【SF】国本雄資の父語る「レーシングドライバーに育てるつもりだった」
国本雄資の両親がP.MU / CERUMO · INGINGの祝勝会に出席。父・好広氏に、チャンピオンをどう育てたのかを訊いた。
12月7日に御殿場市内のレストランで行われた、P.MU / CERUMO · INGINGのダブルタイトル獲得祝勝会。このパーティーには、国本雄資の両親も顔を見せていた。
父・好広氏は、自身もかつてヤマハの契約ドライバーとして、ゴーカートを走らせていたという経歴を持つ。
「素直に、家族一丸となって嬉しかったですね」
そう好広氏は、息子・雄資のチャンピオン獲得について語る。
「スーパーフォーミュラ(当初はフォーミュラ・ニッポン)に上がって6年、長かったです。タイトルを獲るのはそんなに簡単なことじゃないというのはわかっていますが、良い成績をなかなか残すことができなかった……でも、今回タイトルを獲ることができて、家族の肩の荷が降りたという感じです」
そんな好広氏が育てた国本雄資は、ある意味変わった経歴の持ち主でもある。
「私は一時、モータースポーツからは離れていたんです。でも、ひょんなことで上の兄(国本京佑)も含めて子供たちが喜ぶと思って、ゴーカートを与えたんです。それから1年くらいは一生懸命やりました」
と、ここまでは普通、と言えるかもしれない。しかし、変わっているのはその後だ。
「途中でウチはスキーをやらせたんですよ。カートを一旦やめて、3年間みっちりとやりました」
「3年間、暮れになるとスキーに行って、朝から晩まで滑っていました。ウチは神奈川なので雪がないですが、コーチについたり、スクール入ったりして、毎週雪のある場所に行っていました」
スキーをやらせたこと、これには理由があったと好広氏は言う。
「スキーはゴーカートの役に立つんですよ。体重移動とか滑る感覚とか、あとは惰性で滑ってきた時のコース取りの感覚だとかがとても役に立つ。”目”も良くなりますから。彼(雄資)はそれを体で覚えたんだと思います。ゲルハルト・ベルガーも、リカルド・パトレーゼも、スキーはプロ級でしたから」
好広氏は、ふたりの兄弟を「レーシングドライバーに育てるつもりだった」と打ち明けてくれた。
「(レーシングドライバーに育てる気が)あったんですよ。12〜13歳くらいからそういうことを意識して、14〜15歳くらいでトヨタの育成プログラムに入ることができたんです。その後、ジュニアフォーミュラを卒業して、F3も走って、最終的にトップカテゴリーに来ることができました」
ここまでは順調に来た国本だったが、その後は前述の通り苦労した。
「最終的にスーパーフォーミュラで勝てなかったら、世界はもちろん日本でも通用しないという想いがある。5年もやって1度も優勝できていなかったから、もうチャンスは無いと思っていました。私も本人に、『実力で上がっていけないようになったら、早めに辞めなさい』と言ってきました」
そう好広氏は語った。そして崖っぷちの状態だった国本雄資は、念願のタイトルを獲得した。
「今は肩の荷が降りたところなんで……今後どうしていくかは、本人とミーティングして考えます」
「ただ、日本のモータースポーツは、ここ(スーパーフォーミュラ)が頂点ですからね。F1へという道も、今は難しい。ただ、このレースには外国のF1ドライバーになる人たちも来てくれる。それはすごく良いことですよね。そういうドライバーたちと走れるというのは、すごく嬉しいですよ」
好広氏は、自らの息子だけのことを考えるでもなく、日本の将来のレース界のことも見据える。
「雄資じゃなくても、他の誰が勝っても嬉しいですよ。今年来ていた(ストフェル)バンドーンだって、流してたわけじゃない。一生懸命やって、それでも勝てなかったわけです。『日本のドライバーって、こんなにレベルが高いんだ!』ということを分かってくれたと思います。来年も強いドライバーが来るという話がありますが、それで日本のドライバーがまたレベルアップする……というのが続いていけば、すごく良いことだと思います。雄資に限らず、他の子でも良い。それが日本のモータースポーツにとって良いことです」
「あとはメーカーに推していただいて、小さい子供たちの育成をして欲しい。そういうバックアップをして欲しいですね」
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