ホンダNSXトップ5独占! SCも味方につけたARTA今季初優勝で王座争い混沌
ツインリンクもてぎで行なわれたスーパーGT第7戦は、ホンダNSX-GT勢が圧巻の強さを発揮し、トップ5独占という快挙を成し遂げた。優勝は#8 ARTA NSX-GT。これでチャンピオン争いは大混戦となった。
写真:: Masahide Kamio
2020年のスーパーGT第7戦もてぎGT300kmレースがツインリンクもてぎで行なわれ、#8 ARTA NSX-GTが優勝。これを筆頭に、NSX-GT勢がトップ5を占める、史上初の快挙を達成した。
朝から晴天に恵まれたツインリンクもてぎ。スタート時は気温22度、路面温度29度と、11月にしては暑いとも言えるコンディションで63周のレースが始まった。
GT500クラスはポールポジションの#64 Modulo NSX-GT(大津弘樹)がトップで1コーナーを通過すると、1周目から後続を大きく引き離していった。一方、後方では8番手からスタートした#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rがウォームアップ走行中に黄旗中の追い越しがあったとしてドライブスルーペナルティを受けて後退。さらに#24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rが早々にスロー走行となりピットで修復作業を余儀なくされるなど、慌ただしいレース序盤となった。
そんな中、トップの64号車は4周目を終えた時点で後続に対して4.6秒ものリードを築いたのだが、その直後からGT300の集団に追いついたことで徐々にペースが落ちはじめ、逆に2番手の#8 ARTA NSX-GT(野尻智紀)をはじめ後続が次々と接近していった。そして10周目の1コーナーで野尻が64号車のインに飛び込みオーバーテイクを成功させ、トップに浮上。さらに12周目には#100 RAYBRIG NSX-GT(牧野任祐)も64号車を逆転し2番手に浮上した。一方、後方ではランキングトップを争う#17 KEIHIN NSX-GT(ベルトラン・バケット)、#36 au TOM’S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ)、#37 KeePer TOM’S GR Supra(山下健太)らが、GT300クラスを掻き分けながら、接近戦のバトルを展開した。
レース全体の3分の1が過ぎたところで、GT300クラスの#5 マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号がV字コーナー手前でストップ。この直後の23周目に、首位8号車と2番手64号車がピットインし、早々とドライバー交代を終えた。
この2台がピットアウトした瞬間に、ストップした5号車のマシン回収のためセーフティカーが出動。この時点でGT500クラスの中でピットストップを終えていたのは8号車と64号車だけであり、この2台は大きなアドバンテージを築くこととなった。
29周目に100号車を先頭にレースが再開されると、2番手以降の車両が続々とピットイン。トップの100号車も1周を走った後にピットインし、山本尚貴にドライバー交代。同時にタイヤも交換した。
8号車と64号車には当然先行されたものの、100号車は3番手でコースに復帰。さらにピットストップでライバルを逆転した#16 Redbull MOTUL MUGEN NSX-GTが4番手につけた。また、第2スティントに入って中団グループでバトルを繰り広げていた17号車(塚越広大)が48周目に23号車(松田次生)をパスし5番手に浮上。これでホンダのお膝元であるツインリンクもてぎで、NSX-GT勢がトップ5独占という体制を築いた。
なお23号車の松田は後半になってペースが伸び悩み、37号車の平川亮にパスされ、7番手に後退した。
トップを快走する8号車は、後半スティントを担当した福住仁嶺が順調にリードを築き、最終的に2番手に対して46秒もの大差で待望の今季初勝利。2位には64号車が入り、チームとしては昨年第7戦以来の表彰台を獲得することになり、3位には100号車が続いた。そして4位に16号車、17号車も5位に続いたことで、ホンダ勢は参戦全5台でトップ5を独占するという快挙を成し遂げた。トヨタ勢のトップは37号車で6位、7位に23号車が入り、これが日産勢の最上位となった。
これでチャンピオン争いは大接戦となり、ランキング首位に立った17号車をはじめ6台が、自力での逆転タイトル可能性を残して最終戦富士に向かうこととなった。
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