【スーパーGT】空力開発凍結の中、やれることは意外にある? 気になるフロントボンネットの開口部
スーパーGT富士テストに登場したGT500クラスの車両を見ると、ボンネットの開口部周辺の処理は各メーカーで特色があり、興味深い箇所のひとつとなっている。

スーパーGT開幕前最後の公式テストとして開催された富士公式テスト。ここに登場したGT500車両のフロントボンネットを見てみると、各メーカーの創意工夫が見てとれた。
注目すべきは、ボンネットに設けられた冷却ダクトの出口付近。最も目を引いたのはトヨタ陣営で、14号車ENEOS X PRIME GR Supra、36号車au TOM'S GR Supra、37号車Deloitte TOM'S GR Supra、39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraの4台には2段構造となったフラップのような構造物が確認できる。これは今回の富士テストから投入されたもののようだが、陣営の関係者からはまずまずのパフォーマンスだという声も聞かれた。


一方ホンダ陣営のNSX-GTのボンネットを見てみると、こちらの開口部は曲線的な形状をしている。複雑な形状のため分かりづらいが、昨年のものと比べて異なる処理をしているように見える。開発が許されているエンジンの進化に合わせて冷却の最適化を図った結果、このような解決策に落ち着いたようだ。


日産陣営のZのボンネットを見てみると、開口部は昨年と変わらず、縦にシンプルなスプリッターが1本入ったものとなっている。これはインタークーラーで使った空気を排出するルート、ラジエターで使った空気を排出するルートを区切ることで、それぞれ流速・圧力の異なるふたつの気流を効率良く流そうというソリューションと推測される。なお複雑な形状をしているホンダのそれも、日産と同じような考え方で流路を分けているようだ。

#3 Niterra MOTUL Z
Photo by: Masahide Kamio
ただ現在のGT500クラスでは基本的に空力開発が凍結されており、いわゆる“デザインライン”の下にあるフリックボックスやラテラルダクトなどの主要空力パーツは軒並み変更ができない。ただそんな中で、当該開口部のあるエリアについては各陣営で様々な解釈・意見がある様子。今後各メーカーがどのようなアプローチを取って来るのかにも注目だ。
今回登場した各マシンの開口部にはそれぞれどのような狙いがあるのだろうか? 開発エリアが限られている中でも、実に興味深い。
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