【スーパーGT】65号車LEON、戦略の決め手は第4戦SUGOでの”敗北”
鈴鹿1000kmで逆転優勝を飾った#65 LEON CVSTOS AMG(黒澤治樹/蒲生尚弥)は、第4戦での敗戦が、今回の勝利につながったと語った。

スーパーGT第6戦、鈴鹿1000kmのGT300クラスのウイナーは、”奇襲”とも言える戦略を成功させた#65 LEON CVSTOS AMG(黒澤治樹/蒲生尚弥)が優勝を飾った。
#65 LEON CVSTOS AMGは9番グリッドから決勝に臨んだ。しかし、スタート直後の2周目にピットに飛び込むと、単独走行。周囲にライバルがいないクリアな状況で、マシンの持つパフォーマンスを存分に発揮し、セーフティカーの出動により前とのギャップが縮まったこともあって、一気に優勝争いに加わっていった。
蒲生は優勝記者会見で、”正直な感想は、やっと(レースが)終わったな”と一言。長かったレースを振り返った。
「変則的なピットタイミングでしたが、なるべく単独で走る時間を増やそうと、この戦略を決めました。走っている時はずっとひとりで、見えない敵を相手に3スティント走ったので、本当に疲れました」
「最後、トップを走る25号車(VivaC 86 MC)に追いついたら、目標になるものが現れて本当に集中できたし、気を抜かずに良い走りができました」
作戦を決めたタイミングを訊かれた黒澤は「元々いろいろな作戦を考えていました」とコメント。鍵になったのは、トップを独走しながらも、セーフティカー出動のタイミングに泣き、優勝を逃した第4戦SUGOだと明かした。
「ひとつ、今になってですけどチームにとって良かったことは、SUGOで20秒ぐらい他をちぎってトップを走っていて、誰にも抜かれていないのに勝てなかった。それの原因を踏まえて考え出して、レース戦略を考えなければいけないと思ったから、今回があったというのもあります」
実質4ストップ・5スティントのような形でレースを戦ったことになる#65 LEON CVSTOS AMG。しかし、タイヤには全く問題なかったという。
蒲生は「(1スティント)33から34周走ったんですけど、最後まで大きなグリップダウンもなく、ブリヂストンさんがすごく良いタイヤを用意してくれました」と語った。
今回のレースの結果、#65 LEON CVSTOS AMGは#4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)を2ポイント上回り、ポイントリーダーに浮上した。
これについて、蒲生は「今まで通りやっていくだけです。次のタイも最終戦もてぎもクルマ的にはいけると思います」とコメント。
黒澤も「これで勝ったからといって気を抜かずにチームを引き締めていきたい。尚弥も速いドライバーになってくれたからみんなで力を合わせて、これからもブリヂストンさんと協力して開発を進めていって、最終的にチャンピオンを獲れるように頑張りたいと思います」と意気込みを語った。
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この記事について
シリーズ | スーパーGT |
イベント | Rd.6 鈴鹿1000km |
ロケーション | 鈴鹿サーキット |
執筆者 | 松本 和己 |