スーパーGT 富士公式テスト
「日産ファンに明るいニュースを届けたい」メーカーの威信背負う男、NISMO千代勝正の意気込み。課題のウエットも徐々に克服
NISMOのドライバーとしてスーパーGTを戦う千代勝正は、高いレベルで拮抗するGT500においては今年も楽なシーズンにはならないだろうとしつつ、日産ファンに明るいニュースを届けたいとの思いを述べた。
戎井健一郎
編集: 2025/03/31 8:30
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#23 MOTUL AUTECH Z
写真:: Masahide Kamio
NISMO陣営の1台であるNDDP RACINGの3号車で2年連続ランキング2位となった千代は、2024年より23号車のドライバーとなり、日産のエースナンバーを背負うことになった。同年は速さを見せる場面もあったが安定して上位に入ることができずランキング8位。今季は引退したロニー・クインタレッリに代わって3号車時代のチームメイトである高星明誠を相方に迎え、リベンジを誓う。
昨年NISMOが課題としていた要素のひとつに、ウエットタイヤがある。NISMOにとって昨年はタイヤメーカーがミシュラン→ブリヂストン(BS)に変更となった年。彼らはブリヂストンのウエットタイヤをなかなか使いこなすことができなかったのだ。タイトル争いから脱落した第8戦もてぎでは、「ドライで予選ができていれば十分戦えていたと思う」という千代のコメントも印象的であった。
具体的に、BSウエットタイヤの扱いのどういった部分に苦戦しているのか?
「ウォームアップだったり、ピークのグリップの出し方ですね。昨年のもてぎ戦の予選もそうですし、ピークの出し方、出方という点において、他よりもうまくタイヤを使えていないところがありました」
そう語った千代。今年の岡山、富士での公式テストは多くがウエットコンディションとなった。気温がレースウィークではあり得ないレベルの低さではあったが、NISMOにとっては様々なトライをする絶好の機会だったはずだ。
#3 Niterra MOTUL Z
写真: Masahide Kamio
今季からNISMO NDDPの3号車に乗る佐々木大樹も岡山テストの際、ウエットコンディションでの課題が顕著に出るテストだったとしつつも、「課題は克服しつつあるのかな」とポジティブなコメントも残していた。千代も少しずつではあるが、課題は改善傾向だと語る。
「テストでは疑問になっていたことをひとつひとつ試すことができました」
「『何をしたら良くなるんだろう』とみんなで考えている中で、いくつかポジティブなフィードバック、結果がありました。昨日(富士テスト初日)の雨もそこまで遜色ないペースで走れたのは大きかったです。少しずつ苦手を克服してきているなと感じます」
#23 MOTUL AUTECH Z
写真: Masahide Kamio
公式テストではディフェンディングチャンピオンであるau TOM'Sをはじめとするトヨタ・スープラ勢、そしてホンダのシビック勢がタイムシートの上位に来ている印象があり、見かけ上は日産のZにやや元気がないようにも見える。
当然、テストであるため各陣営がどれだけ爪を隠しているか分からない。特に今季は天候の優れないセッションが多かったため、路面コンディションの良い、トラフィックのないタイミングでたまたまアタックをした車両が上位に来るというシチュエーションも多かっただろう。
千代は上記の理由から勢力図はハッキリ分からないとしつつ、いずれにしてもGT500で楽なシーズンは一度としてないのだと述べた。
「どんな年でも楽なシーズンはないですからね。今のGT500は本当にレベルが高く、本当に細かい部分の差で結果が変わってくるので、そこをいかに上手に仕上げていくかが重要です。上位のレベルも高く、拮抗していると思います」
最後にシーズンの意気込みを尋ねると、千代は次のように力強いコメントを残した。
「スーパーGTで良い成績を出して、日産ファンの皆さんに明るいニュースを届けたいと思います」
メーカーの威信を背負う者の言葉には重みがある。
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