スーパーフォーミュラ 第8戦・第9戦:鈴鹿

数多の実績を残し、スーパーフォーミュラを降りる山本尚貴。その大きな背中に宿る伊沢拓也の魂「彼には頭が上がらないです」

2024年シーズン限りでスーパーフォーミュラを引退した山本尚貴は、自身がホンダ陣営のトップドライバーに成長していく過程で、先輩である伊沢拓也の姿勢に学ばされたという。

戎井健一郎

公開日時: 2024/11/14 3:15

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

Naoki Yamamoto, PONOS NAKAJIMA RACING

写真:: Masahide Kamio

 3度のスーパーフォーミュラチャンピオンである山本尚貴が、2024年シーズンをもって同選手権から引退した。スーパーGT・GT500クラスとのダブルタイトルも2度達成しており、名実共にホンダ陣営のエースとして君臨してきた山本。今後はスーパーGTでは現役を続行する予定と見られており、その勇姿を引き続き目にすることができるだろう。

 とはいえ、自らが愛してきたフォーミュラカーレースの国内最高峰の舞台から身を引くということは、山本にとっても大きな喪失感があるという。曰く、「3分の2くらい、ぽっかりと穴が空いた」感覚であり、一時はレーシングドライバーとして完全に引退することすら考えたほどだ。

 そんな山本がこれまで10年以上に渡り、国内の両トップカテゴリーでホンダ陣営を引っ張ってきたのは紛れもない事実だろう。そこには外野からは計り知れないほどのプレッシャーもあったはず。その中で彼が持っていた『強いレーシングドライバー像』はどんなものだったのか──。SFラストレースを終えた山本に聞いてみると、彼は自身が慕う先輩ドライバー、伊沢拓也の影を投影していることを明かした。

 山本の4学年上である伊沢は、2008年から国内トップカテゴリーに参戦。その2年後に同じくステップアップしてきた山本と、スーパーGTのTEAM KUNIMITSUで計6シーズンチームメイトとなり、共に戦った。昨年からは伊沢がスーパーフォーミュラのNAKAJIMA RACINGで監督に就任したため、形は違えどふたりの“共闘”が再び始まっていた。

2023年からNAKAJIMA RACINGの監督となった伊沢

2023年からNAKAJIMA RACINGの監督となった伊沢

写真: Masahide Kamio

 スーパーGTでの6年間では1勝にとどまり、タイトルは獲得できなかった伊沢・山本ペアだが、山本は伊沢に対して非常に大きな恩を感じており、「頭が上がらない」という。それは、チームを引っ張る姿勢を学ばせてもらったという恩と、後輩である自分のスピードを活かすために、色々と我慢や妥協をしてくれたという恩だという。

「その(強いレーシングドライバーとしての)背中を見せてくれたのはやっぱり伊沢さんかなと思います」

「僕は2010年に伊沢さんのチームメイトとしてスーパーGTにデビューしましたが、開発のメンバーだったり、チームの皆さんとどういう風にコミュニケーションをとって、どういう風に引っ張っていくのかという姿を間近で見せてもらいました」

「その中で2013年にスーパーフォーミュラでチャンピオンを獲りましたが、やっぱりチャンピオンを獲ると自信もつきますし、責任感も出てきます。そこに伊沢さんの背中を見て育ってきたというノウハウをミックスさせて、自分なりにアレンジしたのが2014年以降かなと思います」

「GTでは一緒に1回しか勝てなかったですが、伊沢さんとしても僕のために色々と我慢しながら、妥協してくれたところがありました。彼の能力を考えれば、もっと勝ってチャンピオンも獲れる選手だと思います。僕に色々と譲ってくれたことで、自分はこれだけ地位を確立することができました。ですから伊沢さんには頭が上がらないです」

 そう語った山本。スーパーフォーミュラ引退レースを終えて「悔いはない」と晴れやかな顔でインタビューに応えていたが、監督である伊沢に勝利を届けられなかったことは心残りだという。だからこそ、今後は違った形で共に勝利を目指したいと語った。

「中嶋さん(中嶋悟総監督)と優勝し、チャンピオンを獲ることを目標にNAKAJIMA RACINGに戻ったのですが、この2年間に関しては形は違えどまた伊沢さんと優勝したいという思いを持って頑張ってきました」

「ただそれは達成することができませんでした。(3位表彰台を獲得した)開幕戦でも『優勝しないと俺は泣けない』と言われたので、優勝して泣かせたいと思っていたんですけど、それが叶わなかったことだけが唯一の悔いだなとは思います」

「またこれから先、どんなお仕事で伊沢さんと一緒にやれるかは分かりませんが、また違った形で伊沢さんと優勝して泣けたらと思います」

写真: Masahide Kamio

 

あなたの意見が聞きたい!

