スーパーGT 第2戦:富士
VELOREXフェラーリ“26台抜き”劇的勝利の裏側。超ストイックな元F1戦士ロベルト・メリ見習い片山義章も禁酒&猛特訓
スーパーGT第2戦富士のGT300クラスで、26台抜きの大逆転優勝を成し遂げたVELOREX。車両のパフォーマンスはもちろんのこと、ドライバーのストイックな姿勢も好調につながっているようだ。
戎井健一郎
編集: 2025/05/06 11:26
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写真:: Masahide Kamio
富士スピードウェイで行なわれたスーパーGT第2戦。衝撃の結末となったGT300クラスは、トップ快走中だった61号車SUBARU BRZ R&D SPORTが最終ラップでストップしたことにより、6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIの片山義章、ロベルト・メリ組が逆転勝利を収めた。UNI-ROBOは27番手からのスタートであり、“26台抜き”という離れ技をやってのけた。
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UNI-ROBOフェラーリを走らせているのは、Team LeMans。彼らはフェラーリ296 GT3を採用した昨年より“VELOREX”(イタリア語で速さを意味するVELOCEとラテン語で王を意味するREXを組み合わせた造語)という独自ブランドを発足し、今季からチーム名もVELOREXと改めての参戦となっている。一方でドライバーラインアップに関しては、片山・メリ組となって4年目のシーズンとなる。
パートナー初年度こそは苦しいレースが続いた片山・メリ組だが、2年目の2023年は表彰台の常連に。アウディからフェラーリにスイッチした昨シーズンも、ポールポジション1回、表彰台1回を記録した。そして今季ついにふたり揃って初優勝。成績も徐々に上向いていっている感がある。
メリは優勝記者会見の中でチームの成長に触れ、次のように語っていた。
「最初にここに来たときは、クルマやヨシ(片山)のパフォーマンス、そしてチームの状況がうまくまとまっていなかった」
「でも今こうやってヨシとチームの成長を見ることができてとても嬉しい。僕も含めてみんながハードワークをした結果、勝利を掴めるようになり、常に競争力を保てるようになった。彼らを本当に誇りに思う」
#6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI
写真: Masahide Kamio
メリと言えば、ユーロF3やフォーミュラ・ルノーといったシングルシーターで実績を残し、2015年にマノーF1のシートを得た元F1ドライバー。彼は潤沢な資金をバックに持っているわけではないが、F1から離れた後もF2チームから何度も声がかかってスポット参戦をするなど、その実力は高く評価されている。
チームによると、そんなメリは非常にストイックなアスリートなのだという。彼が嗜む自転車はもはや趣味の域を超えており、基本的に富士スピードウェイでレースが開催される時は、飛行機で日本に降り立ち、東京からサーキットまで自転車で来ているというから驚きだ。レースウィークの金曜日にも、ものすごいスピードでサーキットを駆け抜けるメリの姿が度々見られる。
チーム代表の古場博之氏はさらにこう説明する。
「ロベルトは2時間連続のダブルスティントでも、予選ラップのように走ることができますからね。トレーニングだけでなく食事にもすごく気を遣っていて、当然ファットなものを控えたりしていますし、アスリートとして超一流だなと。あそこまで追い込んでいるドライバーは、スーパーGTの中でもなかなかいないと思いますよ」
そんなメリに片山も触発されている様子。メリはシーズン中アルコールを口にしないというが、今シーズンは片山も禁酒中とのことだ。
片山(左)とメリ
写真: Masahide Kamio
片山は、父の義規氏が岡山国際サーキットの社長に就任したのを機にレースを始めたため、レースデビューは20歳を迎える2013年と他より遅い。それまでアメリカンフットボールをしていたことから筋骨隆々であることはファンの間では有名だが、最近はトレーナーと持久力強化に励んでいるという。
その成果もあってか、片山は今回の富士戦で、鬼神の追い上げを見せたメリからポイント圏内でバトンを受け取ると、安定した走りでさらにポジションを押し上げ、メリが担当するラストスティントでの逆転優勝の礎を築いた。古場代表もレースリリースの中で「片山選手が良かったですね。1時間を超えるロングスティントをとても良いラップタイムで周回を重ねてくれましたし、すごく冷静に走ってくれたことが良かったです」とその走りを評価していた。
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