スーパーフォーミュラ 鈴鹿公式合同テスト

【スーパーフォーミュラ】“伊沢監督”体制で早くも好調の予感? TCS NAKAJIMA RACINGの山本尚貴「来て欲しい人が来てくれた」

今季から伊沢拓也が監督に就任したTCS NAKAJIMA RACING。開幕前テストの段階から、これまでとは異なる手応えも感じられているようだ。

Takuya Izawa, TCS NAKAJIMA RACING

 スーパーフォーミュラを戦うTCS NAKAJIMA RACINGは、今季から伊沢拓也が監督に就任。先日の鈴鹿合同テストでも、ピットウォールに陣取る伊沢の姿が見られた。

 伊沢はスーパーGTではModulo Nakajima RacingでGT500マシンを走らせている現役のトップドライバーであり、チームに所属する山本尚貴、佐藤蓮とはそれぞれGTの元チームメイト、SFの元アドバイザーとして勝手知ったる仲。山本は「来て欲しい人が来てくれた」と語る。

 では伊沢監督は、チーム内でどのような役割を担っていくのか?

 まずチーム体制としては、中嶋悟氏が“総監督”の立場でチームを束ねるということは以前と変わらない。「監督というのは名ばかりで、ウチの本当の“監督”は中嶋さんだと思っています」と語る伊沢の主な役割は、昨年まで自らがTEAM GOHなどで務めていた“アドバイザー”に近いようだ。

 伊沢はアドバイザーとして2021年はRed Bull MUGEN Team Gohの大津弘樹、2022年にはTEAM GOHの佐藤蓮を担当していた。ホンダ期待の若手にアドバイスを送る重要な仕事を任されていた伊沢だが、今年は監督するドライバーがふたりになり、チーム全体の流れを見て適宜助言することになる。

アドバイザーとして大津、佐藤蓮らを担当してきた伊沢

アドバイザーとして大津、佐藤蓮らを担当してきた伊沢

Photo by: Masahide Kamio

 最近ではTEAM IMPULの星野一樹が最たる例だが、現役(もしくは最近まで第一線にいた)ドライバーを監督ないしアドバイザーに置くことで、彼らがドライバーとエンジニアの間に入って潤滑油的な役割を担うことを期待するチームの在り方がトレンドになりつつある。伊沢も実際にGT500を戦っていて、そういったアドバイザーが欲しいと思うことがあるという。

「正直GTでも(ドライバーとエンジニアの)間に立って周りを見てくれる人が欲しいなと思うことはあります」

「ドライバーとエンジニアだけだと、自分たちの作業に追われてしまってその場のタイムだけを追いかけてしまいがちで、周りの状況を見ることが難しいです。調子が悪かったり迷った時に、一歩引いてうまくコントロールして軌道修正してくれる人が欲しいなと思います。僕は自分が(ドライバーとして)欲しいなと思うことをやってみようと思っています」

 このように伊沢の監督業はアドバイザー色が強いため、決められた役割があるわけではない。「自分でやることを見つけつつ、ただあまり口を出し過ぎて良くない方向に行くのも避けたい……結構難しいですね」と語る伊沢だが、ドライバーの山本はテストの段階でオペレーションの効率が上がったことを実感している。

「伊沢さんが監督に就任したことがかなりパフォーマンスアップに繋がっていると思います」と山本は言う。

「プランの組み立て方もそうですし、ふたりのドライバーの無線を聞きながら、片方がやってうまく行ったことをもう片方に反映させたり……かなり効率が上がった実感があります」

 

Photo by: Masahide Kamio

 また山本にとっては、長くGTで苦楽を共にした盟友の伊沢が加入することは大きな意味を持つだろう。山本は「自分も今年35なので精神的なサポートがなければレースができないわけでもないですが……」と苦笑するが、「ただ僕もコンピューターではありませんし、いつでも速いわけではないので、そういう時に常にアドバイスを送ってくれる人が傍らにいるのは心強いですね。来て欲しい人が来てくれた、来るべき人が来てくれたという感じです」と話す。

 そんな新体制のNAKAJIMA RACINGは、テストから既に好調ぶりを見せている。今回の鈴鹿テストは午前・午後の2セッションを2日間、計4セッションが実施されたが、セッション1で山本がトップタイムを記録すると、セッション2では山本2番手、佐藤3番手。2日目に入っても、セッション3で山本が2番手、佐藤が5番手に入った。

「これまでもNAKAJIMA RACINGはオフシーズンのテストでは速さを見せられていますが、それもセッション1回だけ速かったり、その速さをシーズンに継続できなかったりという状況でした。ただこうして(初日)2セッション共ふたりで上位にいることはなかなかなかったので、この調子を継続したいですね」と語る山本。伊沢監督も、例年とは少し異なる様相になるのではないかと期待感をのぞかせる。

「僕も他のチームから(NAKAJIMA RACINGを)見ている中で、シーズンオフの結果とシーズン中の結果を見ると、確かにその(シーズンオフに速い)印象はありました」

 彼はテスト初日を終えてそう語っていた。

 

Photo by: Masahide Kamio

「ただ今回のテストの内容で言うと、その辺もうまくカバーしながらラップタイムも出せているので、逆にうまく行き過ぎて気持ち悪いというか……(笑)。どこかにつまずく場面はあると思うので、その中で軌道修正できる逃げ道のようなものを作っていきたいです」 

 既に勢力図シャッフルの予感を感じさせる2023年のスーパーフォーミュラ。近年はタイトル争いから遠ざかっているNAKAJIMA RACINGだが、創立40周年の節目の年に復活なるか、注目が集まる。

 
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