19号車WedsSport、1周半で優勝戦線から脱落もレースペースに手応え。奇策“ダブルスティント”も可能だった?
19号車WedsSport ADVAN GR Supraのエンジニアであるバルン・スリニバサンは、ポールポジションスタートのスーパーGT第2戦富士はタイヤのウォームアップに苦しみ1周半で全てを失ったと言うが、その後のレースペースは非常に良かったと振り返った。
富士スピードウェイで行なわれたスーパーGT第2戦で、ポールポジションからスタートした19号車WedsSport ADVAN GR Supraはわずか2周足らずで優勝戦線から脱落してしまった。しかし担当エンジニアは、その後のレースペースは自信になるものだったと振り返った。
阪口晴南が駆る19号車はスタートで順当にホールショットを奪ったものの、オープニングラップの最終セクションで37号車KeePer TOM'S GR Supra、3号車CRAFTSPORTS MOTUL Z、36号車au TOM'S GR Supraに立て続けに交わされ4番手に後退。2周目には7番手までポジションを落としてしまった。
19号車は41周終了時にピットインし、阪口から国本雄資に交代。その後は9番手を走行していたが、3号車CRAFTSPORTS MOTUL Zの大クラッシュにより赤旗中断、レースはその後セーフティカー先導のまま、100周予定のところ62周でチェッカーが振られた。3号車のリタイア、そして39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraと37号車のペナルティにより、結果的に19号車は6位となった。
19号車を担当するバルン・スリニバサンはレースを振り返り、ヨコハマタイヤが安定したペースを見せたことは自信に繋がったと語ったが、タイヤのウォームアップが不安材料であったため、スタートで順位を守り切ることはできなかったと語った。
「僕たちのタイヤのウォームアップが良くないことは分かっていた」とスリニバサンは言う。
Start, GT500
Photo by: Masahide Kamio
「晴南がリードを保てるよう、僕たちも出来る限りの対策を講じたけど、うまくはいかなかった」
「頑張ってポールを獲得したのに、それが1周半で水の泡になってしまったことは残念だ。ただ、タイヤが(作動温度の)ウインドウに入ってしまえばペースは良かったし、無線でも(性能劣化を)訴えられることはなかった」
「ヨコハマは昨年からかなり進歩している。でもチームとして(ウォームアップに関して)もっと違ったことができたかもしれないので、このことを振り返って分析する必要がある。僕たちはそこ(ウォームアップ)で負けてしまったんだ」
またスリニバサン曰く、19号車のタイヤの性能劣化が緩やかであったことから、チームは義務付けられている2回のピットストップの内、2回目を給油のみで済ませ、ドライバー交代とタイヤ交換を行なわないという、いわゆる“ダブルスティント”を目指していたようだ。
「最初のスティントでは40周くらい走った。タイヤは摩耗していたけど、少なくとも40周は走れるということが分かった」
「残りは60周だった。ただ、FCY(フルコースイエロー)やセーフティカーが入ると予想していて、レーシングスピードで走るのは50周程度になると考えた。だから国本には少し我慢してもらって、タイヤを最後まで持たせることを目指していた」
「もしもう一度タイヤを交換していたら、ただでさえウォームアップが悪いのに加えて路面温度も下がっていたので、アウトラップはかなり酷いものになっていただろうし、大きく順位を落としただろう。だから(ダブルスティントを)計画していたんだ」
富士では8月にもレースが予定されているが、夏場のレースとあって、ウォームアップはそれほど懸念材料にならないだろうと語るスリニバサン。「自信過剰になるのは良くないが、1周のペースも良く、レースペースも良い。今回のパフォーマンスを再現し、弱点を克服できれば良い結果が残せるだろう」とポジティブな展望を口にした。
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