【スーパー耐久】童夢がシビックTCRで参戦。ドライバーも決定

童夢がJASモータースポーツが開発したシビックTCRでスーパー耐久に参戦。中野信治らのドライブが決定。

 2014年以降レース活動を休止していた童夢が、サーキットへ帰ってくる。今季、スーパー耐久シリーズに新設されたST-Rクラスに童夢が2台のホンダ・シビックTCRをエントリーすることは、3月1日のプレスリリースで発表されていたが、未定となっていたドライバーを含む陣容がこのほど明らかになった。

 ツインリンクもてぎで開催される開幕戦でMODULO RACING PROJECTの97号車に乗るのは、元WGPライダーの伊藤真一、Hondaワンメイクレース・スカラシップドライバーの海老澤紳一、元F1&CART&INDYドライバーで現WECドライバーの中野信治の3人。MODULO RACING PROJECTの98号車に乗るのは、元JTCC&CARTドライバーの黒澤琢弥、現GT300ドライバーの石川京侍、現GT300ドライバーの加藤寛規の3人だ。

 開幕戦での陣容を基本に第2戦スポーツランドSUGOも戦い、その後鈴鹿サーキットの第3戦ではHondaワンメイクレース・スカラシップドライバーの幸内秀憲、今年はWTCCに参戦する道上龍、オートポリスの第4戦では元JGTCドライバーの土屋圭市、富士スピードウェイの第5戦では現GT300ドライバーの吉田広樹が起用される。シリーズ最終戦は岡山国際サーキットで開催される第6戦になる。

 マシンはイタリアのコンストラクターであるJASモータースポーツが製作したもので、完成直後の3月13日、イタリアでシェイクダウンテストを行ったうえで空輸され、3月20日に米原にある童夢本社の工場へ搬入されている。JASモータースポーツは、世界ツーリングカー選手権(WTCC)を闘うホンダ・シビック・タイプRの開発を担当、昨年からはTCR用シビック・タイプRの開発も行っている。ただしTCRは基本的にはスプリントレースであるため、耐久レースのスーパー耐久で用いるためにはヨーロッパ仕様から一部変更が必要だった模様だ。

 果たして童夢は何を思ってレース活動を再開することになったのだろうか。童夢の高橋拓也社長は言う。

「海外の色々なコンストラクターにお邪魔する機会があるのですが、日本の自動車メーカーからレーシングカーの開発業務の多くが委託されており、日本国内に技術力や開発力が一切構築されないことを悲しく思っていました。先日ミラノに出向いた際に立ち寄らせて頂いたJASモータースポーツで先方の社長と意気投合して車を購入し、走らせることになりました。どんな車を作っているのか研究することが一番の目的です」

 ではなぜ舞台がスーパー耐久シリーズで、なぜTCR用マシンが選ばれたのか。

「FIA-GT3の価格高騰が懸念されており、今後GT4やTCRも注目されるカテゴリーになるだろうと興味を持っていました。将来的に日本の自動車メーカーがTCRやGT4を開発する際、お力になれるように準備しておきたいと思っていたので、その研究のために参戦することにしました。ちょうど日本でもスーパー耐久でTCR専用のクラスが新設されたので良い機会だと思いました」

 気になるのは、使用する車両がホンダ・シビック・タイプRであり、JASモータースポーツはホンダがメーカーとして関わりを持っているコンストラクターである点だ。また、シリーズで起用されるドライバーの顔ぶれもホンダ・ワンメイクレースのスカラシップドライバーであったり、これまでホンダと関係の深かった選手たちであったりすることも気になる。今、国内レース界では童夢がホンダと接近して来季GT500用NSXの開発を行い、スーパーGTでの実戦活動を再開するのではないかと噂になっている。今年のシビックTCRによるレース活動再開は来季のGT500開発に関連する動きなのだろうか。

 高橋社長は「GT500に関する噂は承知していますが、実際には何も決まっていることはありません」としたうえで、「TCRは既に完成された車両であるため、あくまでもデータ収集が主たる目的であり、特に車の開発に関与するわけではありません」と語った。

 スーパー耐久シリーズ開幕戦は4月1日から2日、ツインリンクもてぎで開催される。童夢のマシンはその直前に改めてシェイクダウンテストを行い、本番に臨む。ST-Rクラスで闘うことになるのは、アウディRS3 LMSだ。童夢が走らせるシビックTCRが果たしてどんな戦いぶりを見せるのか、注目したいところである。

取材・執筆:大串信

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