Motorsport.comで何を見たいですか?

5分間のアンケートにご協力ください。

- Motorsport.comチーム

関連ニュース :

記事をシェアもしくは保存

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

前の記事 3度のSF王者・山本尚貴を、ホンダ陣営のエースたらしめたものとは。関係者の証言「わずかな変化も感じ取る」「本当に妥協しない」

次の記事 鈴鹿で行なわれたAI自動運転レース”A2RL”、実は格安スマホのSIMで通信。200km/h超でも途切れない安定感を確認

More from

戎井健一郎



DENSO SARD、SUGO戦は今年も勝利まであと一歩届かず。「燃料の問題がなければ、優勝争いできたはず」とフェネストラズ

スーパーGT

スーパーGT

第6戦:SUGO

3 日前

DENSO SARD、SUGO戦は今年も勝利まであと一歩届かず。「燃料の問題がなければ、優勝争いできたはず」とフェネストラズ



タイヤ無交換で19番手から2位! GT300王座争い大量リードのリアライズ。しかしオリベイラ「こんな“ジョーカー”毎戦使うわけにはいかない」

スーパーGT

スーパーGT

第6戦:SUGO

4 日前

タイヤ無交換で19番手から2位! GT300王座争い大量リードのリアライズ。しかしオリベイラ「こんな“ジョーカー”毎戦使うわけにはいかない」



GT500ホンダ陣営、怒涛の3連勝でプレリュードは“シビック超え”。ランキングも2〜4番手に「最強パッケージに全力でチャレンジしていく」

スーパーGT

スーパーGT

第6戦:SUGO

4 日前

GT500ホンダ陣営、怒涛の3連勝でプレリュードは“シビック超え”。ランキングも2〜4番手に「最強パッケージに全力でチャレンジしていく」

More from

山本 尚貴



ホンダ、昨年末に京都で開催した「Premium Night」の様子を動画で公開。角田裕毅、岩佐歩夢、山本尚貴が登場……レッドブルとレーシングブルズのマシンの違い等を語る

F1

F1 8 ヵ月前

ホンダ、昨年末に京都で開催した「Premium Night」の様子を動画で公開。角田裕毅、岩佐歩夢、山本尚貴が登場……レッドブルとレーシングブルズのマシンの違い等を語る



スーパーフォーミュラ、SUGOで今季初のCN開発テストを実施。国本雄資と山本尚貴が赤虎/白虎のステアリングを握る

スーパーフォーミュラ

スーパーフォーミュラ

Carbon-Neutral Test 1

2025/05/29

スーパーフォーミュラ、SUGOで今季初のCN開発テストを実施。国本雄資と山本尚貴が赤虎/白虎のステアリングを握る



今年のSTANLEY TEAM KUNIMITSUは白黒基調! スーパーGT・GT500今季カラー発表。メンテナンスはHRCが担当

スーパーGT

スーパーGT 2025/03/11

今年のSTANLEY TEAM KUNIMITSUは白黒基調! スーパーGT・GT500今季カラー発表。メンテナンスはHRCが担当

最新ニュース



アロンソ、予選でのミスに「ポールが獲れなかったのはそのせい!」とジョーク? 決勝はパーツ温存が目標に

F1

F1 F1

アゼルバイジャンGP

アロンソ、予選でのミスに「ポールが獲れなかったのはそのせい!」とジョーク? 決勝はパーツ温存が目標に



0.8秒差のポール獲得にラッセル本人も驚き「F2やF3でもこれほどの差をつけたことはなかった」

F1

F1 F1

アゼルバイジャンGP

9 時間前

0.8秒差のポール獲得にラッセル本人も驚き「F2やF3でもこれほどの差をつけたことはなかった」



今大会デビューの山越陽悠が9位入賞。赤旗中断もあったレースをダンがポール・トゥ・ウィン|F2バクーフィーチャーレース1

FIA F2

F2 FIA F2

バクー

12 時間前

今大会デビューの山越陽悠が9位入賞。赤旗中断もあったレースをダンがポール・トゥ・ウィン|F2バクーフィーチャーレース1



トヨタWEC富士初日は苦戦! ロングランが厳しい……小林可夢偉はタイヤに関する判断を悔やむ「ソフトは使えないと決めつけてしまった」

WEC

WEC WEC

Fuji

13 時間前

トヨタWEC富士初日は苦戦! ロングランが厳しい……小林可夢偉はタイヤに関する判断を悔やむ「ソフトは使えないと決めつけてしまった」

Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.

フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。

次の 2 つのオプションがあります。

購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします

広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード

お知らせの管理

登録