山本尚貴×バトン、気になる“シートポジションの問題”はクリア済み?
チームクニミツで同じマシンをシェアすることになる山本尚貴とジェンソン・バトン。すでに、シートポジションの問題は解決しているようだ。

今シーズン、スーパーGT500クラスへのフル参戦が決まり注目を集めている元F1ワールドチャンピオンのジェンソン・バトン。山本尚貴と組んでチームクニミツからのエントリーが正式発表されているが、すでに一番の懸念事項だった「身長差によるシートポジションの問題」はクリアできているという。
スーパーGTは2人ないし3人のドライバーが1台のマシンをシェアして戦うレース。マシンのセッティングはもちろん、シートポジションに関してもシェアをしなければならないため、時には妥協を必要とすることもある。
昨年の鈴鹿1000kmにTEAM MUGENからスポット参戦したバトンだが、その際に一緒に組んだ武藤英紀、中嶋大祐とはシートポジションが合わなかったとのことで、本番の時には急きょバトン専用のステアリングを用意し、少しでも彼が快適にドライブできるような対策も施された。
今シーズンのペアを見てみるとバトンは身長182cm、山本は身長164cmと18cmの差がある。昨年と同じようにシートポジションをどうするかという懸念事項は関係者の間でもあがっていた。すでに彼らは昨年12月にマレーシアのセパン・インターナショナルサーキットでホンダの開発車両を使ってテストを行っていたが、その時のことについて山本は、このように振り返った。
「僕も(昨年の鈴鹿1000kmでの対応は)見ていたし、聞いていたことなので不安材料ではあったんですけど、実際にマレーシアに行ってテストの時にシート合わせをしたら、100号車で使っていたモノのままで、ペダルの位置だけをアジャストすれば良いということに気づきました」
「それだけで済むということが分かって、何より一番ホッとしたことですね。彼もシングルシーターとは違い(2人でマシンをシェアする)スーパーGTということを理解してくれていたと思いますが、そんなにお互いが妥協せず『このポジションなら全然大丈夫』と言ってくれたし、僕も特に妥協している訳ではないので、そこは非常に良かったです」
実は山本とバトンは、ドライビングポジションの取り方に違いがあり、バトンは長年F1をやっていたこともあって身体とステアリングの位置が非常に近いとのこと。これに対し山本は、少し身体から離れた位置にポジションをとるため、結果的にステアリングの位置は2人とも同じになったのだという。
ホンダの山本雅史モータースポーツ部長も、2人のシートポジションの懸念事項が解消されていることに関してはかなり強調してコメントしていた。
「リスクは最小限にしたいですからね。ハンドルを交換して、色々やっている中で何か間違ったり、トラブルが起きたりしてレースにならなかったら、意味がないですからね。もちろん、同じようなことをJB(バトン)も言っていました。1000kmの時は(シートポジションは)我慢していたらしいですけど、今回はそういった心配はありません」
これから開幕に向けて、岡山・富士での公式合同テストをはじめ、複数回テストを予定しているホンダ陣営。バトンも、チームクニミツが予定しているテスト日程全てに参加予定とのこと。本格的に開幕に向けての調整が始まっていく。
この記事について
シリーズ | スーパーGT |
執筆者 | Tomohiro Yoshita |