“かなり強い”痛み止めの力借り意地のポール争い。8号車ARTA大湯都史樹、殊勲の予選3番手に「95点の走りができた」
スーパーGT第4戦富士の予選で3番手を獲得した8号車ARTA MUGEN NSX-GTの大湯都史樹。鎖骨骨折の怪我から完治していない状況ながらポールを争ったことには、本人も満足しているようだ。
7月中旬に鎖骨骨折の怪我を負いながらも、8月5日、6日のスーパーGT第4戦富士にエントリーした8号車ARTA MUGEN NSX-GTの大湯都史樹。怪我が完治したとは言えない状況での出場に心配の声も挙がっていたが、5日の予選Q2ではトップと0.089秒差の3番手タイムをマークしてみせた。
骨折の直後に開催されたスーパーフォーミュラ第6戦富士に大湯は、右腕を吊った状態でパドックに現れ、無念の欠場となった。今回のスーパーGT富士戦に向けてはドクターからの許可も降りての出場となったが、やはり走行中は痛む場面もあったという。
しかし迎えた予選では、相方の野尻智紀が3番手タイムで順当にQ1を突破して大湯にバトンを託すと、大湯はQ2残り1分というタイミングで1分27秒852をマーク。この時点で2番手につけた。
その後24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zが1分27秒763でトップ、僚友の16号車ARTA MUGEN NSX-GTが1分27秒813で2番手となり、8号車ARTAは3番手に落ちるが、大湯は2周連続のアタックでセクター2まではポールポジションを狙えるタイムを刻んでいた。しかしセクター3で力尽きてタイムアップならず、予選3番手が確定した。
ポールポジションに肉薄してみせた大湯は予選を次のように振り返り、満足感を口にした。
#8 ARTA MUGEN NSX-GT
Photo by: Masahide Kamio
「ポールポジションを獲れなかったのは残念ですが、ウエイトも積んでいる中、僕自身もノーミスで走ることができました。最後の周はタイヤが垂れちゃいましたね」
「セットアップなどでもう少しできた部分もあったかもしれないですが、ベストを尽くせたと思っています」
「95%は出せたと思います。自分的には95点の走りができたと思っています。とはいえ(100%を出せたとしても)16号車の前に出れたかどうか、ですかね」
怪我の影響を感じさせない走りを見せた大湯だが、痛みはどうだったかと尋ねると「痛み止めで誤魔化したことでどうにかなりました。明日もそういう感じになると思います」とのこと。つまり薬を服用しているのかと返すと「薬の……かなり強いやつを(笑)」と苦笑した。
決勝日は雨予報もあり予測不可能な状況となっているが、現在ランキング9番手の8号車にとっては、タイトル戦線に絡む上で非常に重要なレースになると言える。ただ大湯は自身の怪我の状況も鑑みて「乗り切るレース」を目指すと語った。
「明日は天候が微妙ですが、その中でどれだけパフォーマンスを出せるかですね。僕は担当スティントでできるだけポジションを上げられればと思いますが、優勝は……時の運ですね。雨がどれだけ降るかでも全然変わりますし、ミシュラン勢も雨はいつも速いです」
「もちろん負けたくはないですが、自分の立ち位置も考えると、しっかり乗り切るレースをしたいです」
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