フォーメーションラップの接触をカルダレッリ語る「回避できなかった」
タイトルの可能性を残して最終戦に挑んだ#6 WAKO'S 4CR LC500。しかし、フォーメーションラップの接触で、すべては水の泡と化した。

ツインリンクもてぎで行われた2017スーパーGT最終戦。GT500クラスのスタート直前に起きた#23 MOTUL AUTECH GT-R(ロニー・クインタレッリ)と#6 WAKO’S 4CR LC500(アンドレア・カルダレッリ)の接触について、当事者の一人だったカルダレッリが、その時の状況を語った。
シリーズチャンピオンがかかった最終戦の決勝レース。2番グリッドにつけ逆転チャンピオンを狙っていた# 6WAKO’S 4CR LC500だったが、スタート前に思わぬアクシデントに見舞われてしまった。
ちょうど最終のビクトリーコーナーに差し掛かるところで、#6 WAKO’S 4CR LC500のカルダレッリはレーススタートに備えて2列になるべく、#23 MOTUL AUTECH GT-Rの横に並ぼうとしたが、ちょうどタイヤ暖めるために加減速を繰り返していたクインタレッリと交錯してしまった。
この時の状況についてカルダレッリは、このように語った。
「最終コーナーのところで、いつも通り2列に並んで行こうとしたら、ロニー(・クインタレッリ)が思った以上にスペースを残してくれず、いきなりドアが閉まったような感じでスペースがなくなってしまった。あの状況下で接触を回避できなかった。そこで、ボンネットが壊れてしまい、最初からうまくドライブすることができなかった」
これにより、#6 WAKO'S 4CR LC500の右フロント部分を中心にカウルが破損。ボンネットが浮き上がるような状態でのレースを強いられた。さらに6周目には#24 フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)とも接触してスピン。これでポイント圏外まで脱落してしまった。
23周目のピットストップで大嶋和也に交代するも、十分にボンネットを修復することができず、レース終盤にボンネットが飛んでしまい、最終的にオレンジディスク旗が出て再度ピットインを余儀なくされる。
「ずっとボンネットがバタついている状態でした。最後に全部とれたので、そのまま行けるかなと思ったのですが、オレンジボール旗が出ちゃいました。ピットストップの時に直そうにも、相当時間がかかる作業だったと思うので、仕方ないです」
そう語る大嶋は、チャンピオンがかかった最終戦の決勝を実質的に戦わずして終わってしまったことに悔しさを感じていた。
「2年連続で最終戦までチャンピオン争いができて、今年も最終戦の予選までは完璧でした。負けるにしても、せめて戦って負けたかったです。悔しいですね」
「完敗……という感じですね。色々思うところはありますが、負けは負け。(この悔しさを)ぶつけられるのが先すぎて、ちょっと大変ですけね」
大嶋はそういつも以上に言葉少なめに語った。
もちろん、カルダレッリにとっても悔しい最終戦となったのだが、シーズン全体を通して考えるとポジティブなものだったとのこと。収穫は少なからずあったと語った。
「今シーズン全体を振り返ると、ポジティブなものだったと思う。シリーズランキングは3位で、正直これが精一杯の結果だったのかもしれない」
そうカルダレッリは語る。
「シーズン通して速さを見せられたことは良かったし、ウェイトハンデに応じてしっかりとマネジメント出来ていたと思う。4レースで表彰台に上がれたことが良かったけど、勝利を飾れなかったというのは少し悔しい。でも、僕にとっては収穫のあったシーズンだった」
取材・執筆/吉田知弘
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この記事について
シリーズ | スーパーGT |
イベント | Rd.8 ツインリンクもてぎ |
サブイベント | 日曜日 決勝 |
ロケーション | ツインリンクもてぎ |
ドライバー | アンドレア カルダレッリ , 大嶋 和也 |
チーム | Team LeMans |