DTMデモランを満喫したデュバル「引退前にまた日本でレースがしたい」

スーパーGT最終戦でDTMのデモランを行ったロイック・デュバルは、いつか日本に戻ってレースがしたいと語った。

 11月にツインリンクもてぎで行われた2017スーパーGT最終戦で、DTM車両のデモンストレーションランに参加したロイック・デュバル。現在はヨーロッパを中心にしてのレース活動になっているが、自身が現役を引退するまでには、もう一度日本でレースをしたいと語った。

 2006年から2012年までスーパーGT500クラスに参戦し、2010年には小暮卓史とともにシリーズチャンピオンに輝いているデュバル。同時期にはフォーミュラ・ニッポン(現スーパーフォーミュラ)にも参戦し、こちらは2009年にドライバーズタイトルを獲得している。これを皮切りにWECやフォーミュラEなど世界の舞台に進出していった。

 しかし、海外のレースを優先するため、スーパーGTは2012年、スーパーフォーミュラも2014年いっぱいで参戦を終了。今季はドイツのDTMに参戦し、徐々に日本に来る機会も減っている状況だった。

 そんな中、DTMドライバーの一員としてツインリンクもてぎに登場。土日合わせて2回のデモランが行われ、日独6メーカーのマシンが初めて揃ってのデモ走行を披露した。

「こうしてチャンピオン決定戦の舞台を観ることができて、とても嬉しい。僕も7年前にここでチャンピオン争いを制した。その時の張り詰めた気持ちを知っているから、今彼らがどのような心境にあるのかも分かる。デモランもメインイベントだけど、こっちもメインイベントだ」

 そう語るデュバル。メディア向けの囲み取材はちょうどスーパーGTの予選前に行われていたのだが、「早く予選開始の時間にならないかと楽しみにしているんだ!」と笑顔になっていた。

 今回は2017年仕様のDTMマシンで走行をしたデュバルだが、GT500との違いについて訊かれると、一番は“タイヤ”だと答えた。

「スーパーGTと違って、DTMはワンメイクだから、開発の方針も違う。基本的にスーパーGTの場合は4メーカーが常に競い合っていて、毎戦ベストなタイヤを持ち込んでくるけど、DTMではメーカーから与えられたもので戦うというイメージ。だから、グリップレベルはスーパーGTのものと比べると低いなという印象だ」

「タイヤに関しては、ルールやコンセプト自体が違うから差が出るのは当然のことだ。マシンに関して基本的に一緒だけど、エアロパッケージとか全体的にスーパーGTと比べると違うところは少なからずある」

 今回は、日独6メーカーが揃ってデモランを行うことになり、数年前から話が上がっている「交流戦」実現へ一歩踏み出したことになった。デュバルも交流戦実現を願っているが、クリアしなければいけない課題もあると語った。

「日独6メーカーがともにレースをすることは)僕だけじゃなくて、みんなの夢。全てを一緒にするというのは決して簡単なことではない。ただ、GTカーという点では6メーカーは世界的にも有名。それらが将来一緒になって同じレースを繰り広げられたら、それは本当にファンタスティックなこと。これはみんな考えていることだ。いつか、実現されることを願っている」

「スーパーGTは2人のドライバーが1台で戦う耐久レースの性質を持っている。一方でDTMは1人1台でレース距離も比較的短い。またタイヤも大きく違って、スーパーGTはマルチメイクでタイヤ戦争があって、DTMはワンメイク。この2つが大きな違いだと思う」

 そして、久しぶりにスーパーGTのパドックに帰ってきたデュバルはピットウォークにも参加し、時間の許す限り多くのファンにサインをしたり一緒に写真を撮ったりとリラックスした表情をみせていた。

「アウディスポートに入ってから、様々なカテゴリーに参戦して、その都度いろいろな経験をさせてもらっているけど、改めてこのカテゴリー(スーパーGT)がどれほど人気で素晴らしいものかというのを感じることができた。スーパーGTには数年ぶりにやってきたけど、みんな僕のことを覚えていてくれているし、いつも日本のファンは熱狂的。WECやF1に参戦しているドライバーもみんな言っているけど、日本のファンは本当に素晴らしい」

 さらに、現在はアウディとともに様々なカテゴリーで活動を続けているが、現役を引退するまでに機会があれば日本でもう一度レースをしたいと語ってくれた。

「アウディスポートの一員になるために日本を去ることになったけど、僕がレーシングドライバーを引退するまでには、もう一度日本に戻ってきてレースをしたいと思っている。それがアウディのマシンでならベストなこと。それが将来的に実現されればファンタスティックなことだ」

「日本には素晴らしいチャンピオンシップがあって、レースに臨むメンタリティも素晴らしい。日本でレースをするという機会が、またいつか叶えられればいいなと思っている」

取材・執筆/吉田知弘

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シリーズ スーパーGT , DTM , スーパーフォーミュラ
記事タイプ 速報ニュース