「不評を買った」スーパーGTのタイム合算予選が今季廃止へ。でも王者au TOM'Sにとっては面白くない? 坪井「会議をやり直して(笑)」
スーパーGTは前年に採用した予選のタイム合算方式を廃止するが、同年にチャンピオンを獲得したTGR TEAM au TOM'Sのふたりは、この方式に好意的な印象を持っていたため、複雑な心境を抱えていそうだ。
写真:: Motorsport.com / Japan
大阪オートメッセで、2025年シーズンのスーパーGTに関する重要な発表があった。シリーズプロモーターであるGTアソシエイション(GTA)の坂東正明代表がトークショーの中で、昨年からタイム合算方式となっていた予選フォーマットを従来の形式に戻すと表明したのだ。
「せっかくやった合算タイムの新しい予選方式もグズグズで……」
「チームからもドライバーからも不評を買い……。金も使い……。今年は全てやめて元に戻す! うるさいんだよ、みんな(笑)」
そう“坂東節”を炸裂させ、会場を笑いに包んだ坂東代表。昨年導入されたタイム合算方式は、ふたりのドライバーが力を合わせてポールポジションを目指すという画期的なフォーマットで、環境対策のため取り入れたタイヤ持ち込みセット数削減に伴って導入されたもの。しかしこの方式は、分かりにくさを筆頭に様々な課題をはらんでいた。
これまではGT500クラス、GT300クラス共に全車のドライバーがQ1を走ってタイムを記録し、その中で上位のタイムを記録した車両がQ2に進出。Q2でもうひとりのドライバーがタイムを出し、そのQ2のタイムでポールポジションを決していた。しかし昨年は全車がQ1とQ2を走り、その合算タイム順にグリッドを決める方式となったため、「Q2で最も速かったチームがポール」という単純明快さは失われてしまった。また、公平性を保つために取り入れた順位決定方式が逆に複雑さを生んでしまうというジレンマもあった。
しかしながら、この方式に「助けられた」と語るのが、昨年のGT500チャンピオンであるTGR TEAM au TOM'Sの坪井翔だ。
合算方式の予選は当然ながら、ふたりのドライバーが共に高いパフォーマンスを発揮することが求められる。従来方式なら「Q1ギリギリ通過、Q2最速」でもポールポジションを獲得することができたが、合算方式ではそうもいかないのだ。ただその点でau TOM'Sは坪井と山下健太というトヨタ陣営を代表するドライバーふたりを擁していたため、“総合力”でポールを手にできるケースがあった。
その最たる例が最終戦の予選。au TOM'Sは山下が3番手、Q2で坪井が3番手に終わったが、合算タイムでトップとなりポールポジションを獲得。ボーナスポイントを手にしたことで、決勝を待たずしてシリーズタイトルを確定させられたのだ。
トークショーの中で、予選のレギュレーション変更によって気持ち新たに「やってやろう」という気持ちになるかと尋ねられた坪井は、冗談めかしてこう語った。
「いや、なんとかして戻そうかなと(笑)。部会の会議をもう一回やり直してもらって……(新方式導入に際して)すごくお金かかったんですよね?」
相方の山下も「僕らにとっては合算方式の方が全然良かった」としつつ、「でも見ている人にとってはどっちがいいのかという話ですよね」と切り出し、ステージに集まった観衆に「合算が良い人〜?」と呼びかけた。すると挙手はまばら。坪井はすかさず「36(au TOM'S)アンチがいっぱいいますね」とぶっ込み、ファンを笑わせた。
また同じくトークショーに出席したAstemo REAL RACINGの塚越広大は、自分たちも合算方式の恩恵を受けてポールポジションを獲得した立場であると前置きしながら、また違った目線で意見を述べた。
「僕たちも富士では合算タイムでポールを獲れたので、恩恵を受けた側ではあります」
「ただ僕自身、Q2でのアタックの後に『ポールだよ』と言われたのですが、(自身のQ2タイム自体は)3番手とかだったので、一番じゃないという点で少しモヤっとした部分はありましたね」
「やっぱりシンプルな方がいいんじゃないかなと」
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