スーパーフォーミュラ
シーズン中ドライバー交代の可能性が明かされたトヨタSF育成チーム。一見レッドブルっぽいやり方……でもコンセプトは違う?
スーパーフォーミュラに参戦するトヨタの育成チーム、KDDI TGMGP TGR-DC。シーズン中にドライバー入れ替えの可能性があることが既に明らかにされたが、その意図についてTGRに聞いた。
戎井健一郎
公開日時: 2025/04/10 8:06
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スーパーフォーミュラには今季、トヨタ系の育成チームが新規参戦している。その名はKDDI TGMGP TGR-DC。現在は小高一斗と平良響を起用しているが、先日驚くべき情報が明かされた。このラインアップがシーズン中に変更される可能性があるというのだ。
KDDI TGMGP TGR-DCは、トヨタの若手育成ドライバーにトップカテゴリーで成長する場を与えるべく発足したチームであり、前述のレギュラードライバーである小高、平良に加え、トヨタ陣営のリザーブドライバーである野中誠太も基本的にはこのチームに同行することになっている。
異例の“ドライバー入れ替え制度”の存在は、トヨタイムズの中で明かされた。入れ替えのタイミングとしては、5月の第5戦オートポリス終了後が現状のターゲットになっているとのことで、独自の採点システムを用いてドライバーのパフォーマンスを評価した上で、入れ替えを行なうか否かも含めて検討されるようだ。
シーズン中のドライバー交代と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、F1のレッドブルではないだろうか。彼らはメインチームのレッドブル・レーシングと姉妹チーム(現在のレーシングブルズ。かつてはトロロッソ、アルファタウリなどと呼ばれた)の2チーム体制となっている。レッドブルに昇格後、パフォーマンスの振るわないドライバーは、シーズン途中であっても容赦無く姉妹チームのドライバーと交代させられてきたし、姉妹チームで不振に陥っていると、レッドブル陣営自体から即時解雇されることも珍しくない。
そういったレッドブルの方針は、しばしば“非情”であると言われる。ただKDDI TGMGP TGR-DCのケースは、シーズン中にドライバーを入れ替えるという点こそ共通しているが、コンセプトはレッドブルのそれと異なっているようだ。
KDDI TGMGP TGR-DCの監督であり、トヨタ系スクールの校長も務める片岡龍也はトヨタイムズの中で、入れ替え制の導入は「ドライバーたちを競わせるため」という意図もありつつも、「ひとりでも多くのドライバーに経験を積ませるため」という意味合いもあると説明。ドライバーにはシーズン開幕前から“ルール”を通達済みだとした。
またTOYOTA GAZOO Racingのグローバルモータースポーツディレクターである加地雅哉氏もmotorsport.comの取材に対し、今回のTGR-DCチームの入れ替えコンセプトは、レッドブルのようなドライバーをふるいにかけるようなものとはニュアンスが異なると話した。
写真: Masahide Kamio
「育成という観点で見ると、健全な危機感であったり、切磋琢磨する環境はすごく大事だと思っています」
加地ディレクターはそう語る。
「お互いが刺激し合って高め合えると、彼らの成長のモチベーションに繋がると思います。もちろん、周りの我々がサポートをして伸ばしていくことも必要ですが、彼らが自分自身をしっかりモチベートできる外的環境を作ることもひとつの手法かなと」
「とは言っても、次にもし入れ替えが起こったからといって、(シートを失ったドライバーは)2度とチャンスがありません、ということではありません。状況を見ながら次のチャンスを考えていこうと思っていますので、“ふるいにかける”という表現は、今回のコンセプトとはちょっと違っているかなと思いますね」
また加地ディレクターは、スーパーフォーミュラという国内トップカテゴリーで戦っている以上、育成チームのドライバーたちにつけられる“点数”は結果に依るところが大きいと認めつつも、一方でそこに至るまでのプロセスや姿勢もしっかり見ていきたいという構え。また「逆に言えば、そういった取り組み姿勢やプロセスがしっかりしていれば結果は出てくるでしょうし、そこには結局相互作用があると思いますね」とも述べた。
ちなみにKDDI TGMGP TGR-DCの開幕鈴鹿ラウンドの結果は、第1戦が小高リタイア、平良15位。第2戦が小高17位、平良18位であった。またリザーブの野中は、負傷したオリバー・ラスムッセンの代役としてTEAM IMPULからこの鈴鹿ラウンドでデビューを果たしており、急遽の出走ながら高い順応性を見せていた。
野中は続くもてぎでの第3戦、第4戦では小林可夢偉の代役でKCMGから出走予定。さらに経験値を積むチャンスだ。レギュラーのふたりにとってはうかうかしていられない状況だ。
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