平川亮、PPスタート活かせず12位「SCが出てしまいどうしようもなかった」
ITOCHU ENEX TEAM IMPULの平川亮は、セーフティカー出動によって自身の優位性が失われたことを「しょうがない」としつつも、悔しさをにじませた。

スーパーフォーミュラ第6戦岡山の決勝は、9周目に出動したセーフティカーがレースの行方を大きく左右した。
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今回のレースでは、ソフトタイヤでスタートしてできる限りマージンを築きながら終盤までピットインを引き延ばす作戦と、ミディアムタイヤでスタートしてピットウインドウがオープンとなる10周目まで耐え凌ぐ作戦の2パターンに分かれることが予想された。
上位陣ではポールポジションの平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がソフトタイヤでのスタートを選択した一方で、2番グリッドの山下健太(KONDO RACING)はミディアムタイヤでのスタートをチョイスした。
レース序盤は大方の予想通り、平川が先頭でレースを引っ張り、山下が順位を落としながらも踏ん張るという構図となった。しかし、9周目のセーフティカー出動で状況は一変した。
山下は10周目にピットインしてソフトタイヤに交換。セーフティカーラン中のピット作業だったため、ほとんどタイムをロスすることなく、2スペックのタイヤ使用義務をクリアした。
一方の平川はセーフティカー出動により各車の差が縮まったことで、山下とのギャップを再度築かなければいけなくなった。しかも、山下は自身と同じソフトタイヤを履いていて、なおかつこれ以上ピットに入る必要もないのだ。山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)のように、セーフティカー中に2度ピットインしてソフト→ミディアム→ソフトと交換する変則的な作戦もあったが、平川はそれを行わず、ステイアウトを選択した。
結果的に平川は残り8周でピットイン。それまでに十分なマージンを築けなかったこともあり、コースに復帰した際にはポイント圏外に転落していた。山下が優勝を飾った一方で、平川は12位ノーポイントに終わった。まさにセーフティカーが明暗を分けた形だ。
レース後に平川は納得のいかない表情を浮かべながら、やりきれない思いを口にした。
「セーフティカーが出てしまったら、もうどうしようもないですよね。それを計算(考慮)して戦略を立てるのは無理でした」
「セーフティカーが出ればミディアムでスタートしたがドライバーが上に来ちゃいますし、少し納得いかない部分もあります。次も予選をがんばるしかないと思います」
ただ平川は、レースペースにおいて圧倒的な速さがなかったことを認め、十分なマージンを築くことができなかったと語った。
「正直、ロングランに関してはあまり自信がなかったので、なんとか耐えるような(第1)スティントになりました」
「(山下に対して)40秒くらい差をつければトップに出れる可能性はありましたが、そこまでの速さもなかったので、決勝に関してはパフォーマンスが足りなかったのかなとも思います。途中クルマが壊れたのか、急にガクンとタイムが落ちたりもしました」
今回優勝すれば、最終戦鈴鹿での逆転タイトルの目もあった平川だが、無得点に終わったことでその可能性も潰えた。彼は決勝においては不確定要素が大きいことを引き合いに出し、鈴鹿戦でも引き続き予選での速さをアピールしていきたいと意気込んだ。
「(今回のような展開になったのは)しょうがないことですよね。ただ、今回ポールをとれたのは大きかったので、それを引き続きできれば決勝の結果は二の次でもいいのかなと思います」
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この記事について
シリーズ | スーパーフォーミュラ |
イベント | 第6戦:岡山 |
ドライバー | 平川 亮 |
チーム | Impul |
執筆者 | 戎井健一郎 |