ステファン・ヨハンソンのコラム:第1回ドライバー・マネージメント
元F1ドライバーであるステファン・ヨハンソンが、motorsport.com日本版で独占コラムをスタート。記念すべき第1回はドライバー・マネージメントだ。
Stefan Johansson
Eric Gilbert
元F1ドライバーであるステファン・ヨハンソンが、motorsport.com日本版で独占コラムをスタート。記念すべき第1回は『ドライバー・マネージメント』だ。
日本のレースファンの皆さん、こんにちは。元F1ドライバーのステファン・ヨハンソンです。今年、motorsport.com日本版でコラムを執筆することになりました。ご存じの方もいると思いますが、私は1981年にホンダがヨーロッパF2レース参戦する時にドライバーとして働き、1983年にはスピリット・ホンダF1チームのドライバーに選ばれました。その翌84年には全日本F2選手権にアドバン・チームからフル参戦しました。
こうした経験から、私は日本に深い愛情を持っています。F1グランプリにマクラーレンで出場した1987年は鈴鹿サーキットで初めて日本GPが開催された年です。マクラーレンがホンダ・エンジンを搭載するのは翌88年からですが、それでも多くのファンに歓迎されました。
F1から引退した後もインディや耐久レースに参戦しました。アメリカに住んでおり、インディアナポリスにカートコースを開設したり、レースチームを持って若手を育てる事業を展開しました。現在は自分の名前を冠した時計ビジネスを行っています。今回、motorsport.com日本版にコラムを執筆するきっかけになったのは、今世界中で注目されているスーパーフォーミュラ・レースに私のマネージメントする若手ドライバー、フェリックス・ローゼンクビストが参戦することになったからです。開幕戦である4月23日の鈴鹿はアメリカから見守りますが、機会があればまた日本へ出かけたいと思います。
では、コラム第一回目はドライバー・マネージメントの話をしましょう。
ドライバー・マネージメントは、そのアプローチの仕方によって非常に難しい仕事にもなります。才能のある若者を見つける時には、彼が長くドライバー生活を続けられるだけの資金を準備でき、マネージャーに決められたパーセンテージを支払えるバックグラウンドを持っていることが条件です。でも、そういう若者を見つけられる可能性は本当に少ない。近年のモータースポーツはクルマが高価になり、スポンサーを見つけるのがますます難しくなってきています。これは結果的にチームが優秀なドライバーに支払えるフィーが少なくなったということです。
私はドライバー・マネージャーになろうと考えたことは一度もありません。すべて偶然に起こったことです。私がこれまで長く一緒に働いてきたドライバーはたったひとり、スコット・ディクソン(現インディカードライバー)だけです。彼がアメリカに来たばかりで私のインディ・ライツのチームで走り始めたのが最初です。最初の契約は期間の短いものでしたが、それが知らない間に20年にもなっていました。その間、ディクソン以外にも何人かのドライバーと働きましたが、フェリックス・ローゼンクビストはその中の1人で、彼のキャリアはいま始まったばかりです。
フェリックスが日本で名をなすには確実なステップアップが必要です。彼がスーパーフォーミュラが好きだということはよく知っています。私と彼はこのレースに関してよく話をしていましたが、そこにチーム・ル・マンから1シーズンを通して走らないかと話がありました。チーム・ル・マンに関しては、私は良い想い出があります。かつて僕が日本のF2レースを走っていたのがチーム・ル・マンで、何十年も経って再び同じチームと一緒に仕事ができるのは感慨深いものがありますね。
フェリックスは才能豊かなドライバーで、F3に進出した時にはすぐに勝利をあげ、それ以降いままで印象的なレースを続けています。彼と何年か仕事をしてきて、彼が倫理的で、小さなことでも大切にする人間だということがよく分かりました。彼は仲間を大切にし、彼のチームメンバーは彼と一緒に仕事をすることを楽しみにしているはずです。彼はチーム全体のモチベーションを上げる力を持っています。彼の日本でのレースをどれほど活躍できるのか、楽しみにしています。
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