【スーパーGT】ダンロップ、GT500でのさらなる体制拡充を目論む。“キャパシティ”の確保が課題か
ダンロップは今季から、スーパーGTのGT500クラスで2チームにタイヤを供給しているが、モータースポーツ部主査の安田恵直曰く、できることならば3台体制に拡充してその存在感をさらに高めたいようだ。
写真:: Masahide Kamio
スーパーGTに参戦するタイヤメーカーのひとつである住友ゴム工業(ダンロップ)は、GT500クラスに関しては長らくNAKAJIMA RACINGの1チームのみにタイヤを供給していた。しかしながら、2021年シーズンからはTEAM Red Bull MUGENにもタイヤを供給することとなった。ダンロップのGT500クラス2台体制は、NAKAJIMA RACINGとTEAM SARDに供給していた2010年以来のことだ。
GT500ではブリヂストン、ミシュラン、ヨコハマといったメーカーが複数チームに供給しているのに対し、ダンロップは1台体制が故にテストやレースで収集できるデータにも限界があった。そんな中でTEAM Red Bull MUGENからオファーがあったため、ダンロップは体制拡充を決めたのだった。
しかし、ダンロップとしては現在の2台体制に完全には満足しておらず、さらに体制を拡充したいと考えているようだ。彼らはGT300クラスでも既に4チーム5台にタイヤを供給しており、キャパシティ的にもそれは簡単ではないと認める。しかし、最高峰クラスであるGT500クラスで充実した体制を築き上げるためには、最悪の場合GT300の供給チーム数を減らすことも厭わない姿勢を見せている。
「最低でももう1チーム欲しいですね」
そう語るのは、ダンロップのモータースポーツ部主査を務める安田恵直だ。
「しかし、これ以上供給するとなると、キャパシティの問題が出てきます。ですので、そこを考えないといけません。(現状ふたつのクラスで7台供給しているが)既に多すぎますし、限界に近いところにいると思います」
「まず第一に考えないといけないのは、どうやってキャパシティを大きくするかということです。でもそれができない場合は、GT300の供給を減らすことになるかもしれません」
Dunlop tire
Photo by: Masahide Kamio
昨年、ダンロップはNAKAJIMA RACINGと共に予選でのパフォーマンスの高さを見せつけた。64号車Modulo NSX-GTは4レースが行なわれた富士では苦戦気味だったものの、残りの4レースが行なわれた鈴鹿ともてぎでは速さを見せ、ポールポジション2回、予選2番手1回を記録してみせた。ただレースペースは課題であり、表彰台獲得1回に留まった64号車はチームランキングでも11位に終わった。
今季2レースを終えた段階でも、ダンロップユーザーの64号車と16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTは予選順位よりも上のポジションでフィニッシュすることができておらず、64号車が第2戦富士で1ポイントを獲得するのみに終わっている。しかし安田主査は開幕戦岡山を終えた段階で、現行の体制についてポジティブなコメントを口にしており、今季は予選パフォーマンスよりもレースペースに重点を置いていくと語っていた。
「2台のマシンの相性が良いことはすぐに感じ取れましたし、開発のスピードも格段に上がっています」
「昨年は予選で速かったものの、レースではうまくいかなかったので、今年はタイヤをより長持ちさせることに注力しています。我々はいくつかの構造のタイヤをレースに持ち込んでおり、今回(開幕戦)は3種類のコンパウンドを持ち込んだ結果、その中のミディアムとハードを使いました」
「もしソフトを使っていれば、我々は簡単にポールポジションを取れたでしょうが、ハードなコンパウンドを使っていたことを考えれば、(予選での)6番手と7番手は上出来でした。今年は(予選の結果よりも)レースでのパフォーマンスを重視しています」
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