秒043とわずか0.040秒届かず。野尻が今季6度目のポールを手にすることとなった。

→リザルトはこちら