ちょい濡れ&路温低下に苦しんだミシュラン……しかし昨年比で”速さ”を改善

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ちょい濡れ&路温低下に苦しんだミシュラン……しかし昨年比で”速さ”を改善
執筆:
2019/05/08 6:01

スーパーGT第2戦で2位に終わった#23 MOTUL AUTECH GT-R。彼らが履くミシュランタイヤには一体どんなことが起きていたのか?

 スーパーGT第2戦富士GT500kmレースを、#23 MOTUL AUTECH GT-Rは2位で終えた。

 予選では、ロニー・クインタレッリが従来のコースレコードを0.5秒ほど更新する圧倒的なタイムを叩き出し、ポールポジションを獲得。しかし予選よりも気温が大幅に低く、そしてウエットからドライへと路面が変化していく難しいコンディションとなった決勝レースでは、7番グリッドからスタートした#38 ZENT CERUMO LC500に逆転を許してしまった。

 レースの敗因について、ドライバーのロニー・クインタレッリは「ピックアップに苦しんだ」と語り、チームメイトの松田次生も「グレイニングがあった」と語っていた。一体彼らのタイヤには、どんなことが起きていたのだろうか?

「第2スティント、第3スティントに向けて路面温度が下がっていきましたが、タイヤの選択については間違っていなかったと思います」

 ミシュランのモータースポーツ・マネージャーである小田島広明氏はそう説明した。

「通常のドライでも、富士では夕方になっていくと気温が低下していきます。それについては、今回第2スティントと第3スティントで履いたソフトタイヤでカバーできたと思っています」

 しかし第2スティントを担当した松田はタイヤに苦しみ、38号車に抜かれることとなった。

「ただ第2スティントは、少し濡れた状態でスリックタイヤを使わなければいけませんでした。通常はスリックタイヤを使う場面ではなかったので、かなりレアな状況だったと思います」

「当然ドライバーは、ネガティブな感触だったと言ってきます。彼(松田)はグレイニングが出ているような感じがすると言っていますが、実際にはグレイニングはありませんでした。タイヤ自体は全く綺麗な状態だったんです。ただ、期待していたようなグリップが出ていなかったのも事実です。濡れたコンディションに適合させたタイヤではないので、期待とは異なったと思います」

 今回23号車が選択したタイヤは温まりがよく、さらに先に2回目のピットストップを行なったこともあって、一度は38号車の前に復帰することができた。しかし、クインタレッリはタイヤのピックアップ(タイヤかすなどがタイヤの接地面に付着し、グリップが落ちる現象)に悩まされ、再び38号車に抜かれることとなった。

「第3スティントはドライ路面でしたが、路面温度が低くなりました。その中で、ロニーはピックアップで苦しかったと言っています。確かにピックアップがリヤに若干あり、グリップは厳しかったと思います」

 小田島マネージャーはそう語った。

「レーシングタイヤは、限られた温度領域の中で使わなければいけません。その中で、このくらい温度が下がってくると、タイヤの良い面が下がってきて、悪い面が目立ってくる。今回に関しては、それがピックアップという形で出てきたということです」

 なおNISMO陣営は、今季のミシュランタイヤの進歩を賞賛している。鈴木豊監督は「我々23号車にとっての今年一番の進化は、ミシュランタイヤのパフォーマンス向上」だと語り、松田も「去年は1発タイムに課題がありましたが、それが改善された」と評価している。

 これについて小田島マネージャーは、次のように説明する。

「去年の前半も、一発は速かった。そして、昨年のここで勝っていますから、安定性もあったんです」

「しかし夏場になると、速さはあってもデグラデーション(タイヤの性能劣化)も大きかった。それで『これではレースに強いタイヤではない』ということになったんです」

「これは修正しなければいけないということで、耐久性を稼ぐプロセスに切り替えたんですね。その結果、他社に対して一発のタイムが出にくくなった。レースでのラップタイムを見返していただくと分かるのですが、予選は良くても、決勝でペースが下がって順位を落とすということが前半戦にはありました。でも後半にはスタートポジションが良くなくても、決勝で挽回するようになったんです」

 これをさらに見直し、今季のタイヤが誕生した。そして前述のチームからの評価に繋がったと小田島マネージャーは言う。

「去年の後半から、一発のタイムの部分を見直し、安定性を伴った状態で速さを取り戻しました」

 勝利こそ逃しているものの、開幕から2戦連続PP、連続2位表彰台と好調さを維持する23号車。その強さの理由が、ここにひとつあった。

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この記事について

シリーズ スーパーGT
イベント 第2戦:富士
サブイベント Race
執筆者 田中 健一