ホンダNSX-GT、新フリックボックス導入も佐伯LPL「厳しいスタートになると思う」
ホンダの佐伯昌浩ラージプロジェクトリーダーは、FRに変わったNSX-GTについて、まだまだセットアップを煮詰めていく必要があると語った。

いよいよ開幕を迎える2020シーズンのスーパーGT。特にGT500クラスは3メーカーが新型車両を登場させ、注目を集めている。シーズン前のテストではホンダNSX-GT勢が好調な走りを見せていたが、ホンダの佐伯昌浩ラージプロジェクトリーダーは、厳しいスタートになる可能性があることを明かした。
GT500クラスはDTMとの統一車両規則「Class1」を今季から導入するため、これまでミッドシップレイアウトで戦ってきたNSX-GTもFR(フロントエンジン/リヤ駆動)化されることになった。3月の岡山公式テストでも上位に食い込む走りをみせたが、6月の富士公式テストでは「フリックボックス」と呼ばれるフロントのエアロパーツの新バージョンをテストし話題となった。
テストの際にはどちらのフリックボックスを正式採用するか、全てのテストが終わってから決めるとしていたが、7月17日に富士スピードウェイに搬入された5台のNSX-GTには、結局新型のフリックボックスが装着されていた。
「テストでもネガティブな意見はあまり上がってきていなかったです。ドライバーやエンジニアとの話し合いの中でも『こっちだよね』という結論になって、新しい方に決めました。あのフリックボックスはセットアップの幅を広げるという目的もあったので、各チームも扱いやすくなっていると思います」
motorsport.comの取材に応じた佐伯LPLはそうコメント。新パーツに対しては各チームとも良い印象を持っているようだが、テスト2日目が雨がらみのコンディションだったこともあり、セットアップの部分では不安が残っているという。
「ただ(新パーツを導入してから)ドライで走れた時間がすごく短くてセットアップが煮詰っているかと言われると、そこまで行けていない部分がありました。これはレースを戦っていきながら、煮詰めていくしかないのかなという感じです」
富士テストでの好調ぶりに“今年はホンダNSX-GT勢が強いのではないか?”という噂も飛び交ったが、佐伯LPLは逆に厳しいスタートになる可能性があることを示唆した。
「これは仕方ない部分ではあると思うんですけど、我々にとっては厳しいスタートになってしまっていることは間違いないです。もともと開発期間が短かったですし、コロナウイルスの影響でテストも数回中止になってしまっています。本来ならそこで評価するものがたくさんあったんですけど、それが出来なくて、先日の富士テストでも、エアロ以外にも色々(評価を)やっていました。そこでやっと2020モデルが出来上がったという印象で、ここからスタートということ感じなのです」
「ただ、ここからはレースしかないので、戦いながらセットアップを煮詰めていって、どんどん良いところを出していくような……そういう戦い方になるだろうなと考えています」
その点も踏まえた上で佐伯LPLは、ホンダ勢はライバルを追いかけていくチャレンジャー的立場になると予想。さらにGR Supra勢だけでなく、日産GT-R勢の速さも警戒していた。
「Supra勢は十分に安定していて、余裕を持ってテストをしているなというのが、こちらからも見て取れました。GT-R勢もトラブルとかは出ていましたけど、セッション中のタイムを見ると、十分に速さを持っていると思います。我々ももっと頑張らなければいけないなという状況で、我々の方がチャレンジャーという形になると思います」
「まだシーズンが始まっていないので何とも言えませんが、この前のテスト結果を抜きにしても、我々はスタートが遅れていると思っています。ただ、ここから徐々に良くなっていくと思うんですよね。まだまだポテンシャルがあると思っています。もっともっと強いクルマになっていけると感じています」
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