今季初勝利を飾った777号車D’stationヴァンテージ、いつもと違う戦略で勝機呼び込む
2020年のスーパー耐久第3戦岡山。ST-Xクラスで今季初優勝を飾った#777 D’station Racing Vantage GT3の藤井誠暢は、いつもと異なる戦略がうまく機能したことが勝利につながったと語った。
藤井誠暢、星野敏、近藤翼、佐々木主浩総監督(#777 D'station Vantage GT3)
吉田知弘
岡山国際サーキットでのピレリ スーパー耐久シリーズ2020第3戦でST-Xクラス今季初優勝を飾った#777 D’station Vantage GT3。Bドライバーを務める藤井誠暢は、今回新しく試みた戦略で、どのスティントでもペースよく走れたこと、そして今回はマシンの調子が非常に良かったことが勝利につながったと語った。
今シーズンは常に速さを見せながらもトラブルにより決勝で結果を残すことができなかった777号車だが、今回は予選からトラブルなく順調な走りを見せた。それに関してはドライバー全員が「今回はクルマの調子が本当に良かった」と口を揃えるほどだった。
この岡山大会でも予選で速さをみせてポールポジションを獲得した777号車。いつもなら藤井がスタートスティントを務め、後続とのギャップをできる限り築くという戦略を採っているのだが、今回はジェントルマンドライバーである星野敏にスタートを託すという戦略を試みたという。
改めてレースを振り返った藤井は、このように語った。
「いつもなら僕が最初にマージンを稼いで、星野さんにつなぐというパターンなんですが、逆に星野さんがスタートを担当して、どういう組み立てができるのかということで、今回は星野さんにスタートをやってもらいました。プロのドライバーが周りに多い中で、良いペースで走ってくれました」
「最初のスティントで星野さんが良いペースで走れたことで、あとは僕たちがクルマなりに速く走るだけだったので、それが勝因ですね」
しかし、スーパー耐久の参戦歴が長い星野ではあるものの、ポールポジションから最初のスティントを務めるのは初めての経験。「けっこう緊張しました。冷えているタイヤは難しくて、その辺は、やっぱりプロのドライバーはうまいですね」と語っていたが、自身のスティントの間はとにかくミスをせずに走り切ることに重点を置いていたという。
「自分がミスしなければ優勝できるという自信がありました。そういう意味では自分に一番かかっていたので、それを無事に達成できたので良かったです。(今シーズンは)速さはありながら、なかなか結果が出なくて悔しかったんですけど、今回は理想的なポール・トゥ・ウィンとなりました」
そう語った星野は、序盤戦の悔しさを晴らす1戦となったこともあって、満面の笑みをみせていた。
星野と藤井のスティントで後続に50秒以上のリードを築いた777号車。最終スティントを任された近藤翼は、トラブルやアクシデントなくチェッカーまでマシンを運ばなければいけないとプレッシャーも感じていたというが、最初のふたりが差を広げてくれていたことで、落ち着いて最後まで走ることができたと語った。
「なんとか勝つことができて良かったです。D’station RacingはS耐のST-Xでは、あまり調子良くなかったので、今回優勝できて良かったです」
「それまで星野さんと藤井さんがギャップを作ってくれていたので、そのギャップもあって非常に良いレースができたのかなと思います。今週はすごく調子が良かったので、本当に良かったです」
今シーズンは変則的なスケジュールとなり、2021年1月に最終戦が開催されるスーパー耐久。最高峰のST-Xクラスは#888 HIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3がランキング首位につけていたが、888号車が今回リタイアしたこともあり、各チームのポイント差が接近することとなった。後半戦は、より激しいレースが期待できそうだ。
Be part of Motorsport community
Join the conversationShare Or Save This Story
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
Top Comments