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スーパーGT 第7戦 もてぎ

スーパーGT、来季FCY導入はまだ不透明? GTA坂東代表「ラグや精度の問題もある」

スーパーGTを運営するGTアソシエイションの坂東正明会長は、第7戦もてぎで行なわれた定例会見においてFCY(フルコースイエロー)の導入について説明。スーパーGTとしてどのようなシステムとしていくのか、その詳細と現状について語った。

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 2020年のスーパーGTシリーズもいよいよ大詰め。先週末には全8戦中の第7戦となる『FUJIMAKI GROUP MOTEGI GT 300km RACE』がツインリンクもてぎで開催された。

 レース内容についてはすでにレポートされている通りで、今月末に富士スピードウェイで開催される最終戦『たかのこのホテル FUJI GT 300km RACE』ではいよいよチャンピオンが決定する。GT500ではランキング上位6台が4ポイント差の中にひしめき合い、彼らは勝てば自力でチャンピオンが決定するという混戦ぶりで、最終戦が一層楽しみになってきた。

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 そんなスーパーGTシリーズをプロモートしているGTアソシエイション(GTA)では毎レースウィークの日曜日に、定例で記者会見を開催している。会見にはGTAの坂東正明代表が登壇し、代表質問に答えるスタイルで進められている。

 ツインリンクもてぎで行われた定例会見での代表質問は、1.FCY導入に関して、2.マザーシャシーの今後について、3.新型コロナウィルス感染防止対策の今後について、と3つのテーマが用意されていた。

■スーパーGTのFCYは海外とは“ちょっと”違う?

 そもそもFCYというのはFull Course Yellow(フルコース・イエロー)の略称で、全コースで追越し禁止/速度を落として走行する状況を指している。例えばコース上でストップした車両が出た場合、そのクルマを回収する間はセーフティカー(SC)がコースインし、競技車両はその後方に一列縦隊に続き、車両回収を待つのが一般的だ。ただし、クルマが走行ラインに全く影響を与えない位置にストップし、ドライバーにはケガもなくその場から脱出している場合など『SCは不要』と考えられるケースも少なくない。

 またSCはトップ車両の前を抑え、全車の隊列が縮まることになる。つまりトップの車両にしてみればそれまでに築いたリードが無になってしまう、といった不公平感も少なくない。そうした理由でFCYの導入は世界的にもトレンドとなってきた。日本国内カテゴリーでも、スーパー耐久ではすでに導入されている。実はスーパーGTでも今シーズン当初から導入する動きもあったが、諸般の理由で棚上げとなった経緯がある。

 今回の定例会見で代表質問としてFCY導入について問われた坂東代表は「FCY制度は海外のレースではすでに運用されていますが、我々がスーパーGTで導入しようとしているFCYで使うシステムは海外レースのものと若干異なるところがあります」と切り出した。

 海外のシステムでは、オフィシャルの振る旗や示すボードによってFCYの開始や停止を指示しているが、スーパーGTで導入を考えているものは「主な手段はマーシャルのフラッグとボードとしますが、それを補助するものとして今年から新たに全車のコクピットに搭載しているオンボードパネルと無線を使うという方式で進めています」と坂東代表は説明した。

 走行中の競技車両には当然、無線で指示が飛ばされることになるが、こうなると電波管理法に則って行う必要も出てくるわけで、煩雑な準備が必要となることは容易に理解できるだろう。

 坂東代表は公平性を保つために「オンボードパネルをタイムラグなしに機能させ、各車両に減速と加速の指示を伝達する必要がありますが、精度がまだ100%に達していないところがあります」とも語り、他にも観客の多くが携帯電話を使った場合のキャパシティなど、技術的な問題も残っているとも話している。

 さらに「できるだけ100%の精度を実現した上での導入となります。来年大会の開催が予定されているサーキットの中でもスポーツランドSUGOや岡山国際サーキット、オートポリスなどではまだFCYのテストを行ってないので、FCYを導入するとなれば、すでにテストを実施済みのサーキットからということになると思います」と結んだ。

■マザーシャシーの今後……第2世代は再来年シェイクダウン希望

 マザーシャシーの今後については「第2世代となるマザーシャシーの導入を考えており、来年中にその仕様を固め、再来年にはシェイクダウンしたい」と坂東代表は語る。

 さらに同じGT300クラスで戦うJAF-GT車両について「コストを下げるためにパイプフレームを認めてほしいという要望が寄せられている」と明かし、FIA-GT3とバランスをとるためにJAF-GT300とそれに準じるマザーシャシーについては「カナードやリヤウイングなどの空力系に規制を入れ、FIA GT3とのバランスを取る」ことなどが検討されているとしている。

■最終戦富士では規制が緩和か?

 また新型コロナウィルス感染防止対策の今後については「第8戦富士大会(11月28日、29日)では、サーキットに入場できるチーム関係者やレースクイーンの数を増やすことを検討すると同時に、オーガナイザーが導線を確立することにより、パドックをある程度自由化し、ホスピタリティルームがあるピットビル2階とパドックとの往来もできるように検討しています」とし、“ウィズ・コロナ”の中で、「お客様により楽しんでいただけることを考え、『やれる』と思ったことは前に進めていきたいと思っています」と締めくくった。

 

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