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参戦全チームをJ.P.デ・オリベイラが斬る! 2022スーパーフォーミュラ前半戦レビュー

いよいよシーズン後半戦を迎える2022スーパーフォーミュラ。参戦全チーム・ドライバーの前半戦の戦いぶりを、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが分析した。

Tomoki Nojiri, TEAM MUGEN

写真:: Masahide Kamio

 全10戦で行なわれる2022年のスーパーフォーミュラはここまで前半の5戦を消化。7月17日に、後半戦最初のレースとなる第6戦もてぎが開催される。

 今回、各チーム・ドライバーのここまでの戦いぶりを振り返ってくれたのは、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ。現役のスーパーGTドライバーであり、国内トップフォーミュラでもフォーミュラ・ニッポン時代の2010年にはチャンピオンに輝いた男だ。

 今季のスーパーフォーミュラでは公式英語放送の解説も務めるデ・オリベイラ。彼の批評と共に、今季の参戦全チーム・ドライバーを見ていこう。

carenex TEAM IMPUL
チームランキング:1番手(76点)

 

平川亮:ランキング2番手(64点)
関口雄飛:ランキング10番手(13点)

 昨年は久々のチームタイトルを獲得し、今季は連覇を目指すcarenex TEAM IMPUL。平川は特に決勝での力強さを見せており、2勝を挙げてタイトル争いに名乗りを上げている一方、関口はここ数戦ノーポイントが続いており、昨年ほどの安定感を見せられずにいる。

ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(以下JP)「平川は今季非常に目立っている。予選が悪くても決勝でリカバーできている。野尻に対抗できる速さもあるし、IMPULの戦術や挽回力は素晴らしい。ただ予選をもっと良くして、より上位からスタートする必要があるだろう」

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TEAM MUGEN
チームランキング:2番手(75点)

Tomoki Nojiri, TEAM MUGEN

Tomoki Nojiri, TEAM MUGEN

Photo by: Masahide Kamio

野尻智紀:ランキング1番手(81点)
笹原右京:ランキング12番手(10点)

 昨年、野尻がドライバーズチャンピオンに輝いたTEAM MUGENは、今季から笹原右京が加入して2台体制に拡充。その笹原は開幕戦でポールを獲得するなどいきなり才能を見せ付けた。現在は野尻がドライバーズランキングトップ、チームランキングも2番手と、ダブルタイトルも狙える位置にいる。

JP「野尻は今も“倒すべき相手”として君臨している。彼は予選で圧倒的であり、そこで多くのポイントを稼いでいる。レース距離も短いし、戦略も限られている訳だから、野尻と戦うためには予選で頑張る必要がある。MUGENのマシンが予選で最速なのは明らかだが、それは(開幕戦PPの)笹原も証明している。燃焼が少ない状態での走りは絶品だが、レースでは他よりも苦労しているようだ」

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 KONDO RACING
チームランキング:3番手(62点)

 

山下健太:ランキング11番手(10点)
サッシャ・フェネストラズ:ランキング3番手(57点)

 昨年苦しいシーズンを送ったKONDO RACINGは、再入国が叶い久々のフル参戦となったサッシャ・フェネストラズが躍動。第5戦SUGOで初優勝を挙げてタイトル争い“第3の男”に浮上した。山下も入賞1回にとどまっているが速さは見せており、チームタイトルも十分狙える位置にいる。

JP「KONDOは今季のトップチームのひとつになりつつある。ドライバーもふたりとも優秀で、サッシャが大多数のポイントを稼いでいるとはいえ、ケンタも予選で速さを見せている。サッシャが勝ったSUGOをはじめ、チームの戦略も良い。あの時の彼らの対処は見事だった」

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DOCOMO TEAM DANDELION RACING
チームランキング:4番手(44点)

 

牧野任祐:ランキング5番手(30点)
大津弘樹:ランキング9番手(16点)

 毎戦常に入賞圏内、そしてトップ5付近での戦いを見せているDOCOMO TEAM DANDELION RACING。今季は未だ優勝・ポールポジションに届いていないが、牧野はキャリア最高水準の成績でランキング5番手。大津はやや後れをとっているが、4戦連続入賞中、そしてSUGOでは予選3番手と、速さと安定感を随所で見せている。

