【スーパーGT】新体制で初優勝、土屋武士”監督”「感無量です!」
スーパーGT第3戦オートポリス戦で今季初優勝を果たした#25 VivaC 86 MC。今季から”監督専任”としてチームを率いる土屋武士に話を訊いた。

2017年のスーパーGT第3戦のGT300クラス。わずか0.091秒差で#25 VivaC 86 MCが優勝。今年は監督兼エンジニアとしてチームを率いる土屋武士氏も、新体制で掴んだ初の勝利を喜んでいた。
予選からライバルを圧倒する速さを見せていた#25 VivaC 86 MC。スタートから山下健太がトップを死守する走りを披露し、途中のピットストップで一時ライバルに先行を許す場面もあったが、エースの松井孝允がしっかりとトップを奪還。今季初優勝まで順調な走行を見せた。
ところが終盤になって燃料ポンプのトラブルが発生し、ガス欠のような症状が出て一気にペースダウン。特に最終ラップの上りセクションで#61 SUBARU BRZ R&D SPORTに追いつかれてしまうが、松井が最後までトップを守りきりフィニッシュ。わずか0.091秒差での勝利だった。
レースを終えた土屋武士監督は「感無量です」と開口一番。やはり、昨年までとは違い、今年は監督兼エンジニアとしてドライバーを送り出す立場になったこともあり、そこにかかってくるプレッシャーと不安は相当なものだったようだ。
「ドライバーの時は準備をすれば、あとは集中してレースをやろうということだけ考えていました。しかし、こういう立場になると準備をすればするほど、不安しか出てこなかったです」
「何が起きてもおかしくないということを想定して対策していくと、キリがなくて……」
土屋武士監督は常々「サーキットに来るまでの準備が大切」と語っていたが、今回出たトラブルも、事前に対策を施しており、その甲斐があって勝つことができたという。
「これまでもリフトポンプのトラブルがあったりして、この2週間の間に色んな対策をして、燃料タンク内のポンプの取り回しまで変更して臨みました。それがなければ、絶対勝てなかったです」
「ピットストップでも、いつもより2秒多く給油していました。そこでピットでライバルに抜かれても、孝允が抜き返してくれるだろうという信頼のもと、『もし壊れたら……』ということも考えて、わざと2秒多く給油しました」
「今回のように0.091秒差という僅差で勝てると、ここまでやってきたことが良かったなと思いますね」
昨年、チャンピオン獲得後につちやエンジニアリングを引っ張ってきた父の土屋春雄氏のがんが発覚。シーズンオフはゆっくり休むどころか、正月三が日を除いてフル稼働だったという土屋武士監督。毎回、次戦にむけては「やるべきことをしっかりやるだけ」と冷静に語るが、次のSUGO戦に向けては、まず“休むこと”が一番最初とコメントしていたのが印象的だった。
「今やるべきことは、まず休むことだと思います。この7カ月間の疲れを癒して、また次に臨みたいですね」
この第3戦を終えて、ランキング首位に躍り出た#25 VivaC 86 MC。次回のSUGOも、得意としているサーキットだけに、2連勝を飾ってチャンピオン争いでもさらに優位に立ちたいところだ。
取材・執筆/吉田知弘
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この記事について
シリーズ | スーパーGT |
イベント | Round3 Autopolis |
サブイベント | 日曜日 |
ロケーション | オートポリス |
ドライバー | 山下 健太 , 松井 孝允 , Takeshi Tsuchiya |
チーム | VivaC team Tsuchiya |