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WAKO’S LC500脇阪監督「山田エンジニアがいなくても前向きに戦う」

チームルマンの山田健二エンジニアの訃報から約1週間。スーパーGT第2戦を前にし、同チームの脇阪寿一監督が、今の心境を語った。

脇阪寿一監督

写真:: Masahide Kamio

 2018スーパーGT第2戦富士。この直前に急逝した山田健二エンジニアについて、#6 WAKO’S 4CR LC500の脇阪寿一監督が、今の心境と今回のレースをどう戦っていかなければいけないか。その想いを語った。

 今シーズンも、Team LeMansのエンジニアとして活躍していた山田健二氏。同じくスーパーフォーミュラでもUOMO SUNOCO TEAM LEMANSの8号車を担当。開幕戦の鈴鹿もいつも通り大嶋和也と打ち合わせするシーンが見られていた。しかし、4月22日に急逝。享年54歳だった。死因は急性心筋梗塞だったと後にチームが明らかにした。

大嶋和也と打ち合わせをする山田健二エンジニア。21日までサーキットに元気な姿を見せていた
大嶋和也と打ち合わせをする山田健二エンジニア

Photo by: Jun Goto

 山田エンジニアの訃報から約1週間。スーパーGT第2戦のために富士スピードウェイを訪れている脇阪監督は、チームの大黒柱を失ったと語った。

「これまでの僕の戦い方としては、健二さんが作り出すスピードを大黒柱にして、ドライバーをどう気持ちよく走らせるかというチーム作り。そこにメカニック達がどう働いてくれるかというところを考えてきましたが、その大黒柱を失いました」

「その中で……悲しみはもちろんありますが、自分として『何をしていいか? どう立て直すか?』というところに追われました。喪に服すとか、悲しみとか、いわゆる“人の死”に対していろんな感情があったり、人それぞれ違うかもしれないです。でも残酷ではあるかもしれないですが、我々のレースというのはレーススケジュールがあって、次から次からやってくるんですよね。この富士も、すぐ(開催日が)来ることであって、それに対してどうすべきかということに追われました」

 なお、山田エンジニアの後任にはLEXUS TEAM SARDの田中耕太郎エンジニアが、今回からLEXUS TEAM LEMANS WAKO’Sを担当することに。エンジニアがシーズン途中でチームを移るというのは異例中の異例ではあるが、脇阪監督はこう言った状況下でも親身になって対応してくれたレクサスとTRDに感謝していた。

田中耕太郎エンジニア
田中耕太郎エンジニア

Photo by: Masahide Kamio

「健二さんの悲しみ、敬意、感謝はそれぞれがとてつもなく大きく持っていることを前提として、今のレクサス/TRDには、そういうことも親身になって前向きにすべきことは何かということを考えながら、前に進ませようとする部署、人がいるという暖かみというかありがたさをものすごく感じました。こういう時にドライバー、チームに寄り添うメーカー側の人間がいることに感謝したいですし、そういうことも健二さんが感じさせてくれたと思います」

「耕太郎さんもクルマのことで悩んだら健二さんのところに来ていたし、逆に健二さんも何かあったら耕太郎さんのところに相談に行っていました。そういう意味では、なるべくしてなったものだと思います」

 常に山田エンジニアに対しては、絶大な信頼をおいてきた脇阪監督。ドライバーもメカニックもしっかり育て上げる人材だと、改めて高く評価し、同時に彼がいなくなったことで、気づくことも多くなるだろうと語った。

「(彼が作り出す)スピードとして世界を制している人だし、ドライバーにしてもメカニックにしても教育していただける方だったと思います。我々、日本のレース界が誇る人材でした」

「大きなものを失いましたけど、ネガティブに考えるのではなく、ポジティブにどう捉えるかが、僕の使命だし、亡くなってからでは遅いのかもしれませんけど、より健二さんの偉大さを我々がこれから感じ、痛感して、苦労して、それをネガティブではなくポジティブな感謝にかえて、自分たちがどう成長していくかだと思います」

「当たり前に(山田エンジニアが)そこにいたことによって、周りのそれぞれができているつもりでいたと思います、僕も含めて。そういう人がいなくなったことによって、自分が何もできないということ、知らず知らずのうちにフォローされていたこと、そういったことに気づくことによって自分たちが成長できたら、健二さんは喜んでくれるのかなと思います」

 ただ、チームの中で必要不可欠な山田エンジニアを失い、脇阪監督も大きな悲しみを抱いているのは事実。その中でも、頑張って切り替えて前を向いていかなければいけないと語った。

#6 WAKO’S 4CR LC500
#6 WAKO’S 4CR LC500

Photo by: Masahide Kamio

「とにかく今回の1戦は……キツイ。『できることなら早く終わってほしい』という感情もあるし、『このレースを大切にしなきゃいけない』という感情もあります。我々も“人の死”に対しては悲しいし、下を向きたいです。でも目の前にはレーススケジュールがきています」

「スーパーGTは本当に恵まれていて、よく知ったファンの方々がいて、我々の悲しみを感じて、その悲しみに寄り添ってくれるファンもいます。でも、それ以上に(純粋に)レースのことを楽しみにしているファンもたくさんいらっしゃいます。その方々に対して暗い顔を見せるわけにもいかないし、そこで切り替えないといけないです」

「健二さんがいなくても、元気に明るく前向きに戦わないといけないし、それができないと健二さんのクルマを速く走らせられないという申し訳ない気持ちも出てきます」

「今は何をしても、どれが正解なのか分かりません。その中でも、精一杯このレースを戦いたいなというのが、みんなの気持ちです」

 なお、5月3日の公式練習直前に、1分間の黙祷が行われる予定だ。

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