全日本F3、2020年からスーパーフォーミュラ・ライツとして再始動
全日本F3は、来季から全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権と名を変え、新たなスタートを切ることになった。
写真:: 吉田知弘
全日本F3選手権が、2020年から全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権として新たに生まれ変わることになった。
1979年にスタートし、今年41年目のシーズンを迎えている全日本F3選手権。しかし来季からその名称が、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権に変更されることになった。
F3にまつわる世界の状況は、昨今非常に複雑化している。昨年までのGP3を引き継ぐ形で今季からスタートしたFIA-F3と、リージョナルF3のふたつである。FIA-F3は、F1、FIA-F2、そしてFIA-F4などと組み合わせ、入門カテゴリーから最高峰のF1までの道筋が整えられている。一方でリージョナルF3は、各国で独自に開催されるものだ。
そんな状況の中、全日本F3は従来の伝統的なF3規格を引き継ぐ形で、今季も開催。しかし来季からは、リージョナルF3のさらに上のクラスとしてのポジションを確保すべく、”スーパーフォーミュラ・ライツ”として新たなスタートを切ることになった。運営はこれまで通り日本フォーミュラスリー協会として行っていくが、車両は現行車両のパフォーマンスを高め、安全性向上を考慮してハロを搭載するなどしたダラーラ320を使用する。ただこのダラーラ320は、従来のエンジンやパーツ(ギヤボックス、サスペンション、前後ウイング、電気系統等)も流用できるなど、コスト面にも気が配られている。
なおマシンは8月中にイタリアでシェイクダウンされる予定。この時搭載されるエンジンは、HWA(メルセデスのパフォーマンス子会社)製になるという。その後、9月のスーパーフォーミュラ岡山戦のレースウィークには、国内初走行が予定されている。
開催カレンダーについては現在調整が進められているものの、基本的にはスーパーフォーミュラとの併催が中心になるというが、一部の大会では単独開催となる可能性も残っているようだ。また参戦コスト削減に向けて大会数を縮小させつつも、各大会で3レース開催を確保することで、参戦ドライバーの走行マイレージを確保するつもりであるという。
またランキングに応じて獲得できるスーパーライセンスポイントについては、JAF(日本自動車連盟)に申請中である。
スーパーフォーミュラを運営する日本レースプロモーションの倉下明社長は「スーパーフォーミュラとスーパーフォーミュラ・ライツ、そのパッケージングによって価値を向上させていきたい」と語った。また日本フォーミュラースリー協会の水野雅男会長は「全日本F3からは、様々な才能をを持ったドライバーが旅立っていっている。スーパーフォーミュラ・ライツとしても、その責任を担っていきたい」と語った。
■スーパーフォーミュラ・ライツ用シャシー”ダラーラ320”
安全規定:FIA F1 2018 テクニカル・レギュレーションに準拠
安全装置:チタン製ハロ、サイドストラクチャー、リヤストラクチャー、シートピローなど
燃料タンク:FIA FT5
ホイールベース:2866mm
フロント幅:1618mm
リヤ幅:1540mm
重量:585kg(ドライバー&バラスト含む)
ギヤボックス:Hewland F3B-200 6 速シーケンシャル + リバース
エンジン:FIA F3 2018 テクニカル・レギュレーション準拠(現行 F3 搭載エンジン)
電子制御:Bosch MS5.8 - Bosch C60 – Megaline セミオートマチックシステム
メカニカル:サスペンション類、ダンパー、ブレーキ、ホイールなど現行パーツを踏襲
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