JP「牧野は宮田(莉朋)と似たようなところにいる。SUGOでも宮田より速かったように思うが、コース上でパスすることはできなかった。牧野はトップクラスの速さを持つドライバーだが、チームとして予選で安定感を持たせる必要がある。大津はその牧野に少しでも近付くことが目標になるだろう」

Kuo VANTELIN TEAM TOM’S
チームランキング:5番手(31点)

Ritomo Miyata, Kuo VANTELIN TEAM TOM’S

Ritomo Miyata, Kuo VANTELIN TEAM TOM’S

Photo by: Jun Goto

ジュリアーノ・アレジ:ランキング18番手(3点)
宮田莉朋:ランキング4番手(32点)

 名門TOM’Sは期待の若手ふたりを起用しているが、現在は対照的な成績となっている。宮田は予選の平均グリッドが3.2と野尻に次ぐ高水準で、レースペースでも力強さを見せ始めており、初優勝は時間の問題との呼び声も高い。一方、昨年のスーパーフォーミュラ・ライツで2位となったアレジは上位争いに絡めないレースが続いている。プレッシャーから解放されるためにも結果が欲しい後半戦となるだろう。

JP「宮田には驚かされた。彼は速さがあるし、将来的なタイトルコンテンダーになるのは間違いない。後半戦にはもっと強くなるはずだ。アレジは後れをとっている。フリー走行で速い時はあったが、最終的には予選と決勝でそれを見せる必要があるし、ここまでそれができずにいる。彼はスーパーGTもTOM’Sから参戦しているのでプレッシャーがあると思うが、後半戦は自信を付けられるように頑張ってほしい」

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B-Max Racing Team
チームランキング:6番手(21点)

Nobuharu Matsushita, B-Max Racing Team

Nobuharu Matsushita, B-Max Racing Team

Photo by: Masahide Kamio

松下信治:ランキング6番手(21点)

 難しいコンディションとなった第3戦で抜群のタイヤマネジメントを見せ、優勝を飾った松下信治。しかしそれ以外のレースでは10位が最高位で、なかなか安定したパフォーマンスを見せられていない点が課題か。

「彼らが目立てたのは1レースだけで、それもイレギュラーなレースだった。皆のタイヤがオーバーヒートする中、ノブがタイヤの温度をキープできたことが鍵になったレースだったが、その勢いを継続できず、また元の位置に戻ってしまった。ノブがどのレースでも優勝争いをしている姿を見たいものだ。だから後半は地に足つけて安定させることが重要だと思う」

TCS NAKAJIMA RACING
チームランキング:7番手(21点)

Naoki Yamamoto, TCS NAKAJIMA RACING

Naoki Yamamoto, TCS NAKAJIMA RACING

Photo by: Masahide Kamio

山本尚貴:ランキング20番手(2点)
大湯都史樹:ランキング7番手(19点)

 開幕から4レースを終えた時点で、大湯の最上位が7位、山本の最上位が9位と大苦戦していたTCS NAKAJIMA RACING。しかしふたりはSUGOで浮上の兆しを見せており、大湯は2位表彰台を獲得。山本も予選の失敗と決勝のタイヤ交換ミスが響いたものの、予選Q1でトップタイムをマークするなど輝きを放った。

JP「彼らがSUGOで一歩前進したのは確か。あとはこれを(第6戦)富士で確固たるものにできるかだ。山本がSUGOの予選Q1で最速だったのは良いことだ。大湯も力強いレースをしていたし、チームの戦略もハマっていたので、このチームはまた優勝争いに戻ってきそうな感じがする。大湯と山本の能力には申し分ないからね。特に山本は最近うまくいかない日々が続いているが、それを好転させる力は持っているはずだ」

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TEAM GOH
チームランキング:8番手(21点)

Atsushi Miyake, TEAM GOH

Atsushi Miyake, TEAM GOH

Photo by: Masahide Kamio

佐藤蓮:ランキング15番手(5点)
三宅淳詞:ランキング8番手(18点)

