【スーパーGT】2位50号車フェラーリ、都筑晶裕は最後まで順位知らず?!
第4戦SUGOでGT300クラス2位を獲得した#50 Ferrari 488 GT3の伊藤宗治監督は、最後までドライバーに順位を教えなかったと明かした。

大波乱のレースになったスーパーGT第4戦SUGO。GT300クラスの2位になったのは、#50 Ferrari 488 GT3(都筑晶裕/新田守男)だった。
開幕戦で大クラッシュに見舞われ、第2戦富士を欠場。第3戦では新車を投入し挽回を誓ったが、GT500クラスのマシンと接触し、16周遅れの完走扱いで1ポイントの獲得にとどまっていた。
第4戦は予選16番手からスタート。今回は3回のセーフティカーが出動する大荒れのレースとなり、2回目セーフティカー出動の際、#50 Ferrari 488 GT3はクラス11番手を走っていた。
リスタート直後、前方の6台がピットイン。#50 Ferrari 488 GT3は混雑を嫌って次の周にピットインすることにしていたという。すると、最終コーナーで後方のGT300クラスのマシンによるクラッシュが発生。再びセーフティカーが出動することになるが、その頃には#50 Ferrari 488 GT3はすでにピットへ。ピットインせずに先頭を走っていた#65 LEON CVSTOS AMGの前でコースに復帰したことで周回遅れにならずに済み、圧倒的に有利な立場を得ることになったのだ。
伊藤宗治監督にその時のことを尋ねると、チームも状況を把握しきれていない状態だったようだ。
「セーフティカーが解除される周はみんながピットに入ってくるから、渋滞するのが嫌で次の周に(ピットに)入れています」と、伊藤監督は語った。
「それが当たりました。ピットから出たら、4番手だったんです。計時ミスだと思うから誰にも言うなって話をしました。ドライバーを喜ばしちゃいけないから、ドライバーには言うなよって。まだ計時ミスだと思っていましたから。自分の頭の中では」
「そうしたら、トップよりもウチのクルマが前にいる。ということは、あの状況だともう1周回ってこられるわけで、そうなるとあれ…って。なんでそうなったかはわかりません」
「自分もピット作業をやってますから、状況を見て決めているわけではないです。ガソリン(の給油量)を読んでいるし。ピットから出て行ったらそうなっていただけです」
前の3台がピットインし、実質トップでリスタートを迎えた#50 Ferrari 488 GT3の都筑晶裕。#11 GAINER TANAX AMG GT3の平中克幸には逆転を許したものの、好ペースで走行を続けた。実はこの時点でも、都築は自分の順位を知らない状態だったという。
「都築くんのペースは相当良かったと思います。トップには離されただけで、3位との差は守っていましたし、ものすごく良いペースだと思っていました」
そう伊藤監督は語った。
「都築くんに順位を知らせたのは、最後です。”で、何位なの?!”って言うから、2位って答えました。2番手とかトップを走っていると、焦るから結局とっちらかってしまう。誰だってそうなんですよ。だから黙っていました」
次戦は2週間後の富士。5月の第2戦の時は参加することすらできなかったサーキットでのリベンジとなる。
「開幕3戦の借りが、お釣りが来るくらい帰ってきたぞっていう感じ。これまでツイてなかったから、今回はツイてたねって、それだけで実力はまだ全然です。次も頑張りますが、ツイてると良いですね!」と、伊藤監督は意気込みを語った。
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この記事について
シリーズ | スーパーGT |
イベント | Round4 Sugo |
ロケーション | スポーツランドSUGO |
執筆者 | 松本 和己 |