スーパーGT 第7戦:オートポリス

埼玉Green Brave、パーツ不足の中で痛恨クラッシュ。勝利のため、引くわけに行かなかった野中「僕が1周でも守れば、良い展開が作れると」

スーパーGT第7戦オートポリスでクラッシュを喫した埼玉Green Braveの野中誠太。チームにとっては手痛いアクシデントとなったが、野中としても優勝のためなんとかしてポジションを守りたいシチュエーションだったと語った。

戎井健一郎

公開日時: 2026/10/18 14:01

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#52 Green Brave GR Supra GT

写真:: Masahide Kamio

 スーパーGT第7戦オートポリスのレース中盤、GT300クラスの上位争いは白熱した。優勝に向けて好位置につける2号車HYPER WATER INGING GR86 GTと52号車Green Brave GR Supra GTは数周にわたって白熱したバトルを繰り広げたが、その戦いはGreen Braveを駆る野中誠太のクラッシュという形で幕を下ろした。

 共にGTA-GT300既定のトヨタ車を使うHYPER WATERとGreen Braveは、同ポイントでオートポリス戦を迎えた。ポイントリーダーの56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rとの差を縮めるためにも、なんとしても好成績を残したい1戦でもあった。

 Green Braveは2番グリッド、予選2番手のHYPER WATERはペナルティにより4番グリッドから決勝レースを迎えた。3時間レースの最初の1時間をトップで迎えたHYPER WATERはGreen Braveに先んじてピットインし、タイヤを4輪交換。一方のGreen Braveはその4周後にピットに向かうと、タイヤ無交換作戦でHYPER WATERの前に出ることに成功した。

 程なくして、2台はテールトゥノーズ、サイドバイサイドの応酬に。接近戦になれば、当然ながらタイヤを交換しているHYPER WATERに分があるのだが、Green Braveのエンジニアとしても、HYPER WATERのタイヤの“美味しい”時間帯を抑え込めば勝てる……そう考えており、勝利の方程式は見えていたようだ。

 そして50周目、2台が並走した状態で2コーナーから3コーナーへのブレーキングへ向かう中、GT500クラスの17号車Astemo HRC PRELUDE-GTが真ん中を割って入り、一時的に3ワイドに。HYPER WATERの堤優威はイン側、Green Braveの野中はアウト側からターンインした。

 しかし3コーナーには落とし穴があった。アウト側は砂煙があがるほどダスティなのは中継映像からも明白であり、野中はそこで体勢を崩してスピン、反対側のコンクリートウォールにぶつかってしまった。

 野中は当時の状況をこう説明する。

「2号車(HYPER WATER)はかなりイン側からのブレーキングで、僕はアウト側からのブレーキングだったので、アウトからまくっていけるかなというところで、アウト側のラインをチョイスしました」

「ただ、あまりにもダスティな路面でグリップしない中、縁石にも引っかけながらの状態でアクセルを踏んだ瞬間にコントロールを失ってしまいました」

「(アウト側の汚れは)思っていた以上でしたし、タイヤ無交換だったことでグリップとしてもギリギリのところでした。そういった部分も含め、悪い方向に行ってしまったかなと思います」

 8月の第5戦鈴鹿で横転クラッシュを演じたGreen Braveは、残されたスペアパーツを駆使しながら9月の第6戦SUGOに向けてなんとか車両を修復してきた。近藤收功チーフエンジニアは当時、「これで部品が全部なくなりました」として、今後大きなクラッシュが起きてしまうとレース活動にも響いてしまうと話していた。そんな中で今回不運にもコンクリートウォールに激しくヒットしてしまったことで、車両に一定のダメージが及んだことは間違いないだろう。

 ただ野中としても、あの場面は必死で戦わなければいけない理由があった。上記の通り、少しでも長くHYPER WATERを抑え込めば、レースでの勝利……ひいてはシリーズチャンピオン争いに向けて前進できる状況だったからだ。

「序盤に2号車に抜かれた時、ペースは僕らよりもあるなと感じていました。その彼らの前に出るには、とにかく無交換で行くしかないというところで、あの展開になりました」

「僕が1周でも多く守れば、後半の吉田(広樹)さんのスティントに向けていい展開が作れるというのもありました。そういう意識もあった中、ポジションを守ろうとして、結果的に少し無理をした感じになってしまいました」

「攻めた結果ではあるのですが、形的にはクルマもダメージを負ってしまい、悔しい結果になりました」

 

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