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ソフトタイヤをどう使うか? 灼熱に”なるであろう”もてぎ戦での勝負の鍵

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ソフトタイヤをどう使うか? 灼熱に”なるであろう”もてぎ戦での勝負の鍵
執筆:
2019/08/16 23:13

スーパーフォーミュラ第5戦もてぎ。予選・決勝日とも灼熱のコンディションになることが予想されているため、いつも以上に2種類のタイヤがどう反応するか、そしてそれをどうマネジメントするから、勝負の鍵になってきそうだ。

 夏真っ盛り、ツインリンクもてぎで行われるスーパーフォーミュラの第5戦は、土曜日と日曜日共に、非常に暑いコンディションになることが予想されている。

 金曜日のもてぎは、台風が日本列島上空を通過した影響もあって、風が強かった。しかし気温は30度程度までしか上がらず、路面温度も36度程度に留まった。

 現在のスーパーフォーミュラにはソフトとミディアムの2種類のタイヤが用意されていて、決勝レースでは両方のタイヤを使うことが義務付けられている。スーパーフォーミュラのタイヤサプライヤーを務めるヨコハマタイヤは、ソフトを”速いが早く性能が劣化するタイヤ”として、ミディアムを”ソフトより遅いが、安定した性能を発揮するタイヤ”として開発したという。

 しかしチームのタイヤへの理解度が高まったこともあり、レース距離のほとんどをタイムが出やすいソフトタイヤで走り、できるだけ少ない周回をミディアムタイヤで走るという戦略が横行してきた。

「今年は、ソフトタイヤでほぼレース距離を走り切れてしまっているという状況です。去年よりも短命で、少しタイムが出るというタイヤにしたつもりでした。しかしセッションが進んで路面が出来上がってくると、我々の想定よりも長い距離を走ることができるようになっています」

 そう語るのは、ヨコハマの秋山一郎開発本部長である。

「チームは勝つために、いろんなことを試してくれます。ソフトタイヤを長持ちさせるため、多少ペースを落とそうということもあると思います。それをしてでも、ミディアムタイヤを使って走るよりも速いと判断すれば、その作戦を採ってくると思います」

「そうすると結局、より速く走れるソフトタイヤをどれだけ長く使えるのか、それが勝負の分かれ目になり、そういう作戦に偏ってしまうことになるのだと思います」

 ただ冒頭でも述べたとおり、土曜日と日曜日の気温はかなり上がると予想されている。

「金曜日は曇っていたということもあって、路面温度は35度くらいでした。そのコンディションで、ミディアムとソフトタイヤの差は多いところで2秒、小さいところはコンマ6秒程度でした。ですので、現状の位置関係としては良いのではないかと思います」

 そう秋山本部長は語る。

「ただ、土曜日は気温が37度くらいになるだろうと言われています。晴れれば、路面温度は50度以上になるでしょう。そんな中でもソフトタイヤの方が速いとは思いますが、それで我々が想定したように、片方のタイヤ(ソフト)がタレてしまい、もう片方(ミディアム)が安定した状態になるかどうかというところが重要になってきます」

「金曜日のコンディションでも、ミディアムの方が比較的安定していたように思います。各チームがどんなテストをやっていたのか分からないですが、ソフトタイヤの方が良いタイムと悪いタイムの差が大きかったように思います。そういう意味では、棲み分けができているのかもしれません」

「今季ここまではミディアムタイヤの出番がほとんどないというような状況になってしまっていますが、そろそろ良い感じにならないかな……と思っています」

 ソフトタイヤで長く走る戦略として思い浮かぶのが、2017年のオートポリス戦のフェリックス・ローゼンクヴィスト(当時SUNOCO TEAM LEMANS)だ。彼はミディアムタイヤでスタートし、レース早々にソフトタイヤに交換。そのまま最後まで走り切り、2位入賞を果たした。まだタイヤ2種類性が適用されるのが全戦ではなかった時代に、ソフトタイヤを長く使うという今にも通じる戦略を最初に成功させたドライバーだったとも言えよう。

「あの時の方が、今よりもタイヤは丈夫でした。それでも我々は、サーキットに行くまで『5周もつかな?』という状況だったんです」

 秋山本部長はそう振り返る。

「実際に金曜日の走り始めは磨耗状態は良くなくて、『これはヤバイ』という感じだったんです。土曜日にはそれが少し改善し、日曜日にはさらに良くなって『これなら20周くらいもつかもしれない』という状況になりました。そしたら、ほとんどのレース距離を走り切ってしまった……レースを戦っている皆さんは、そこにある道具で最善を尽くすということについては、プロです」

 今年最も”暑く”なるであろうスーパーフォーミュラのもてぎ戦。ソフトタイヤとミディアムタイヤがどう反応するか、そしてそれをどう使いこなすか……それが勝負の鍵となる。

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この記事について

シリーズ スーパーフォーミュラ
イベント 第5戦:もてぎ
執筆者 田中健一