
大波乱となった第4戦SUGO。レースを制した#1 DENSO KOBELCO SARD LC500の平手晃平は、タイトル争いに復活したことを喜んだ。
スポーツランドSUGOで行われたスーパーGT第4戦。セーフティカーが3度出動するという波乱のレースを制したのは、#1 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン/平手晃平)だった。
スタートを担当したのはコバライネン。パレードラップ開始直前になって雨が落ち始めるという微妙なコンディションに各車がタイヤ選択を最後まで迷う中、SARD陣営はタイヤ選択をバッチリ成功させ、レース序盤を支配したNSX-GT勢の後ろ、5番手を走行していた。
予選後の記者会見で「クレイジーなレースだった」とこぼしたコバライネンは、自分の担当したスティントを振り返って、次のように語った。
「スタートは完全なウェットでもなく、ドライでもない微妙なコンディションだった。戦略とタイヤ選択はいつも鍵になるけど、ハードのウェットタイヤを僕たちは選択した。何度もピットストップをして時間を無駄にしたくなかったから、ハードで引っ張った。それがすごく機能したんだ」
「今回はクルマのパフォーマンスも良かったと思うし、とにかく僕たちは絶対に戦えると思って諦めないで走っていた。そして、セーフティカー戦略がとてもうまくいったんだ」
平手が走行を担当したのは、スリックタイヤでの走行が可能になってから。3度出動したセーフティカーに翻弄され、ピットインのタイミングを逃したNSX-GT勢は周回遅れになっており、リードラップは平手と、2位フィニッシュした#46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの本山哲の2台のみ。この2台が最終ラップまでトップ争いを繰り広げた。
「こういうコンディションだとタイヤを傷めやすいので、フロントタイヤの様子を見ながら、後ろとのペースを見ながら走っていました」と平手は語った。
「残り2周のバックストレートエンドくらいで雨粒が強くなってきました。残り1周で本山選手とのバトルを抑えて、このままゴールかなと思ったんですけど、馬の背に突入したあたりから雨脚が強くなっていました」
「SP1つ目をかなり手前から慎重にブレーキを踏んで突入したんですけど、もうブレーキを踏んだ時には遅くて、リヤが出ちゃっててこのままクラッシュするかなと思いました。飛び出した瞬間ミラーを見たら、本山さんもこっち側にいて飛び出していたみたいで、戻ったもん勝ちかなと思ってアクセルを全開で踏みました。最終的には前に出られて良かったです」
開幕戦こそ3位を獲得したものの、第2戦富士、第3戦オートポリスと2戦続けてレクサス同士で接触。チャンピオン争いから大きく遅れを取っていた#1 DENSO KOBELCO SARD LC500だが、今回の勝利でポイントリーダーとなった#6 WAKO’S 4CR LC500まで5ポイント差のランキング4位に浮上した。
SUGOから始まる夏の3連戦のどこかで優勝を必要だと語っていたコバライネンは「これが今年の第一歩。今回は表彰台を獲得できればいいなと思っていたが、優勝という予想以上の結果でよかった」と語ると、平手も次のように今回の勝利を喜んだ。
「今回、ペースもブリヂストンの中では一番良かったし、チームも毎戦諦めずに良いクルマを作ってくれました。本当は第2戦、第3戦と2回勝てる力は持っていたんですけど、そこは不運もあって結果に繋げられなかったのもあったので、またチャンピオンシップに戻ってこられて、すごく良かったなと思います」
「昨シーズンはこのSUGOで2位を獲得して、そこから現実的にチャンピオンに向けてクルマ作りを考え出したんですけど、今年もSUGOがキーポイントになるかなと思っていました。次の富士はマシンのウェイトハンデも重くなりますけど、それでも前を走れるようにチームをクルマ作りをしていければ、連覇も見えてくるかなと思います」
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この記事について
シリーズ | スーパーGT |
イベント | Round4 Sugo |
ロケーション | スポーツランドSUGO |
執筆者 | 松本 和己 |