
2018スーパーGT第6戦SUGO。GT500クラスで初優勝を飾った#100 RAYBRIG NSX-GTのジェンソン・バトンは、改めてこのレースで勝つことの難しさを痛感していた。
スポーツランドSUGOで行われたスーパーGT第6戦。GT500クラスはポールポジションからスタートした#100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン)が優勝。バトンにとっては参戦6戦目での嬉しい初優勝となった。
今回は山本がスタートスティントを担当。途中#12 カルソニック IMPUL GT-Rに抜かれて2番手に下がったが、そこから引き離されることなくしっかりと食らいついて34周終わりにピットイン。バトンに交代した。
ピットアウト直後から好ペースで周回したバトンは、39周目にピットアウト直後の#12 カルソニック IMPUL GT-Rをかわしトップに浮上した。
その後も順調に周回を重ねたバトンだが、57周目の最終コーナーでGT300車両を無理に抜こうとしてコースオフ。レース終盤はセーフティカーで10秒近く築いていたマージンがゼロになる波乱もあったが、トップを死守して念願の初優勝を飾った。
結果的にはポール・トゥ・ウィンだったが、最後まで気が抜けないSUGOらしいレース展開に、バトンも神経を使い果たしたという様子だった。
「SUGOのレースでは魔物が出るといろんな人から聞いていたけど、噂通りだったね! 正直クレイジーなレースだった」
「このサーキットでGT500とGT300が合計44台で混走するというのは、本当にタフなことだったし、すごい経験をしたなという気持ちだ」
「今回は後半スティントだったけど、僕もこのコースに関しては勉強しながら各セッションをこなしていったけど、最終コーナーだけはアウト側にいってはいけないというのは身をもって勉強することになった。(最終コーナーでのコースオフは)けっこう恐かった」
「セーフティカーが出て後ろとのギャップが縮まって……最後の5周は本当にタフだった」
「改めて、スーパーGTで勝つというのは本当に難しいことなんだなと思った。SUGOで勝つのは特にね。そして、またチャンピオンシップでトップに戻ってくることができて嬉しい」
「僕にとっては2012年のサンパウロ(F1ブラジルGP)以来の勝利で、すごく嬉しいし、感慨深い。チームとホンダ、そして素晴らしいチームメイトであるナオキ(山本尚貴)と……みんなで掴んだ勝利だ」
また、コースオフした場面の状況については、バトンはこのように語った。
「ナオキからも、最終コーナーのアウト側はタイヤカスが多いから気をつけてと言われていた。だけど、あの時はGT300のマシンにつまっていて、ペースが遅かった。そこでアウト側から抜いていこうと思ったけど、そこでタイヤカスに乗っていきなりフロントのグリップを失った。
「そこで3秒ぐらいロスしてしまってマズイなと思ったけど、その後は特に問題はなかったし、クルマへのダメージもなかった。コースオフの際に芝生がラジエーターに入ってしまう心配もあったけど、最終的には大丈夫だった」
前半スティントを担当した山本は、優勝だけを見据えて今週末SUGO入りしており、最後まで平常心を保つことを心がけたという。
「まずは、JBと組んで初優勝することができて本当に嬉しいです。昨日のポールポジションも嬉しかったんですけど、あまり喜びを爆発させすぎることなく平常心を保ってレースに臨むことを心がけていました」
「レースは、やはりSUGOらしいというか、セーフティカーが出たり、終盤にコースオフする車両が多発してFROが出るシチュエーションもありました。なかなかすんなり勝たせてくれないなと感じました」
「だけど、うまくレースを組み立てることができましたし、JBもチームもいい仕事をしてくれました」
山本とチームクニミツにとっては2015年のSUGO以来の勝利となったが、昨年からチームのメンテナンスを担当しているATJにとっては初勝利となる。山本にとっても今回は特別な1勝となったようだ。
「昨年からチームクニミツのメンテナンスをしてくれているATJにとっても初めての優勝になったので、チームスタッフが泣いているところをみると、みんなにも相当プレッシャーがあったと思うし、ずっと勝ちたかったんだと思います。自分だけの勝利だけじゃなくて、たくさんの人の責任と思いを乗せてレースを戦っていたんだなと、改めて感じました」