スーパーGT、タイム合算となる新予選方式の細則を発表。GT300の“順位入れ替えルール”の全容なども明らかに
スーパーGTが2024年シーズンから導入される新予選方式について、その詳細を発表した。
2024年シーズンの予選方式がQ1とQ2のタイム合算方式になることを2月に発表したスーパーGT。先日その細則が公示され、特定の条件下での判断など詳細な運用方法が明らかとなった。
まず2月に発表された新方式を大まかにおさらいすると、今季からは予選Q1、Q2、そして決勝スタートスティントを同じマーキングのドライタイヤで走らなければいけなくなった。そして予選はノックアウト方式が廃止され、Q1、Q2に全車が出走。Q1とQ2、それぞれ異なるドライバーがアタックし、両セッションのベストタイムを合算タイムで決勝のグリッドを決めるのだ。ふたりのドライバーが協力してポールポジションを目指すという新たな戦い方となり、記録上も“ポールポジション”の称号は従来のQ2担当ドライバーだけではなく、 Q1担当ドライバーにも与えられる。
まずQ1に関しては、GT300クラスは従来通りグループ分けを実施。グループA、グループBの振り分けは基本的に前大会までのチームランキング奇数順位をグループA、偶数順位をグループBとして、その走行順は抽選で決まる。開幕戦はプロモーターのGTA(GTアソシエイション)が順位などを考慮して決定する。各グループが10分間のQ1を走った後、GT500クラスも同じく10分間のQ1を実施する。ここまでは従来通りだが、8分間のQ2からは流れが変わってくる。
GT300のQ2は、今季から全車出走のため組分けを実施する。これはQ1の結果に基づいて振り分けられ、各グループの上位8台、計16台が“Q2グループ1(Upper 16th)”、それ以下の車両が“Q2グループ2(Lower 17th)”に振り分けられる。GT500は組分けなく、全15台でQ2を走る。
そして両セッションの合算タイム順でグリッドが決まるわけだが、GT300に関しては2月の発表時に「特定の条件下で予選順位を入れ替える特別ルールを設定し、新たなエンターテイメント性を創出する」予定であると明かされていた。今回はこれについても詳細が判明した。
GT300はまず、Q2グループ1(=Q1で上位タイムを出した車両によるセッション)に出走した16台の車両から、合算タイムの速い順で予選1番手〜12番手が確定。そしてQ2グループ2(=Q1で下位タイムに終わった車両によるセッション)参加車両の合算タイムから、同グループ5番手以下の車両が順に21番手、22番手、23番手……と順位が確定する。
そして残ったのが、Q2グループ1内での合算タイムが13番手〜16番手になった4台と、Q2グループ2内で合算タイムが1番手〜4番手になった4台の計8台。この8台に関しては、Q2のグループ分けに関係なく合算タイムの速い順に13番手〜20番手と振り分けられることになる。
したがって、GT300においては基本的にQ1でのタイムが振るわないと下位グリッドを決めるためのQ2セッションに回されることになってしまうのだが、その中でQ2ドライバーが好タイムを出せば、最高で13番グリッドを確保するチャンスがある。逆にQ1でまずまずのタイムを出して上位のグリッドを決めるQ2セッションに回ったとしても、Q2のタイム次第では20番手まで落ちてしまう可能性がある……ということになる。
また、時間経過と共に路面状況が大きく変わることが予想されるウエットコンディションの予選においては、その方式がいくつか変わってくる。まず、競技長がウエット宣言を出した場合ウエットタイヤの使用が可能となるが、ウエットタイヤへの識別用マーキングは行なわれない。つまり、ウエットタイヤであればセッション中に複数セット使うことも可能になる。また、予選通過、不通過を判断する、いわゆる“107%ルール”もその状況下では適用されない。
そして予選でウエット宣言がされた場合、GT500は変わらずQ1とQ2の合算タイム順で予選順位が決まるが、Q1、Q2で組分けを行なうGT300ではタイム合算方式が採用されない。Q2グループ1のタイム順に1番手〜16番手、Q2グループ2のタイム順に17番手以下のグリッドが決まり、上記の入れ替えも発生しない。
その他、タイヤに関して可能な作業なども細かく指定されている。予選で使用するタイヤは、デブリの除去作業も含め、ピットガレージ内でオフィシャルが監視できる範囲で行なうことは認められるが、タイヤへの加熱、水掛け等の冷却は禁止。ただしブロア等での送風による冷却は認められるという。そして予選で使ったタイヤが使用できなくなった場合、1本までは交換できるが、2本以上交換する場合は当該クラスのスタート後にピット前で交換してからピットスタートになるという。
各セッションで各クラスの上位3台の平均タイムから107%以上のタイムに終わった車両、そして予選を走行しなかった車両は最下位となり、グリッドからフォーメーションラップを走った後にピットに戻ってピットスタートとなる。
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