 ルーキーふたりを擁する新規参戦チームであるTEAM GOHは、第1戦で佐藤がいきなりフロントロウを獲得し、第2戦で三宅が5位入賞を果たすなど、開幕から話題をさらった。実質のチーム内バトルであるルーキーオブザイヤー争いは、オートポリスで3位に入った三宅が一歩リード。佐藤はミスによってポイントを失うケースも散見されるが爆発的な速さを見せることもあり、今後もふたりの争いには注目だ。

JP「才能のあるルーキーふたりを、山本雅史監督はじめ経験豊富な人々がうまく導き、育てているチームだ。当初(チーム内バトルは)佐藤が優勢に思われたが、ここ最近は三宅の強さが目立っている。彼らは特に予選で速さを見せていて、将来有望に見えるが、あとは積み重ねが必要だ」

KCMG
チームランキング:9番手(15点)

 

小林可夢偉:ランキング13番手(8点)
国本雄資:ランキング14番手(7点)

 開幕時と比べて上昇傾向のKCMGだが、それでもやや苦しい戦いが続いている。久々のフル参戦となった小林は予選で下位に沈むケースが多く、それが響いてか最高位5位。国本はここ3戦は予選トップ10に入るなど安定したパフォーマンスを見せ始めているが、トップ集団には食い込めていない。

JP「やはり大事な時に結果を出すことが重要で、それが彼らの課題でもある。小林も速さを見せているし、国本もSUGOのQ1で光る走りを見せていたので、どちらもチャンスはあると思うが、レースペースが厳しく、MUGENやTOM'SやIMPULといったチームには届いていない。速さをなんとか結果に繋げて欲しいところだ」

P.MU/CERUMO・INGING
チームランキング:10番手(6点)

 

坪井翔:ランキング19番手(3点)
阪口晴南:ランキング17番手(3点)

 開幕前テストでは坪井がトップタイムを連発するなど、プレシーズンの主役となっていたP.MU/CERUMO・INGING。しかし坪井は開幕戦の8位を最後に入賞から遠ざかっており、昨年ランキング7位となった阪口もここまで入賞1回。チーム全体として苦境に立たされている。

JP「正直、ここにはうまくチームを導けるようなリーダーが必要だと思う。ドライバーふたりは良いと思っているし、特に阪口は素晴らしい才能の持ち主だと思うが、安定感には欠けている。後半戦は何か大きな変化を起こして欲しい。予選で上位に行けるようになるだけでもかなり違うはずだ」

ThreeBond Drago CORSE
チームランキング:11番手(3点)

Nirei Fukuzumi, ThreeBond Drago CORSE

Nirei Fukuzumi, ThreeBond Drago CORSE

Photo by: Masahide Kamio

福住仁嶺:ランキング16番手(3点)

 昨年ランキング2位の福住をチームに迎えて大いに期待されたThreeBond Drago CORSEだったが、開幕から4戦は前任のタチアナ・カルデロン時代と同様、Q1突破や決勝トップ10入りも厳しい状態だった。しかし第5戦SUGOでは予選6番手を記録し、決勝も8位。チーム初の入賞で弾みを付けられるか。

JP「今季の福住には期待していただけに残念だ。彼はこれまで、若手の中でも屈指の実力があることを証明していたので、結果が出ないことは驚きだった。1台体制だとデータも半分しか得られないし、セットアップが狂うと修正が難しいので、大変だと思う。福住は自信を持って走れていないようだった。TOM'S(アレジ)やIMPUL(関口)も似た状況かもしれないが、小規模なチームでは余計に深刻なことになってしまう」

docomo business ROOKIE
チームランキング:-(0点)

Kazuya Oshima, docomo business ROOKIE

Kazuya Oshima, docomo business ROOKIE

Photo by: Masahide Kamio

大嶋和也:ランキング-番手(0点)

 2020年から大嶋の1台体制で参戦するROOKIE Racing。今季はTOM'Sからベテランの東條力エンジニアを獲得したものの、ここまで入賞ゼロと、これまで以上に苦しいシーズンになっている。

「彼らはここまで速さを見せられていない。大嶋のペースは他から後れをとっていて、Q2進出も難しそうだ。マシンの問題かもしれないが、大嶋自身もモチベーションを保てていないのではないかと思えてしまう。ただ富士にあるファクトリーを見ても分かるように、彼らが本気なのは伝わってくる。来年も今年のようなシーズンを送るとは思えない」

 
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