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レースレポート

SFバーチャルレース|最終ラップで劇的な逆転をみせた坪井翔が優勝

スーパーフォーミュラの現役ドライバーが集まってオンラインレースを開催。オートポリスを舞台にして行なわれた第1戦は坪井翔が優勝を飾った。

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写真:: JRP

 新型コロナウイルス感染拡大の影響でレースが開催できない中、スーパーフォーミュラの現役ドライバーらが集まり「JAF認定 スーパーフォーミュラ ヴァーチャルシリーズ スペシャルラウンド」が開催。坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)が劇的な勝利を飾った。

 本来なら4月初旬に開幕する予定だったスーパーフォーミュラの2020シーズン。しかし新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、6月までに予定されていた前半4戦の開催が延期となった。しかし、開幕を待ちわびているファンに少しでもレースの興奮を届けようと、シリーズプロモーターである日本レースプロモーションが中心となって企画を進め、PlayStation4用のソフトウェア『グランツーリスモSPORT』を使用してのオンラインレース「SFヴァーチャルシリーズ スペシャルラウンド」が開催されることになった。

 当初は17名のドライバーが参戦するという形でエントリーリストが発表されていたが、大嶋和也(ROOKIE Racing)が都合により参加できなくなり、合計16名でオンラインレースが行なわれた。

 なおこのレースは、収録という形で事前に行なわれ、レースの様子はJ SPORTSで5月17日19時00分からオンエア。スーパーフォーミュラの公式YouTubeでもレース映像が後日公開される。

 舞台となったのはちょうど5月17日に実際の決勝レースが行なわれる予定だったオートポリス。予選は通常とは異なり、1台ずつタイムアタックに挑む「スーパーラップ方式」が採用された。走行順はランキング順となったのが、いきなり他を圧倒する速さをみせたのが2番目に出走した大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)だ。実際のレースでのコースレコードを上回る1分23秒939をマークしたのだ。

 これに対し、SF経験者のドライバーたちも果敢に攻める走りをみせたが、1分23秒台に入ってくるドライバーは現れず。バーチャルという形ではあるが、今季デビューを果たす大湯がいきなりポールポジションを獲得した。2番手には坪井、3番手には福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が続いた。予選でのタイムアタック合戦を制した大湯は「たくさん練習していたので自信はありました。決勝は戦略が大事になってくると思います」と決勝に向けてコメントしていた。

 決勝レースは32周で争われ、途中にタイヤ交換を伴うピットストップを1回行なう必要がある。さらに実際のレース以上のスピードでタイヤ消耗と燃料の消費が進んでいく設定で、オーバーテイクシステムも100秒間を自由に使える(発動後の使用制限はなし)というルールでのレースとなった。

 スタートでは3番手の福住が好ダッシュをみせたが、集団となって1コーナーに飛び込んでいった際に後ろから後続の車両に押される形になってしまいコースオフ。さらに大湯も1周目の混乱の中で最後尾まで順位を落としてしまった。

 この混乱に乗じてトップに立ったのは小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)。後続を従えてオープニングラップを制したが、距離を詰めていた坪井が2周目の1コーナーで小林を追い抜き、トップに浮上した。

 実際のレースでも他のドライバーとは異なる戦略をとることが多い小林は、今回も4周目という実に早いタイミングでピットストップを済ませる作戦を選択。後半でのトップ浮上に望みをかけたが、直後に回線トラブルにより無念のリタイヤとなってしまった。

 これで上位陣は坪井、山下健太(KONDO RACING)、平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)というトップ3のオーダーとなった。その中でも序盤は坪井のペースが良く、少しずつではあるが山下以下を引き離しにかかった。一方2番手争いは接近戦のバトルが展開され、8周目のジェットコースターストレートで平川が山下をパスし2番手に浮上。その後も好ペースを維持し、徐々に坪井との差を縮めていった。

 3番手に下がった山下は10周を終えたところでピットイン。タイヤ交換を行なったが、給油は少なめで済ませた。どうやら2ストップ作戦を選んだようで、ピットアウトも燃料搭載量が軽くタイヤも新品状態という利点を活かし、積極的に前のマシンを追い抜きにかかった。

 15周目には関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)、そして大湯の3番手争いに加わり、コース幅が比較的狭いオートポリスではあるものの、山下は積極的に隙を突いていく走りで、第2ヘアピンを立ち上がったところで3番手まで順位を戻した。

 序盤からトップを快走していた坪井だが、徐々にタイヤが苦しくなってきたのか平川の接近を許していた。そんな中、レースの折り返しを過ぎた18周目に坪井がピットインすると平川も同じタイミングでピットインした。実は平川は前半スティントで燃料セーブの走りに終始しており、短い給油時間でコースへ復帰。実際のレースのように“ピットストップでの逆転”に成功した。

 これでトップは山下になったが、21周目に2回目のピットストップを行ない5番手でレースに復帰。優勝争いは平川と坪井の一騎打ちとなった。ただ前半スティントとは対照的に、平川の常に坪井に対して1秒以上のマージンを築きながらの走行……これに対し坪井も燃料とタイヤをセーブしながらチャンスをうかがった。

 レースも残り10周を切ると、表彰台の一角をかけた3番手争いが白熱した。1周目のポジションダウンから挽回した大湯が3番手を走行。そこに4番手に上がった山下が接近してきていたのだ。

 2ストップ作戦でタイヤが新しい状態にある山下は1コーナーでオーバーテイクを仕掛け一瞬は先行するが、2コーナーから3コーナーにかけて大湯が再び並びかけ抜き返した。結局、同じような展開のバトルがファイナルラップまで続いた。

 一方、トップ争いも残り5周を切って平川と坪井の差が1秒を切り、再び両者が接近。最後の最後まで目が離せない展開となった。なんとか突破口を見出したかった坪井だが、残り3周を切ったターン8でコースオフ。少しコースをショートカットするような形で復帰したため0.5秒減速をしなければいけないペナルティを受けてしまった。これで坪井の勝機は無くなってしまったかと思われたが、最終ラップに入る手前で平川が突然ピットイン。なんとここにきて、燃料が1周分足りなくなってしまったのだ。3番手以降とは大きな差があったため、平川は2番手で復帰を果たした。

 さらに最終ラップに入ると3番手争いにも異変が起きた。山下の猛追をなんとか抑え込んでいた大湯だったが、第2ヘアピン手前でスローダウン。彼も平川同様ガス欠となってしまったのだ。これで山下が労せずして3番手に浮上。大湯ずるずるとポジションを落としていった。

 思わぬ形でトップの座についた坪井は最終ラップのジェットコースターストレートで減速しペナルティを消化。そのままフィニッシュし、SFバーチャルレース最初の勝者となった。2位には平川、3位には山下が続いた。

 新型コロナウイルスの影響でオンラインでのレース開催となったが、実際のレースをほぼ変わらない手に汗握るバトルが展開された。

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