スーパーGT 第5戦:鈴鹿

130Rで横転クラッシュ、埼玉Green Braveに何が起きたのか。ダメージは甚大……GT300チャンピオン候補に立ちはだかる修復の壁

スーパーGT第5戦で横転クラッシュを喫した52号車Green Brave GR Supra GT。マシンは大きなダメージを受けており、修復に向けてのタイムラインも非常にタイトだ。

戎井健一郎

公開日時: 2026/08/23 10:11

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#52 Green Brave GR Supra GT

写真:: Masahide Kamio

 鈴鹿サーキットで行なわれたスーパーGT第5戦は、終盤まで大きな波乱もなく淡々とレースが進むかに思われたが、残り6周というところで大きなアクシデントが発生した。GT300クラスの52号車Green Brave GR Supra GTが130Rを飛び出し、スポンジバリアにぶつかり1回転したのだ。

 前戦富士で優勝し、ポイントリーダーとして鈴鹿を迎えたGreen Braveは、予選13番手で決勝をスタート。サクセス給油リストリクター2段階目のハンデに達していたため、給油時間で発生する大きなタイムロスをカバーするためにもフロントタイヤ2輪交換でピットアウトする戦略をとった。その結果、吉田広樹は終盤に6番手を走行しており、ポイントリーダーの座を守りきれそうな状況だった。

 しかし吉田を立て続けに不運が襲う。残り8周のデグナー2でGT500クラスの64号車Modulo HRC PRELUDE-GTに追突される格好になりコースオフ。その後、ピットで右リヤタイヤのみ交換して再度戦線に復帰したが、アウトラップで後述のアクシデントに繋がった。

 吉田曰く、Moduloに追突された後は酷いバイブレーションを感じており、「まともに走れる状態ではなかった」と話す。そして右リヤタイヤを交換したところ、振動自体は収まった一方で、真っ直ぐ走りづらいという感覚は残っていたのだという。そして130Rではマシンが曲がっていかず、高速でスポンジバリアに向かうことになってしまった。

「自分が何位を走っているかは分かりませんでしたが、ポイント圏内かもしれないと思い、精一杯頑張ろうと思っていました」

「まっすぐ走るのも難しかったですが、内圧が来たら(タイヤの内圧が上がったら)もう少し収まるかもしれないとも思っていたので、無理はしていませんが、それなりに走っていました。そういった中で曲がりきれず、ああいう状態になってしまいました」

 現状はこれらの現象が足回りにダメージがあったからなのか、交換直後の右リヤだけ内圧が低かったことによるものなのか分かっていない。ただ丸山恵介監督も「車両がクラッシュしてしまっているので、そこら辺は(今後の)特定も正直難しいかもしれません」と述べた。

 吉田が無事であったことは不幸中の幸いだが、チームにとってはこれで万事良しとは言えない。ここからの車両修復は、大きな大きなハードルとなる。

 埼玉Green Braveが使うGR Supra GTは、GTA-GT300車両と呼ばれるスーパーGT独自の車両規定で、空力等の開発が認められている。その分各チームは風洞実験なども行ないながら各パーツを手塩にかけて開発・改良していくわけだが、それらが破損した際の代償は大きい。いわゆるワンオフ(一点モノ)の部品も少なくないため、コストがかかるというだけでなく、修復ができたとしても以前とは同じ状態にならないといった面もある。FIA-GT3車両のように、スペアマシンに乗り換える……というわけにもいかないのだ。

 4週間後に行なわれる第6戦SUGOに向けて修復が間に合いそうかという点について、ドライバーの吉田も丸山監督も今は何とも言えないといったコメントを残している。

「自分はまだクルマを見れていないのですが、聞いた話だと色んなパーツが曲がったり折れたりしているようです」と丸山監督。

「工場に戻って色々開けてみないと分からない部分は多々ありますが、現状はクルマのダメージがだいぶ大きいという点は確認できています」

 吉田も今後について次のように語る。

「正直分からないです。自分たちのクルマを直せるかという点でも、GT3じゃないので大変な部分は色々あります」

「チーム、会社側と相談しながらになってくると思います。もちろんまだまだ(タイトル争いは)諦めたくはないのですが、クルマの状況を見たメカさんから聞く感じだと、すごく大変な状態ではあると思うので、今のところは何も言えないかなと思います」

 今もGT300のランキング5番手(事実上の4番手)につけており、3年ぶりの王座も視界に入る埼玉Green Brave。しかし彼らの前には、大事な後半戦を前にして大きな壁が立ちはだかることになった。

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