【スーパーGT】ホンダ、100号車に新エンジン投入。今季初勝利なるか?
ホンダは第5戦富士で、前戦のレースでエンジンにダメージを負った#100 RAYBRIG NSX-GTに、新エンジンを投入した。

スーパーGT第5戦富士、前戦SUGOでエンジンにダメージを負ってしまった#100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/伊沢拓也)のマシンに、新しいエンジンが投入されていることをホンダの佐伯昌浩プロジェクトリーダーが明かした。
2017年のスーパーGTは、レクサスLC500が4連勝中。圧倒的な強さを見せているが、”速さ”という点ではホンダも負けていない。今季、NSX-GTのポールポジション獲得は4戦中3度。開幕戦岡山では運の要素が大きかったとはいえ、一発の速さでは決して負けていないのだ。
前戦のSUGOでは、一時トップ5をNSX-GTが独占。レクサス勢の連勝を止めるかと思われたが、荒れたレースの中で出動したセーフティカーの影響を受け、勝負権を失う不運に見舞われてしまった。
佐伯プロジェクトリーダーは、今季これまでの戦いについて次のように語った。
「我々もギリギリまでこのクルマの開発を続けてきて、開幕戦と第2戦の間にあった期限までに、いろいろなモノのホモロゲーションを取りました」
「ただテストまではできなかったので、そのテストをしながらレースを戦っているような状態でした。その間にあったタイヤテストや合同テストなどで、エアロ系の登録品を含めたそれらの部品の使い方を比較しながらやってきた結果、第3戦の少し前のテストから、このクルマの”正しい使い方”が見えてきて、セットアップを含めて落ち着いてきました」
用意していた"タマ"の使い方が見え始め、速さを見せているホンダ勢。しかし、その後ろから日産GT-R勢も逆襲を狙っている。前戦SUGOでは全車に新エンジンを投入したのだ。
GT-Rの新エンジンについて佐伯プロジェクトリーダーは、「ストレートが速くなっているのは、見ていてわかります。もしかすると、SUGOではうまくまとめきれなかったけど、富士ではいい仕事をするエンジンじゃないかなと感じています」と警戒感を強めていた。
ではホンダの新エンジン投入はいつか? 質問をぶつけてみたところ、「正直に言いますけど、100号車(RAYBRIG NSX-GT)にだけ入っています」と明かしてくれた。
「実は、SUGOのファイナルラップに100号車がクラッシュしていたんです。軽いクラッシュだったと聞いていますが、ダメージは結構大きくてエンジン本体も一部クラックが入っていました。エンジンが使える状態ではなかったので、ここ(第5戦)からの投入を決めました」
「戦略的にもう少し引っ張ろうかなと思っていたので、他のクルマに関しては予定通りです」
このエンジンの改良点について聞くと「ドライバビリティやターボラグなど、これまで以上に扱いやすいエンジンになっていると思います」と佐伯プロジェクトリーダーは答えた。
「富士の第3セクターは、毎回ホンダが不得意なところになっているので、そこをうまく走ることができれば、後半用に開発してきた部分がマッチしているんじゃないかなと思います」
イレギュラーながら、新エンジンを手にした#100 RAYBRIG NSX-GTの山本も、マイルの面で心配はあるもののポジティブな結果に繋げていきたいと意気込んだ。
「予定では鈴鹿1000kmのタイミングでエンジンの載せ換えを検討していたので、最終戦まで持つのかどうかというところが唯一のネガティブなポイントではあります」
「SUGOでのクラッシュ自体は良くなかったですけど、それによって1戦前倒しで投入させてもらった効果が出て、富士の結果が良ければポジティブなモノになるので、今週はそうなるように組み立てていきたいです」
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この記事について
シリーズ | スーパーGT |
イベント | Round5 Fuji |
ロケーション | 富士スピードウェイ |
執筆者 | 松本 和己 |